レイ・ラベット > 「.....ぅ、.....ぁ、ぐ........ッひ....!」「ずる、ずると。床をみじめに這いずりながら、レイはその部屋から逃れようとしました。動くたびに左肩がいたくって、こんな時に出る声って、出したくもないのに出ちゃうものなんだとおもっていたけど……ほんとうは、声でも出さなきゃ、耐えられないから出すんだな、なんて。どこか冷静に、考えていたのです。]「こ、る...さ...」[あの人の、いまわしい足音が遠のいていきます。ここまで離れたら、もうきっとだいじょうぶだろうって、レイはこころの中で強く呼びました。_______コールさん、コールさん。____めーじさん。どうか、おへんじをしてください。] (1/12 16:46:22)
レイ・ラベット > 【華麗なる大円舞曲Version.1】 (1/12 16:46:27)
レイ・ラベット > [ふっ、とめのまえがまっくらになりました。意識の片隅で、レイはピアノのおとを耳にします。軽快なスタッカート、三拍子のワルツ。うきうきするようなクラシックチューン。聞き覚えのある、曲でした。https://www.youtube.com/watch?v=LG-E4PVGQSI ]「ん.......」[その曲は、レイの気分を軽くしてはくれません。天国に行くのかもしれないだなんて、ふわふわした気持ちにさせてはくれません。レイのなくなった左腕を、くっつけてはくれません。どこまでも軽薄で、華やかで、麗しいその音は、絶望をからかうように踊り狂うのでした。_____これが映画なら、こんな残酷なシーンに、あえてこんなクラシックを流すなんて、ほんとうに趣味の悪いことです。] (1/12 16:46:35)
レイ・ラベット > [コールさんがその部屋にたどりつけば、扉をまたいで倒れるレイと、中にはレイの吹き飛んだ左腕、床に刺さった刀、血に濡れた大きなフォーク...そして、ひとつのオルゴールを目にすることでしょう。] (1/12 16:46:44)
しぃずま@CFTM > 「レイ。」 (1/12 18:00:02)
しぃずま@CFTM > 「(シルクハットで、顔を隠した。)…できれば名字で、と言ったはずなのですがね…ッ(バイクのエンジンは全開だ。笑顔のステッカー付きで、彼は悲劇の惨劇の元へ向かう。誰が笑おうか、笑うとするならそう、誰かが悲しみ、そして苦しむ姿を思い描く脚本家くらいだろう。それとも、鉄仮面か。糸を辿って、砂の混じった灰色の煙が、白燕尾の尾に触れる。)レイッ…(全速力の自動二輪のスピードでは到着までにそう時間は掛からなかった。名前を呼びながら、糸を。)レイ!(糸の先にあったのは、絶望とオルゴールだ。…ネジが回っているのに、『音が聞こえない』。)…生きてる…(根性だ。ここで気絶するようではやっていけないし、吐くような胃酸もない。ならばここですることは希望を探すことで、彼には音が聞こえなかった。しかしその正体が、ワルツであることを知らない。彼は、踊らない。)止血を、しなければ。(長い袖を引きちぎり、長い布へとその姿を変える。知識はないが、応急処置を施すくらいは職員として人として、できる範囲だ。ぜんまいが十数秒回った後。華麗なる大円舞曲は大体5分程で引き終わる曲だ。)」 (1/12 18:00:13)
しぃずま@CFTM > 「(吹き飛んだ細腕の処置方法についての知識はない。…が、それがもうすでに接合が可能な状態ではないことはわかる。切り傷ではあるが、刀で切るとなると綺麗な、とまではいかないだろう。)…車の方がよかったかもしれませんね…と言っていても仕方ありませんが…(今は君の意識を取り戻すことが大切だ。包帯のように強く切断面に巻き付けて、止血を終える。)もしもし。レイ、起きていますか、レイ。コールです、命路ですよ。…無理に動かないでくださいね、少し声を聞かせてくれるだけで大丈夫ですからね。(現在、『3分が経過している』。)」 (1/12 18:00:15)
レイ・ラベット > 「……め、じ……さん。」[こんな時だから、なのでしょうか。その名の選びとり方は、ひどくわがままでした。芸名でなく、名字ではなく、名前で呼びたかったのです。あの日、名前では呼ばないでほしいと言ったのは、大切にしたい人のためだってことくらい、ちゃんあんときいていたのですけれど....。けれど、本当のところ、レイにはさっぱりわかってはいなかったのです。その名前を箱にいれて、サテンのリボンをきれいにかけておいたところで、それがどうしてその人のためになるのかが、わからなかったのです。その名前はきっと、おとうさんとおかあさんがめいじさんにつけてくれた、めいじさんだけの名前であるはずじゃあ、ないんですか、って。] 「っん....ぅ....めいじ、さ....めいじ、さん.....」[コールです、命路ですよ、なんて。そんなふうに両手に差し出されたら、わがままな子供にとっては、きれいにラッピングがされた箱のほうが、すてきに見えてしまうのかもしれません。熱にうなされるみたいに、頭をふりふり。レイは、めいじさんの腕の中で悪夢をみていました。][*2分55秒* *56秒* *57秒*。][* たらっ、たらっ、たらっ、たらっ。*][かろやなトリルといっしょに、ピアノの音は下がってゆきます。けほ、とひとつ咳をして、レイははっと飛び起きるなり、突然暴れだしました。]「......っう、やだぁっ!!...カミサマなんかに、なりたく、ないよぉっ....でも、こわいよ。しんじゃうのが、こわいんだよ。....ぱぱっ。ぱぱぁっ、なんで、ぼくばっかり、こんなめにあうの_____」 「とうめいな涙が、レイの顔からぱっと弾けて。床におちると、粉々にくだけちりました。意識はとりもどしたようなのですが、自我のほうは、どうでしょう....、_____カミサマになることがいちばんこわいのは、彼がピーターパンのままでいようと思ったのは、ほんとうはすぐにでも、パパのもとにいきたいから__カミサマになってしまったほうが、楽だとしっていたからかもしれません。」「ねぇっ!めいじさんっ、なんでよおっ!なんでっ、なんでっ!」[のらねこみたいにつめを立てて、めいじさんのはだけたところから見える縫い目をかりかりと引っ掻こうとしてあばれます。そこが、なんとなく人間らしくなく、カミサマめいて見えたからでしょう。レイのその行動は、親がいないこどもが保護者の愛情を確認したくてとる、試し行動みたいでした。こんなことをするじぶんを、それでも受け入れてくれるのかって。....だから、きっと、避けるのはかんたんでした。] (1/15 21:23:30)
ず@コールフロムザメトロデッド > 「(彼は愚者だ。)…説明が必要でしたね。あれは、君に『大人に成れ』と言っているようなものだった。ごめんなさい、レイ。(他の誰もわざわざやらないことをして、他の誰も傷つかないことに傷つく。そういう不器用な性格で、『見捨てられない』。)…その、大切な人だけのものにしてあげたい。できるだけですけどね。(そして、そんな彼の目は、たった1つの電話すら交わすこともなく、繋がりやしない壊れた連絡先を電話帳に未だ載せている。そんな彼女が『哀れに見えた』。だから、たった1つの思い出をも、愛の証にしなければならない。)それが僕の罪だ。(それが彼の罪悪感だ。)これは贖罪です。…能力の昇華が起きないので、まだ足りないようですけれど…だから、僕は彼女を…『あいしてる』。(恋心などではない。ただ、いつかは尽きるやも、冷めるやも、はたまた燃ゆるやもしれなかった愛は、その1日の内に全て無くなって、今や鎖になって彼を繋ぎ止めているのだ。…それは、『哀』以外の何物でもなかった。…君の愛欲を、引っ掻き傷を受け入れるのも、それに似ているのだろうか。)」 「(だが彼に、それを知る由はない。たとえ自らの心であっても、知る由は、ないのだ。)…でも、もし僕の本当の名前を呼ぶことが君の救いになるなら、呼んで欲しい。(彼は愚者だ。)きっと、そのくらいは許してくれる、そのはずでしょう。(オルゴールは回っている。…尽くせる手は尽くさねばならない、手がなくなるまでも。そういう不器用な、男だ。)だから落ち着いて。あんなものに、逃げてはならない。(空回りのはずの小さなミュージック・ボックスは裸の王様ではなく、耽美な音楽をその残酷さを知るものだけに教える、侵蝕の塊。『カミサマを生む機械』といっても過言ではないほどに。…自我のない理由は未だわかってはおらず、その聞こえない円舞曲が理由だ、とは想像するが。それでも語り掛けるのは、彼の饒舌が、成すところだ。)」 「…僕はまだ君と話がしたい。君に、君のままでいてほしい。(引っ掻くのを続けても、彼は離しはしないだろう。離せば、触れてしまうから。君は踊りつづけてしまうから。舞踏会にその舞台の上に囚われた、踊り子の装置に様変わりしてしまう前に。残り1分30秒。)だから、逃げないでここにいて。忘れたくないことを、守るためにここにいて。君は、何も悪くないんだ。(愚者は、他の誰もやらないことをわざわざやる。恐れることを、誰かのために。)だから僕が、君を守るよ。(自らに与えられた『役割』のために。)」 (1/15 22:15:02)
レイ・ラベット > [抵抗をしないだけではなく優しく受け止められたものだから、レイはおどろいたみたいに暴れるのをやめて、めいじさんの腕の中で静かになってゆきました。小さな猛獣を手懐ける、それはまるで奇術師、みたいで。]「………う、」「……っう、ごめ、なさ……めいじさ、ん。ごめんなさい.....」[それでも、その名前を手放そうとはしませんでした。だいじなものをとられそうになった子供みたいに、小さく縮こまって、ぎゅうっと、片方しかない手を胸の中でにぎりしめて、いたのです。めいじさんの罪が、なんなのか....レイにはまだすこしだけ、難しかったのですけれど。ただ、それくらい大切で、大切で、大切でたまらないものだということくらいは、わかっていました。....名前だけ、名前だけです。あなたから、だいじを奪うつもりなんて。......そう思いながらも、腕の中は暖かくって、水滴をたくさんくっつけた桃色のまつげをゆっくり閉じて、ぎゅう、としがみついてしまうのでした。]「……っ、ん、ん....」[君に君のままでいてほしい。そう言われ、こく、こくとうなずいて。]「....めーじさん...カミサマじゃない、です。ぼくを、ころそうとしたの。......アークのひとかもしれない、です。...ぼく、ぼく...これから、そのひとの奴隷に、なるんだって、いっ...いわれて、...こ、こわくて、こわくてっ.......次は、ころされちゃう、かも。しれないって。」「その人はっ......」 [___その名前を、あなたに告げました。恐怖がからだを侵蝕すると、生きようとする意思がひとをカミサマにするらしい___それが、いつだか誰かにきいたおはなしでした。その恐怖を、大円舞曲とメランコリックがふやしてしまったのかもしれません。じぶんひとりで抱えるのじゃなく、めいじさんにはんぶんこすることで、どうにかレイは、自我を取り戻したのでした。クライマックスに向けて、曲が激しくなってゆきます。星のきらめきみたいにたかくて細かい音が、つぶてになって降り注ぎます。レイの手足はもう踊っては、いませんでした。演奏が聞こえなくなりました。]「....めいじさん。」「.......まもってくれて、ありがとう。」[オルゴールは、まだそこに。...壊すなら、今のようです。] (1/15 22:45:49)
ず@コールフロムザメトロデッド > 「強いこだ。落ち着いてくれてありがとう。(謝るなんてしないで。…なんて言葉の代わりに、彼は抱き締めて君の頭を撫でながら、変わらない笑顔を、偽りなく君の顔の横で並べていた。)まあ…そうですね、仕方ないですね。…名前だけですよ、本当に。君もまあ、言ってしまえば特別で大切なコ、ですし。(まるで映画のワンシーンを切り取るように。演奏は人の心の形を変えて行く。時に歪み、それにとってはきっと不本意だが、時に正しい道へと導く誰かを呼ぶ、あるいは作る。)…本当なら、腕を捥がれる前に、君を守れればよかったんですが…(しかし人は、1つの理念を抱く人間は、いかに不本意となる要素を消すかと思念を膨らませる知恵高い生き物だ。それはつまり、理不尽を極めたものだと言えるだろう。)いえ。たられば言っていても仕方ありませんか。(だが、その理不尽に耐え抜き、そして抗うのも、人であるからこそできることなのだ。)…武器を。この思い出を、武器に。僕の固く秘めた意思を、『トランプの盾』にしてほしい。(この願いは。君にだからこそ、できることなのだ。)」 「…あのオルゴールは、いわゆる精神障害です。絶望に『根付く』…つまり、壊しても壊しきれない。(そしてその秘めたる意思は、今、彼にしか持てないものなのだ。今すべきは、あれを壊すことばかりではない。)とにかく、医療班の方に救急の要請をします。…何があっても守れるように、僕も、着いていきますから。(命を繋ぎ、そして君の恐怖を拭うために。『根性』は、そのためにある。)」 (1/15 23:24:13)
レイ・ラベット > [めいじさんのまえで、レイはないてばっかりです。いつも頭をなでてくれて、パパのかわりをしてくれるやさしいひと。どうしようもなく、めいじさんはヒトでした。]「……ぼくも、ぼくも、めいじさんをまもりたい。...やくそく、まもりたい。」[きゅうっと抱きついたまま、そう口にすると。めいじさんはそんなレイの気持ちをしっていたのか、武器を作ってくれと、いってくれました。]「....トランプの、たて。」[右手のそでぐちで涙をぬぐい、めいじさんから離れるとレイはこくんとうなずきました。いつのまにか、夜は明けていたみたいです。]「……オート・カノン。」 [容量-1][肩越しに振り返り、惨劇の部屋をみつめながら右手を部屋へと突き出します。緑色の光が蛍のように飛び交って。光はよりあつまり、その場には、アリスのトランプ兵のような大きな盾が生まれました。窓からさしこむ朝日を反射して、金属的なきらめきを放ちながらくるりとひっくり返ります。それは___ハートのエース。]「.......ぼくのちからでつくったぶきは、おもいでを重ねれば重ねるほどつよくなります。...いまはまだ、エースかもしれない。でも、このトランプがキングになるとき。きっと....」[.....赤の女王をも仕留める、ほんとうの*武器*になるのかもしれない。] [レイが手を下に下ろすと、トランプの盾が床にごとりとおちました。]「この子のなまえ、ぼくが決めても、いいですか。」[仮面舞踏会(マスカレイド)は、まだおわりません。アルマデルにひそむうらぎりものたちの、仮面(ペルソナ)を剥がしきるまでは。そして───────女王(マスカレイド・クイーン)の訪れもまた、拒むことはできない。______そうでしょう?]「....クイーン・キラー。」[そのためには、まもるだけじゃいけない。ぼくらは、じぶんを守る戦いにむけて、準備をはじめました。]「......どうか、うけとってください。」〆 (1/15 23:53:59)