小日向啓之&円澪

小日向 啓之 > ( 平和の証。世間一般的にはヒーローと呼ばれる存在。確かに人から見ればヒーローなのだろう。警察やスポーツ選手、父や母、近所のパン屋さんだって、自分に出来ないことが出来て、それでいて頼もしい存在となればそれは誰だってヒーローだ。だとするのなら、自分は誰のヒーローになれるのだろう。そう呼ばれて敬われたい訳ではない。名声が欲しくてこの職に就いたわけではないのだから。ただ、そう呼ばれるだけの力があるだろうか、と、剣から伝わった振動にビリリと腕を震わせながら、考えてしまう。訓練場は広く、それは何人もの組が戦闘訓練をしても申し分ない程だった。時折広がりすぎればぶつかりかねないときもあるが、市街地での戦闘を考えれば柔軟な対応力が求められるのだから、その為には都合が良いとも言えた。受けた剣の威力を流すため、後ろに低く跳ぶ。相手は確実に踏み込んでくるだろうから、剣を前に構え、幾らか威力の弱まった2撃目を受け止める。火花が散り、鍛治場のような音が響いた。相手は大剣のパワー型、力で押すのは敵わないが、スピードならば此方に分がある。ならば、どうする?)   (1/14 14:05:24)

円 澪 > 『____ミスター・小日向。』訓練とはいえ、剣を振り回し時には能力を使う者もいる。練習だとはいえ、鉄火場とはアドレナリンが最高潮の場でもある。そうした中で悠長に、冷静に。本当に危険な生物は地味な体色に猛毒を宿すのと同じように……手にしたタバコの煙をゆっくりと棚引くように吹きながら、独特の静けさを持って小日向、と彼を呼ぶ。彼には既に相手がいることも知っているし見て分かる。けれども呼びかけるのは興味からか、あるいは_____。白いワイシャツにジーンズの決まりきった格好に、ほんのスパイスのように緑色のフライトジャケットを着た女は。『お相手、交代願えますか。私休日中でしたが、生憎このくらいしか趣味もありませんので。』上着を適当に訓練所の端に放り投げると、切るや切られるやの攻防の中に____選手交代を名乗り出た。『来ちゃった♡ というやつでございますね。男性なら一回は言われたいシチュエーションのNo.8位だと朝のニュースで拝見致しました。』引きずるように、演習用の模擬刀を手にしながら歩み寄ると、来ちゃった♡と微笑するのだ。   (1/14 14:22:52)

小日向 啓之 > へぇ…………っ!? ( 思わず声が裏返った。それを好機と見て突っ込んでくる相手の剣を姿勢を低くしてギリギリで交わし、駆け寄りながら身を起き上がらせれば接近した頃には準備も整い、顔面に向けて蹴りを放つ。相手が回避行動のため後ろに下がれば、漸く一息吐くことが出来た。……いや、吐いたところで落ち着くかは別問題であり、一向に落ち着きそうにはないのだが。情報室長、円 澪さん。昨日の任務時、子供の救助に当たっている様を見たきりであり、こうして対面した経験はない。初対面と言っても間違いないだろう。 そんなお偉いさんに、相手をして欲しいと声をかけられた現状だ。周囲も意外そうに此方を見ては何かしら話しており、若干ばかり視線が痛い。けれど逆の立場であれば自分も見てしまっていたのだから、人のことは言えはしない。分かる、分かるよと内心同意。なんならそちら側の方が良かった。   (1/14 14:46:59)
小日向 啓之 > 『 …………そのアンケートはだいぶ状況に寄るんじゃあないっすかねぇ… 』例えば、家の場所を知ってる彼女が看病に来てくれた、とか。少なくとも(訓練のお相手をしに)来ちゃった♡でときめく男性は少ないだろう。困ったように笑いながら、背に汗が伝う。元よりパーカーなんて脱いでおり、汗をかいているのなんて今さらだけれどそうではなく、これは冷や汗の部類だろう。『 いーっすけど…なんで俺なんすか…? あと、俺も模擬刀取ってくるんで、一瞬待っててもらいてぇんすけど、 』   (1/14 14:47:10)
円 澪 > 『単一の統計を万事に適用するほど私も頭が固いわけではございませんが。こんなこともあっての人生でしょう?』こき、と首を鳴らす。それから肩を回して拳をほぐし。腰をぐい、と後ろにやってからまた戻して。ゆっくりと体を慣らしていく。多分こんなことがある人生はそうそうないものだろうけれど、このアルマデルにおいては、的外れかどうか____百歩譲り____判然とし難い部分があるのも事実だろう。『アラクネの件を見て思いましたが……。避難誘導を完全に終わらせ次第能力を使うことは私にも出来ますが。そうなる前に制圧できるのは貴方ともう御一方……。彼女の場合は他者を支援するものでしたしやむを得ない部分はありましたが?貴方はどうなのかなあ~……って思いましたので。』   (1/14 15:06:53)
円 澪 > 平和の証。彼ら一部の職員は、民衆の前で能力を使い、民衆を守ることが出来る。それはすなわち、避難誘導などが完遂していなかったとしても能力を使える=そんな事態が来るまでに標的を能力ありきで制圧出来る余地があることを意味する。アルマデルの化学兵器やそれ以外の通常兵器も決して無駄なものでも薄弱な効果しかないものでもないのは百も承知。しかしそれでも、決定打(フィニッシャー)となるのはやはり能力だろう。並べたカードを破り捨てるがごとき超常現象は、やはり一線を画す。それを使わない、または使えないならば。『武器をお持ちになり次第、いつでもどうぞ。』無い状態に慣れねばならないだろう?という意味だ。   (1/14 15:06:55)

小日向 啓之 > ( その件に関しては説教されたばかりであるので、勘弁してもらいたい。先日の敵では下手に避難誘導が済む前に手を出せば、一般人へ被害を及ぶ可能性があった、とはいってもそれは言い訳でしかなく、それならば向こうが動き出したとて抑え込むだけの力があれば良いだけのこと。事情や都合、前提条件は様々あるがそれら飲み込んで押し通さなきゃやってはいけないのだ。また次、似たような事があればなんであろうと叩ききらねばならない。防壁外の任務が少ない分、そのくらいは出来て当然ということだろう。色々と思うことは多いが、結局の所子供が拗ねたようなものでしかなく、市民の安全が第1だと喝を入れた。品定めされるかのような目線が痛い。『 お待たせしました、……………じゃあ、行くっすよ。 』   (1/14 15:45:22)
小日向 啓之 > 手にした模擬刀をくるりと回し、持ち方を馴染ませる。形状、重さはなるべく普段使っている武器であるミヅチに寄ってはいるが、それよりも軽く、柄の部分が気持ち太い。振りの感覚が違うところに、なるべく戸惑わないようにしたいところだ。相手について、事前に情報として知っていることと云えば、格闘技の心得があることくらい、だろうか。軽く息を吐き、手の甲を正面に模擬刀を構える。剣を持ってはいるが、剣士として捉えるばかりでなく、全身の動きに注意を向けながら、先ずは様子見に、ワンステップで踏み込み接近すれば抜刀の構えで模擬刀を振るった。)   (1/14 15:45:23)

円 澪 > 『……格闘技、何(な)〜〜にが一番強いのか問題。空手か、ボクシングか、プロレスか……。衰退したとはいえ、酒の肴くらいにはなる疑問。』振り抜かれた剣閃を_____バット、鉄パイプ、警棒、ゲバ棒、連想するものはなんでもいいが「棒」を単に振り回すだけのようにフルスイングして乱雑に受け止める。それが仮に本物の刃なら今頃お互いにボロボロだろうし、間違いなく折れるとしたらこちら側。剣技なんかでお付き合いをしていたらまず勝てないが、達人の剣も名人の剣も____突っ込んでそれに何かをぶつけるだけの行為なら、よーいドンの早撃ちでもあるまい、凡夫にも度胸さえあればある程度まで持ち込める、という算段を決め打っての防御。『""なんでもあり""の強さを標榜する割に、ただしなーぜか。なーぜか軍人(わたしら)は抜きで話す前提がある……。』それからは____機械で決められたプログラミングのような所作。""道具(ぶき)を抑えたら足元"" 拳銃にも刃物にも適用されるセオリーに基づき、すらりと水鳥のようにしなやかに伸びた脚を、彼の膝に目掛けて横から鞭のようにして振り抜く____   (1/14 16:01:26)

小日向 啓之 > ( 格闘技は拳だけでなく足技もあるというのは、かのジニー・ヘンドリックから学んだ事だ。だからこそ男は全身に注意を向けていた。何より、格闘技を得意とするものが剣を手にしたとき、即座に剣のみで打ち合おうとする事例の方が珍しいだろう。様子見の本気ではない剣撃。受け止められただけであるのなら此方にかかる圧力は弱く、故に刀身に滑らせながら男は抜いた模擬刀を上に振り抜き、貴方の身体を後ろに反らせようとするだろう。踏み込んだ足はバネのように力を溜め、模擬刀を上へ抜くと共に跳躍し、模擬刀への力の上乗せ、及び貴方の足技への回避を謀る。蹴りを放ったということは、現状貴方は片足で立っているような状態の筈だ。バランスを保つのは難しいのではないだろうか。跳んだ身体は腰を捻り、跳んだ軸足とは反対の足が貴方の顔面目掛けて蹴りを放った。   (1/14 16:23:43)
小日向 啓之 > 上へと向かった模擬刀は身体の捻りにより八の字を描き、蹴りを放ったことで貴方の選ぶ対処法、その後の攻撃をよく見ながら思考する。傍目に見れば息をするように、一つ一つの行動に躊躇いのない滑らかな剣技。けれど正直やりづらいことこの上ない。攻撃の範囲、隙の大きさ、元々の身のこなし。話しながら出来たらスマートだろうが、今は個人技であり、何より貴方を相手にそんな余裕があるだろうか。【ライセンス:反射神経、パルクール、剣技×3、危機回避×2、運動×2】   (1/14 16:23:45)

円 澪 > 刀の打ち合いには拘泥することなく、勝てないのならばと打たれたままに天高く放り捨てる。『攻撃の軸を逸らすやら何やら。私もよく教わりましたが……せっかくの休暇だ。』せっかくの休暇だから、せっかくなら殴られも殴りもしたい。回避も技術も捨て、顔面への蹴りを直撃で受けた。絹糸のような白髪を飛び散る鮮血が汚し、口と鼻から噴き出す痛みと出血、それを慈しむように舌を艶めかしく口腔からはみ出させる。対処法を推理するなら徒労である、対処しないのだし。『清々しいスポーツ……と少し違うのはこういう部分でしてね。反則(ラフプレー)は存在しない』頭部だけを庇うようにガードを固めながら、低重心に突進すると、ぶ、と含んだ血液を霧吹き状に目潰しに吹きかける。プロレスで言うところの毒霧。その他類似した興行スポーツにおいて様々な呼び方はあるが……大体は反則である。『痛いのは好きなので___まだまだ、是非。』そのまま身体をひねり、遠心力で太腿を振り上げながらの脇腹への回し蹴り。そして彼に言う____痛くして、と。飢えた獣が、餌を欲し媚態を人間に晒すように。   (1/14 16:46:47)

小日向 啓之 > ………変態っすか。( 少なくともお偉いさんに言うことではないだろう。だが眉を寄せ、目潰しにかけられた血液を腕で拭ってつい呟く。咄嗟に目を瞑り、風切り音を頼りに横に大きく跳んで衝撃の緩和を謀ったが、完全な回避には至らず重たく脇腹は痛む。ジニーのと比較すれば、緩和しただけあって耐えられないものではないのだが。   (1/14 17:24:42)
小日向 啓之 > まだまだ、と言われてもと少しばかり困惑する。カミサマであれば斬れば良い、武器を手にした相手ならば、大抵は武器を飛ばし喉元に剣を向ければそれでチェックメイトだ。だが、格闘技を極めた人間相手となるとそれは苦戦を強いられる。何せ武器はその身全てであり、倒して喉元に剣を向けようにも、体術においては向こうが優れているのだから基本的に倒れることがない。手も足も折るのが武器を失わせることになるのだろう。ただしこれは模擬戦より1歩下の訓練であり、休暇と言っていたのだからつまりは、明日には普通に仕事がある。怪我をさせ仕事が遅れた場合の責任はさて、何処へ行くのか。そしてなによりも、男には女性を痛め付ける趣味がない。これなら、まともな終了条件を定めておくべきだった。溜め息混じりに、警戒は緩めずに模擬刀を構える。この場合におけるチェックメイトはなんであるのか。此方が倒れても納得はされなさそうである。)   (1/14 17:24:44)

円 澪 > 『___失礼な。』こっから第2ラウンドだろ。と、やっと準備運動を終わらせたのだとばかりにだらだらと流れた血を床に垂らしながら、放たれた矢のように直進・特攻する。『私がArkなら。私がカミサマが変身した姿なら。誰かが能力で私になりきっているのなら。貴方のその姿勢は……容易く死に繋がる。』もしも私が敵だったらどうするの。もしも味方によく似た誰かならどうするの。その時は切れますと口にするのは誰にでもできるし、平和な時にならいくらでも思うのはタダだ。しかし、平和な時なんてものはカミサマの指先ひとつだと先日の事件が我々に教えてくれたばかり。『何何なら殴らない、切らない。それを出来るのは誰も彼も切れて初めてのセリフ___』   (1/14 17:51:53)
円 澪 > そうなった時にいざどうするのかという熱意が見たい。もし何かあれば、なら誰にでも動ける。だから戦う理由を教えてくれと____そんなご高説からは明らかに外れた熱っぽい笑みで。しかし何より雄弁に____拳は語る。『練習でそんなことで、貴方の背中にいるたくさんの命は、市民の皆様を守れますか!?』軍隊格闘に、必殺技はない。勘違いされがちだが、ルールの範疇で相手に効果的な技を模索する他の格闘技とは違い。ルールがないのだから喉や首、目を狙えるし、危険に投げ飛ばしてもいい。そうなれば技はもっと無骨であり、単純であり、その反面技という技の手札も少ない、教わる基礎がすなわち技。『私には、ミスター・ジニーのように必殺技はありませんが。積み重ねてきた____ひとつくらいは。』先程放り投げられた模擬刀を手にし、刀の用法には恐らくないだろう顔面目掛けた投擲。ただし、当然こんなものは誰にでも鍛えていればある程度は真似になる。単に陽動であり、スターターだ。   (1/14 17:52:03)