カフカ&白雪

木靴下@カフカ > (水槽の中でゆらりゆらり─────。鮮やかなものから無難で素朴なもの、お世辞にも綺麗とは言えないドブのような色の鰭をなびかせ悠々と泳ぐ魚の群れを見上げ、カフカはそれを、片方しかない瞳で追い掛ける。)(オランダ出身のアメリカの絵本作家。レオ・レオニ作。)(───────『スイミー』)(スイミーは色の真っ赤な仲間とは違い、黒い魚だった。しかし、仲間の中では一際泳ぐのがうまかった。)(ある時大きな魚に仲間が食われ、泳ぎのうまかったスイミーだけが生き残った。)(そこから一人、広い広い海を一人で放浪し、ある時、岩の影に隠れて暮らす仲間にそっくりな赤い魚を見つけた。)(大きな魚に脅え、満足に泳ぐことも出来ない彼らに、『みんなで集まって、大きな魚になろう』と提案し、見事小魚の群れは大きな魚を追い払い、隠れることなく自由に泳ぐことができるようになった─────という話だ。)(……果たしてそんなことが現実で起きた場合、大きい魚は脅えて逃げるのだろうか。)   (1/8 14:26:30)
木靴下@カフカ > (───────浮かんだ疑問に唸るようにくるると喉を鳴らす。カフカの人外らしさを強調する艶めいた黒い尻尾はゆらゆらと左右にうねり、揺れながら、相も変わらずごうごうと青い炎を煌めかている。)「─────── 〝スイミー〟は、一際泳ぎがうまかった。……それなのに、〝群れた〟。」(近付く貴方の足音か、それともその独特な気配を察してか、カフカは貴方に向けた言葉か、はたまた単なる独り言か、分からないような声を零した。)(しかし、それが独り言であったかどうかはすぐわかる。)「こんにちわ。03小隊。…白雪小隊長?」(その視線は流すように。身長差の関係上、貴方を見下ろすようにして。)(青い青い、倦怠的な細い瞳が、貴方の姿をしっかりと捉えていた。)   (1/8 14:26:32)

白雪 > 「……あら」水槽の中を見つめていた雪は、声をかけられてそちらの方へと振り向いた。「四番のところのシキガミさん、珍しいこと、あなたが話しかけてくるなんて。」片手で抱えていたバインダーの文字面を胸にくっつけ、バネがついたボールペン入れへペンをさしこんで、居住まいをただしてからにっこりと笑った。「お噂からして、お喋りをしに来た訳じゃなさそうね?端的で構いませんわ、どうぞ本題からお話になってくださいな。」お互い仮にも隊長職だ。人となりの評判などは既知と見よう。邪険にされていると解っていながらわざわざ話題提供をしてやることもない。──────そのまま『追憶』を稼ぐ方法も見つからないまま、自我を失いカミサマ(討伐対象)になってしまうことが恐ろしくないのならね。そうでなければ───────「……どうか、なさいまして?」自分の興味くらい、自分で操ってもらおうじゃあないか。にっこりと完璧な微笑みは、彼女の余裕、動じなさをありありと表しているだろう。相手がシキガミだろうが関係ない。威厳のある振る舞いというのは、才能もあるけれど、なあに、ほとんどはテクニックなのですよ。【威圧×5】   (1/8 14:57:32)

木靴下@カフカ > (艶んだ黒髪に初雪のような白い肌、それに映える深紅の唇。しかし、その実は童話に出てくる冷酷無惨な女王様。そんなんじゃ、その童話に出てくる毒林檎にぴったりな毒婦。なぁんて、悪く言われているんじゃあないかい。)「────いや、何。単なる〝世間話〟だよ。そう〝怯えなくとも〟、とって食おうなんざ、考えちゃいない。」(世間話なんて、そんなことを口にするような化け物ではないと、貴方が耳にした噂が事実として突き付けてくるだろう。)(カフカは貴方の【威圧】に──────────ほんの僅かに、石膏の肌でできた顔を歪めた。)(細めた瞳に真意は映らなかったが、唸るような声からしてそれはあまり、触りのいいものではないようだ。)   (1/8 16:05:06)
木靴下@カフカ > (しかし、その後はふーーーーーーーっ……と、深い息を吐いた。やれやれと言った感じか、カフカは左右に首を揺らす。敵意はないよと、その両の手を上にあげた。「女って怖いねぇ」なんて小さくぼやきながら。)「言われずとも、本題は既に話したけれど─────あぁ、君。〝これ〟、隠してるんだっけ。」(仕返しだ、と、言わんばかりに、カフカはちょんちょんと耳元を突く。……分かってやっているのか、それとも知らずに口にしているのか。どちらにせよ、貴方のその耳にとっちゃ、それこそ〝耳障り〟だろう。)(そんなことは我関せず。カフカは青々と光る水槽の灯りを背景にして続ける。)「スイミーは一際泳ぎがうまかった。けれど、群れた。……〝優れている〟のに、君は人混みの中に混じる。…何故だろうね?」(それは貶し?それとも賞賛?……その真意は言葉の温度からも理解はできない。)   (1/8 16:05:10)

白雪 > 断りもなく耳元に触れられるも、雪はすっと一歩下がって距離を置き、柔和そうな笑みを崩さず無視した。続く言葉には困ったように眉尻を下げて、くすりと笑いを零しながら答える。口元に当てた手指に施された黒いマニキュアは、青い光を受けて鈍く光った。「えぇ?」(スイミーが、なんですって?)……あなたはどうやら随分とロマンチストのようだ。禅問答のつもりか、それとも嫌味のひとつでも言いたくなったのか。ええ、真意はわかりませんとも。けれどなんにせよ答えは変わらない。   (1/8 16:18:15)
白雪 > 「まあ、そう見えまして?上手く溶け込めているように見えるなら何よりです。」その態度には暖簾に腕押しの肩透かしを食らうだろうか。だって、いちいち間に受けているんじゃ【面倒】だもの。あなたも興味がないのなら、それでこの話は終わりなのだろう。   (1/8 16:18:19)

木靴下@カフカ > 「────────ふぅん、そう。」(貴方の味気ない回答に帰ってきた言葉もまた、質素なものだった。表情は一切として真顔から変わらないが、どことなく淡白に…つまらなさそうにも見える。)(そしてカフカは、一歩。歩みを進める。)(表面を覆う粘膜によって音は殺される、暗殺に適しているといっても頷ける、その特性。)(その特性を生かして、カフカは貴方の─────────すぐ横を、通り抜けて進んでいく。どうやらお話はこれでおしまいみたい。)(結局のところ何がしたかったのか、貴方には分からずじまいだろう。)   (1/8 17:04:04)
木靴下@カフカ > 「────Ah, ja.」(貴方の後ろを数歩歩いた先で、カフカは少し立ちどまり、首もこちらに向けず後ろ姿のまま声を発する。)「嫌なら嫌ときちんと言った方がいいと思うよ。少なくともぼくは、そんな薄っぺらい笑み浮かべてない方の君の方が好み。」(どうやら貴方がこの会話をよく思ってはいないことを、彼はきちんと感じとったようで。それ故に引き下がったのか、それとも単純に貴方に興味をなくしたのか。)(「じゃあお互いに、頑張ろうね。」なんて、きっと心にも無い言葉を吐いて、カフカはその場を後にするのでしょう。)(───────静か過ぎるのも、ちょっと考えものかも。)(と、その場を後にして少しだけ考えるのでした。)   (1/8 17:04:08)