カフカ&ジェンヌ

木靴下@カフカ > (────────「 恥の多い生涯を送ってきました。 」)(太宰治作。)(《人間失格》)(他人の前でおどけてみせるばかりで、本当の自分を誰にもさらけ出すことのできない、ひとりの男の人生を描いた中編小説である。)(────────────────────────。)(とっぷりと日の沈んだ夜の紺色に染め上げられた空に、遠くから輝く星々をちりばめ、恒星の光を纏って輝く大きな月を背景に。その男は転落防止のために取り付けられた屋上の柵の上に腰かけていた。)(──────04番小隊、カフカ小隊長。)(カフカは人外の特徴たる黒く艶んだその尻尾をくねくねとうねらせ、相も変わらずごうごうと尾先の蒼い炎をきらめかせている。)(その倦怠感を象徴するような細められた瞳はしばらく手元に持った小説に向けられていたが、屋上に貴方が現れれば、彼は丁寧に栞を挟んで、貴方の方へと向き直った。)   (1/9 15:54:53)
木靴下@カフカ > 「────────〝夜遊び〟は、美容によくないんじゃあないかね。13番小隊長?」   (1/9 15:55:04)
木靴下@カフカ > (貴方が何のためにここにきたのかは理解できないが、少なくともカフカにとっちゃあいい気分なんてものじゃあない。特に、貴方の噂は耳殻のない耳でも時たま拾うのさ。)(何が楽しいのか、他人をほだして〝遊ぶ〟貴方に対するカフカの印象は言うまでもない。)(────────【面倒】だ。)(カフカは適当な言葉を述べて、来た理由もわからない貴方に向けて遠回しに〝帰れ〟と伝えてくるだろう。)(彼は貴方と、関わり合いになりたくないようだ。)   (1/9 15:55:07)

Pinky@ジェンヌ > (──────────カツン。カツン。)(ふわり、風が彼女の髪を揺らす。今日はどうやら、ムスクジャスミンの香水らしい。爽やかでほんのちょっぴり華やかさを添えた、春の野を彷彿とさせる香り。)「人間失格か。」(カツン。)「随分と、重苦しい本を読むんだねぇ。」「................太宰の文学はエゴイズムにまみれている部分があるから、君にはあまり向いていないと思うのだけれど。」「それこそ、私のエゴイズムに過ぎないかい。」(はァァ、深くこぼす溜息はどこか熱っぽくて、白みを帯びて夜の街へと消えてゆく。退廃した世界、その街灯の光に心を寄せる部分が、貴方にはあるのだろうか。)   (1/9 16:22:53)
Pinky@ジェンヌ > 「"カフカくん"だったか。君とは一度話してみたかったんだよ。なに、そんな面倒くさそうな顔するなよォォォ...................」「─────────.........................余計にちょっかいかけたくなっちゃうじゃあないかァ。」(彼女は君に背を向けて椅子にトン、と座れば、ドレスの内側から取り出したナイフを、ジャグリングの要領で投げては指先で刃を掠め盗り、なんて暇つぶしをやりはじめる。)「冗談だよ。」(ふふ、と背を向けて笑う彼女の顔は、貴方の隻眼には映らない。)「夜遊びは確かに美容に良くないかもしれないがねぇ、火遊びってのはどうにもォォォ...................私の心の健康に、"効く"らしいんだよ。」「試してみるかい?」「君となら熱い夜を過ごせそうだと思うがね。」(冗談なのかは、敢えて言わずにスルリスルリと言葉を並べ立てる。)   (1/9 16:23:05)

木靴下@カフカ > 「────────ぼくは、君が2度とその〝ヒアソビ〟とやらができないよう、ぐちゃぐちゃにしてやってもいいんだ。」(ひらり、ひらり。)(カフカはその手を空中で泳がせ、ワザとらしく目につくように主張する。)(接触した物体に極度の『過負荷』を与えることが、彼の能力。能力とは自身の罪に伴ったもの。──────果たして、〝産まれるべからず〟であった彼が何故にそのような能力を得たのか。)(その実はいまだに明かされてはいない。)「全く〝阿呆らしい〟…。恋に焦がれる連中も、愛を歌う連中も、そうやって、それで遊ぶお前も…、面倒でありゃしないよ。何が楽しいんだか。」(カフカは不機嫌そうに、人らしからぬ容姿を強調する尻尾を少し強く揺らした。)(カフカは産まれて数年しばらくして、初めて本というものを手に取り、読むことを知った。今やそれは趣味として、彼の退屈で面倒な〝居き方〟を彩る一環になったが、その中でどうしても〝恋愛〟というジャンルだけは受け入れがたかった。)   (1/9 17:01:07)
木靴下@カフカ > (心の悩みなんてものはカフカから見て〝面倒極まりない〟ものでしかない。)(手に入れたいものなんて無い。振り向いてほしい奴なんていない。成りたい未来なんてない。……それはカフカが酷く無欲であったから、どうしても理解しえないものだったのだろう。)「─────そもそも。」(カフカは、先ほどまでゆらゆらと金魚のひれのように揺らしていたその手を、空に浮かぶ月に向けて伸ばすように引き上げて見上げた。)「こんなものは単なる免罪符でしかないんだ。自分は失格です。自分は〝未熟者〟です。だから期待しないでください。……結局こんなものを書くのは自分が可愛いからさ。」(そして、伸ばしたその手に指が一本足りないことを確かめるように指先を動かして、腕を下した。)「───────〝お涙頂戴〟、ってな。……結局誰も彼も、他人からの同情が欲しいから悲観ぶるのさ。」「────────実に無意味だと思わないかい?」(青白い月明かりに照らされて、更に人らしさの消えた石膏の肌で、極力人に似せた、ビー玉のような作り物の瞳で、カフカはピクリとも表情を変えず、視線だけを貴方に向けて告げるのだ。)   (1/9 17:01:11)

Pinky@ジェンヌ > 「過負荷、ねぇ。」『────────ぼくは、君が2度とその〝ヒアソビ〟とやらができないよう、ぐちゃぐちゃにしてやってもいいんだ。』「怖いねぇ、そんなことを言われると。」「ドキドキ、してきちゃうよ。」(────────ヒュンッ。)(彼女はナイフを投げ終わって、一通り片付け終えれば。彼女はベンチから立ち上がって、君の方へと振り向くの。)「そうだね。確かに欲に乏しい君から見れば、私達の生業は少々面倒くさそうに見えるのかもしれない。」(彼女は、微笑む。)「仕方ないさ。そういう生き物だ君は。だが、ねぇ。」「私は気になって気になって仕方ないさ。"なぜ死んでしまわないのか。そんなに生きるのが退屈なのなら、とっくの昔に私なら自殺しているがねぇ。」   (1/9 17:34:16)
Pinky@ジェンヌ > 「自分の能力を、自分に発動すればいいのさ。過負荷を与えれば、君だって楽に逝けるだろうに。」「それをしないのは、それが物理的に不可能だからかい?それとも、精神的にかい。」「自分が死ぬのは嫌なのかい。もしそうなら、君は自分が可愛くて仕方ない太宰を笑う権利などないが。まさか君に限ってそんなことはないだろうねぇ、とするならばやはり前者か。」「どちらにせよ。自分で死ぬこともできないなんてそりゃァ............................哀れな生き物だねぇ、君も。」(彼女はしゃべる、喋る、語る。騙る。)「なんていうか、君。なんていうか..............................『俺はお前らとは違う』っていう前に傾きすぎた姿勢が、その態度が。」「────────────────────"実に、無意味だねぇ"。」   (1/9 17:34:29)

木靴下@カフカ > 「…………………あのさぁ。」   (1/9 18:12:38)
木靴下@カフカ > 「────────〝それってぼくと何の関係があるわけ〟??」   (1/9 18:12:45)
木靴下@カフカ > (カフカはのそのそと、重く大きい体をようやく、といった形で、非常にだるそうに貴方の方へと向けた。)「〝私なら自殺した〟?…へぇそう、で、【だから】?」(貴方の考えとカフカは違うでしょう。)(カフカは自他境界を強く引く。他人と自分を決して同一化はしない。だから同情もしない。─────だから、貴方とも違う。性格としても種族としても、考え方にしても、ね。)「───────わからないかしら。」(深く、深く、カフカは息を吐いた。)(能力の提示を急かす様に〝自らに使ってみては如何か〟。なんて口にする貴方の回答に答える気はさらさらないようで。)(その一言に続けるように、薄い唇がそうっと息を吸った。)   (1/9 18:12:51)
木靴下@カフカ > 「──────────────〝私は貴方とは違うの〟。」   (1/9 18:12:57)
木靴下@カフカ > (間違っちゃいないだろう。)(何も、彼がカミサマだから、貴方が人間だから違うんじゃない。「お前ら」ではなく、お前と違う。それは如何なる状況下においても、だ。)「ぼくは、〝生きたいから居きている〟だけで、そこに意味なんか持ち合わせちゃいないんだよ。生き様を考えるのは人間のやることだ。」(産まれるべからず。)(産まれたその日から死ねと願われたから。そもそも息(生き)を芽吹くことすら叶わなかったから。)(実に単純だろう。彼はただ、『生きていたかった』。……ただそれだけだ。それ以上でも以下でもない。)   (1/9 18:13:03)
木靴下@カフカ > 「そもそも、論点がずれているのだけれど。………ぼくは人間の感情が理解不能だって話をしただけで君らの生き方どうこうとは一言も言ってないわけだよ。」   (1/9 18:13:06)

Pinky@ジェンヌ > (彼女は貴方のビー玉のような瞳をじっと見つめながら、耳をすませては貴方の話に聞き入るでしょうね。時折、うんうん、だとか、そうだね、とか、確かに!とかわざとらしいくらいに、相槌を打ってみたりして。ようやく貴方が話し終えた頃に、彼女はポケットからとある箱を取り出した。)「これ、何かわかるかい。」(彼女は、君に箱を見せつける。箱には、『18歳未満の方の喫煙は法律で禁止されています』とあるね。)「本に次ぐ、君の新しい"居き方"になるかもしれない、或いは君の身を滅ぼすことになるかもしれない、若しくはァ.....................君の、生業の一部と化すかもしれないモノ。」   (1/9 19:09:57)
Pinky@ジェンヌ > 「確かにカフカくん、君と私の考え方は違うかもしれないね。ああそうだ確かに君と私は違う。だが、"そんなことはどうでもいい"。私は小隊長としてでも、アルマデル第8支部に属するカミサマとしてでも、たった一人の人間としてでもなく。『ジェンヌ』として、君に言わせてもらうのだけれど。」「私は、君に生きていてほしい。どうせ君が私にどう思われようとどうでもいいだとか鬱陶しいだとか思うのだろうがね。」「確かに、君は私無しでも生きていけるだろう。確かに、私も君なしでも生きていけるだろう。」   (1/9 19:10:18)
Pinky@ジェンヌ > 「だが、それは別として、だ。」   (1/9 19:10:34)
Pinky@ジェンヌ > 「私と君が関わることは、本当に"非合理的"だろうか。」「世界には関わり合わなくても生きていける人なんていくらでもいる。人間でも、それは全く同じだ。だけどね、同じ場所にいるのなら、関わり合い、助け合い、あるいは愛し合い、そうして生きていくのが、感情を持つ生き物のたどり着く結果だ。」「────────なぜだと思う。」(彼女は、静かに呟く。エキゾチックに輝く瞳を貴方に向けながら、キラキラと輝く光彩を貴方に向けるのさ。)   (1/9 19:10:48)
Pinky@ジェンヌ > 「"結果がすべて"、そのとおりだ。この結果は、単純明快なあることを表している。」(そうっと、貴方の鳥の様な手に触れてみてさ。ぎゅって、優しく握るんだよ。)「I cannot live without you.」「私達は、一人ではキャッチボールはできない。私達は、多くの人と関わり合うことで、その人一人ひとりの祝福を願い、そして願われる。そうして、生きとし生ける全ての感情を持つ生物は、誰かに"貴方に生きていて欲しい"と願われることで、生きているんだよ。」   (1/9 19:11:07)
Pinky@ジェンヌ > 「自立している人とは、一人で何でもこなすことができる人のことを指すわけではない。」「より多くの人に生きていてほしいと願い、そして願われる人のことを、自立している人、と呼ぶのさ。」「さて。生きることが。"居きる"ことが、より楽しくなるものを、君に差し上げよう。」「一人でも、二人でも。君はこれを吸っている間、誰かを想ったりしてみるのも、或いは一人の時間を嗜むのも。いいんじゃぁ、ないのかい。」(彼女は、"箱"をさしだした。)「一服、どうだい。」   (1/9 19:11:16)

木靴下@カフカ > (触れたその手は、生きているとは思えないほどひんやりとしているでしょう。)(その指先についたカエルのような吸盤と、人間と違う手骨の形状と、触れる感触は石膏のようでしょう。ただ重く、冷たく、…………そして、〝未熟〟だ。)「覚えている記憶の中で、一番最初に触れたのは〝水〟だった。」(細められた片方の瞳。揺れた睫毛がひらひらと、煌めく。貴方が握ったその手は、その感触を思い出すかのように指の一つ一つが別々に動き始める。それも、関節の形状を無視している。とても人の動きとは言えない。)「黒い、外壁に覆われた水の中に、ぼくはいた。それが殻の中だって知るのは、結構早かった。」(ビー玉のような瞳が向ける視線は、ここではないどこかだ。)   (1/10 17:55:08)
木靴下@カフカ > 「殻の外側で、何か聞こえた。」(遠くて、低くて、落ち着いていて、冷酷な声だった。…どことなく大切そうに、自分の殻を撫でるその手に、憐れみがこもっていたのを今だって覚えている。)「『あぁ───、失敗した。』…………てね。」(外では誰かが口論していた。…それでも、孵してみるだけの価値はあるだの、この子の為に、ここで今殺している方がきっといいだの。)(殻の内側にいた自分は鳴き声一つすら上げられなくて、殻を叩く手のひらすらできてなくて、ただ茫然と、外の会話を聞いていた。)(───────胎内記憶って知っているかい。)   (1/10 17:55:15)
木靴下@カフカ > 「─────────────ぼくは、死産だったんだ。」   (1/10 17:55:20)
木靴下@カフカ > (貴方がいないとダメ?)(そうか、では是非とも答えてみてくれ。)(それは、死人に縋って過去に捕らわれるの違うのかどうか。)(本当に貴方は、そこにいる死体が必要かどうか。)(少なくとも、彼は、貴方に自分が必要でないことくらい知っているよ。)「他人に願われてなきゃ自立じゃないなんてのは、それこそ、ぼくにとっちゃ〝そんなことどうでもいい〟んだよ。馬鹿が。」「自立は神様の崇拝みてぇに誰かに願いを込められることなんかじゃねぇ。〝自分だけで物事を行うこと〟が自立というんだ。お前のそれは自立でもなんでもねぇ。単なる、そうであってほしいってだけの、身勝手で押しつけがましい『理想』だろ。」(理想を、語ることは構わない。)(だが、その理想を他人に向けて押し付けるべきではないはずだ。)   (1/10 17:55:27)
木靴下@カフカ > 「棺桶に花を贈ることに意味を見出すのは生者だけだ。」(特徴的な片方だけの瞳は、意味もなく漠然と開かれるままだ。夜風に遊ばれたメッシュの入った髪がゆらゆらと揺れて、その下には何もない黒い皮膚だけが映される。)(何もない。)(片目を失ったとか、そういうものではなく、本来眼球のある空間もなければ、そういった骨の形状さえしていない。)(────────カフカは、片目がないんじゃない。)(そもそも、〝単眼〟で産まれたものだった。)(単眼のその多くは早期に自然流産するもので、例え運よく産まれることができたとしても一年以内で死亡する。鼻がうまく形成されなかったり、瞳が機能しなかったり、…………そういった多くの障害と未熟な点があるもので。)   (1/10 17:55:32)
木靴下@カフカ > 「─────〝結果がすべて〟。あぁ、そうだとも。」(彼は死産だ。そういう……〝結果〟で終わった存在なんだ。)(カフカの能力がどうして完全にoffにできないか知っているか。それは彼は、〝未熟児だから〟なんだよ。)(どうして彼の体が能力を使うと溶けていくか知っているか。それは死体が腐ってドロドロになる原理と一緒さ。)(どうして彼が姿が変わらないか知っているか。)(────────彼は、とうの昔に〝死産〟として、死んでいるからなのさ。)(成長をしない。…なぜなら。)(──────────────産まれるべからず。)(それでも、再びこうして疑似的な生命を受けたのは、君たちが卵の殻を割ったからだ。)   (1/10 17:55:41)
木靴下@カフカ > 「放っておけば死んだものを、勝手に引っ掻き回して引き摺り出して、……それで危なかったから死んでくださいって言われて、おとなしく死んでりゃよかったのか。」「図に乗ってんじゃねぇよ。聞いてりゃそっちに都合のいい綺麗ごとばっかり言いやがる。」「そうやって、危なくなったら思想を変えて、良いことばっかに尻尾を振る。」   (1/10 17:55:46)
木靴下@カフカ > 「だから、ぼくはお前が【面倒】なんだよ。」   (1/10 17:55:52)
木靴下@カフカ > (『生きていたかったんだ』。)(産まれたからには死にたくなかったんだ。)(そんなのあたりまえのことだろ。)「………だからぼくは、〝居きる〟。」(〝生きる〟では、決してないが。)「その為に必要なものは〝自分だけ〟でいい。」「誰も隣になんて、いらない。………………わかったかよ。」   (1/10 17:55:58)
木靴下@カフカ > (─────────────《人間失格》。)   (1/10 17:56:00)

Pinky@ジェンヌ > (彼女は、始まった貴方の"物語"に耳を傾けていた。貴方の手先に意識を集中して、時折貴方のゴツゴツとした肌を撫でてみたり、貴方の指と指の間の水掻きのような部分に触れてみたり。彼女の指先はライトグリーンのネイルに彩られていたりして。彼女は、貴方の話を最後まで相槌を打ちながら、ゆっくりと聞き届けるの。そして、一言。)「─────────........................."可哀想に。"」(彼女は続ける。)「............................それは、"災難"だったね。」「.........................."で"。」「"それが、私が今語った、君の言う【理想】と、どう関係があると言うんだい?"」「そうだね、確かに君の人生は悲惨極まりないものかもしれない。」「君は悲劇のヒロインかもしれない。」「憐れみに値するよ。」「多くの人に願われること、それは何を意味するかはわかるかい?」   (1/10 18:43:20)
Pinky@ジェンヌ > 「─────────────..................多くの人に求められる程、人と関わりあい、人との絆を深めることができる、という意味だ。」「君の言う自立は、自立などではない。誰にも求められることなく、誰も求めることなく、衰えていくこと。─────────人はそれを、孤独と呼ぶ。」「哀れなヒロインだ、未熟なまま生まれてきて成長することもできないおかげで、他人を憎み、誰とも絆を深めることはできない。」「差し出された手を、掴むこともできない。」(彼女は、貴方の4本の指に絡めてさ。一つ余るのは、彼女の小指。彼女は、まさにその小指のような存在だったのかもしれない。)   (1/10 18:43:41)
Pinky@ジェンヌ > (彼女は、そうっと、貴方に語りかけるのさ。理想と現実の間に、ティースプーン一匙の"絶望"を注ぎ込んだ、"希望的観測"を。)「一人で生きていたいのかい。」「誰にも頼りたくないのかい。」「ならば私は、二度と君と関わらないと誓おう。約束するよ。」「私は二度と"任務等の緊急事態"を除き、君と関わらない。」「───────────ただし。」「その代わり、これだけは君に、遺させてはくれないか。」「本を読むときに、或いは酒を飲むときに、或いは孤独な時間を有意義なものにしたいときに。」「先端に火をつけて、吸ってみるといい。」「きっと、"幸せ"になれる。」(彼女は、箱を貴方の手に握らせた。)   (1/10 18:44:03)

木靴下@カフカ > 「そもそもぼくとお前の価値観は違うし、幸福を感じる度合いも違うんだよ。」「わかるか?僕は悲観ぶったんじゃない、お前に、お前が、理解しやすいように、〝わざわざ〟、教えてやったのさ。」(理解しえない。そもそも貴方は人間で、生きていて。彼は化け物で、死んでいる。存在してきた環境も、向けられてきた感情も、歩いてきた道も、違う。)(────────孤独は寂しい。)(だが、果たして彼に、〝寂しい〟なんて感じる心があるか否か。)(人間だって煩わしいことを好まない存在はいるだろう。独りは気楽だろう。誰に気を使わなくてもいい。態々無理をして話題を口にしなくていい。)「本当に話を聞いていたのか?何度も言わせるようなことじゃあないよな。」(必要なものは自分だけでいい。隣に誰もいらないと、彼はさっき言ったばかりだろうに。)(カフカの背景に浮かび上がる月明かりが、夜風が、肌を刺すように冷たく、まるでそれがカフカ自身の回答であると言わんばかりだった。)(彼が求めているのは、刺激でも、変化でもない。)(─────静寂と、安らぎだ。)   (1/10 19:40:48)
木靴下@カフカ > 「自論の吐き捨て場にするために人が必要ならその相手はぼくじゃない。どっかに行けよクソ野郎。」(貴方からもらった箱でさえ、触れたその瞬間からずたずたに劣化させて握りつぶした。ズレ落ちる皮膚をそのままに、彼は不機嫌そうにしてその尻尾を揺らすんだ。)   (1/10 19:40:50)

Pinky@ジェンヌ > 「そうだね。君と私は、このままではわかり会えないらしい。」「だから、私は分かり合おうと思ってそれをあげたのだけれど..............」「ごめんね、尺に触ったようだ。」(彼女の渡したソレ──────────【対シキガミ専用誘導紙式喫煙物質】【ANARCHY】は、塵と化した。)(「せぇっっかく。」───────.....................一つ。その薬物、劇薬につき取り扱い注意。─────────二つ。その薬物は、シキガミに対しての高い依存性質を示す。──────────三つ。その薬物は、シキガミが口にした場合。5回目の服用で、死に至る。)   (1/10 20:38:49)
Pinky@ジェンヌ > 「ナカヨク、なれると思ったのになぁ........................」(彼女は塵と化したクスリを物悲しそうに見つめながら、貴方からスルリと手を離した。そして、彼女は語る。)「それを受け取ってくれないのなら、契約不履行につき、約束は破棄だ。また、アソぼうね。」(彼女は微笑する。そして、彼女は屋上から歩き去った。)(────────────【最終通告。】)(【Ark】内部でのみ製造されているこの劇薬は、その非人道的な性質を考慮し。【指定取締薬物】と、する。)【〆】   (1/10 20:39:01)