イザベル&円澪

しぇりこ@イザベル > 「(昼食を済ませた昼下がり。椅子に腰掛け、綺麗につかない足をふらふらと揺らしながら本を読む。暖かい紅茶は本を読み進めるうちにどんどん冷めて、次第に温ささえ消えてしまった。差し込んできた光がページと埃の星を照らし出した時、漸くハッとして時計を見る。ちょうど、俗に言うおやつの時間だ。)___休憩しましょうか…ああ、でも、お菓子は控えめに…!(椅子からゆっくりと立ち上がり、机の引き出しをゆっくりと引く。そこで気づくのだ、丁度菓子を切らしてしまっている事に。しばらくううんと唸ってから、今から買いに行こうか否か考え始める。結論は今から買いに行くと歩を進めて扉を開けかけ___、差し入れを持ってきてくれた貴方と鉢合わせるのだ。)」   (1/15 15:23:47)

円 澪 > 『お嬢(ミス)、年頃にダイエットをお考えですか?生活習慣を正すのはよろしいですが……。こんな仕事です、甘いものくらいは気を抜いてもよろしいかと。』中で漏らした言葉が多少耳に入ったのか、生死がかかる仕事であるし、それ以前に体力の消費も激しいのだから、虫歯になるような偏食でもなければこのくらい気にしないで大丈夫でしょう?と微笑して。ビニール袋越しに、可愛らしいキャラクターなどを排した控えめな銀のロゴだけの意匠が、普通イメージするところの白ではなく黒地のそれに光る。安いものではないと直感的にも分かるようなケーキ屋の箱を持ち上げて見せては。『もしも差し支えなければ、お邪魔してもよろしいでしょうか?貴女と会うのを……私楽しみにして参りましたので。』はにかむような表情で、少しズレた革靴を慣らすように踵でコツン、と床を叩く。大人げない話と言ったらその通りだが、差し入れを持って君のところに行くのを楽しみに走ってきたのが、時期外れに汗ばんだ肌や、革靴に締め付けられた足を気にする様子から見えるだろう。   (1/15 15:56:51)

しぇりこ@イザベル > 「___お、(貴方と鉢合わせた事に驚き方をびくつかせる…が、次の瞬間。)お姉様っ!!(瞳をキラキラと輝かせながら不躾に貴方に抱きつくのだ。寂しかっただとか、つまらなかっただとか、その全てを無視して…貴方が急いでくれた事に、気遣いに、喜びに気づいて。ダイエットの事に可愛らしいお菓子、反応すべきところは勿論沢山あるのだけれど、慕っている女性ともあって、子どもらしく、彼女らしく甘えやすいのだ。)あっ、ご、ごめんなさい…!ええと、ええと…是非、ご一緒させてくださいっ!(ハッとしてあなたから離れれば、恥ずかしげに頬をかく。急いで客人用のスリッパを出し、きっちりと整理された部屋、その机に位置する椅子を引いて、)丁度、その…お茶を淹れなおそうとしていたので…っ!(いかにも嬉しそうに笑みを浮かべながら、慌ててティーセットを出し始めるのだ。)」   (1/15 16:09:38)

円 澪 > 『ほらほら、危ないですから……。』抱きつかれたことを窘めるように、それでも悪い気はしないと優しい声音で囁くと、空いた手で軽く頭を撫でる。随分年下の妹に懐かれてしまったな、と思った。もしダウがいたらヤキモチでもやくのだろうか、とも思った。どちらもなんだか愛おしくて、年下にはいつまで経っても厳しくできないな。と瞳を僅かに細めた。『ありがとう、ミス・イザベル。ただ……そう珍しいようなことでもないのですから、あまりかしこまらなくていい。それに、お言葉ながらお嬢(ミス)。純粋なのは貴女の美徳ながら、嬉しくなると少しそそっかしいきらいがありますから。火傷などなさらぬように。』お茶を出してくれるということ。スリッパや机椅子の支度をしてくれたことをありがとう、と感謝して。しかし、そんなにかしこまるのも、嬉しいと全身で表現するような態度ももちろん可愛らしいと思えるのだけれど、火元をそんな調子で使っては危ないだろうし、そこまで急かないでいいから。と諌めて。   (1/15 16:25:31)

しぇりこ@イザベル > 「(頭を撫でられるのは安心する。いつも〝おじさま〟と慕う人物にされている時もだ。そう、嬉しい時はちゃんと表現する。…けれど、いつまでも子供のままではいられないと我に帰ってしゃんと背筋を伸ばすのだ。)いえっ、お姉様の様な一人前のレディになるためにも必要な事です…!(沸かしておいたお湯をとぽとぽと注ぐ。次第に赤茶の美しい色を持つそれは、貴方の鼻を優しく擽る香りになる。)あっ…私、お菓子を切らしてしまっていて。…もしかして、お姉様はなんでもわかってしまうのですか?…なんて…!(くすくすと口元を覆って笑い、机に角砂糖の入った瓶とミルクを用意する。隠しきれない喜びを顔に滲ませながら、「どうぞ、」なんて手招きをして。急がなくていいと言われても、やはり嬉しさが先を行ってしまうのだ。)」   (1/15 16:36:42)

円 澪 > 『左様でしたか。まだまだ私も未熟なものですけれど、そう仰っていただけるなら、嬉しい。』遅れながら席に着いて、紅茶を注ぐ手元を無意識に目で追ってしまう私は____随分心配性だ。自分のような一人前のレディに。そんなふうに言われて、きゅ、と胸の奥の方が誰かに掴まれたような、そんな気持ちになった。私はそんな立派な大人という訳では無い、貴女の方が余程頑張っているから。そんな言葉をまさか、自分を姉のように慕う彼女には口に出来なくて。嬉しいよとだけ答えた笑みが、思っていた以上に綺麗に作れたことに少しだけ安心した。『そろそろでは無いかと……多少の予測は。』お菓子を切らしていたという言葉に、そろそろかと思ったなんて冗談を言っては、箱の封を開ける。   (1/15 17:00:01)
円 澪 > 冬の透き通る星空から、いくらか星を拝借して散りばめたような、弾ける原色の躍るフルーツタルト。絹糸が大河のように流れて、その最中を切り取ったように柔らかな生クリームをたっぷりと塗ったイチゴのショートケーキ。高級車を思わせる艶やかな黒が輝くガトーショコラや、秘湯が湧き出るように、生地の間から溢れ出るカスタードが、もはや支える限界だとばかりのシュークリーム……。小さいけれど一つ一つがどれも卓抜なそれらを、箱に狭しと詰め込んである。『なんて言うのは冗談ですが、貴女の欲しい時に、欲しいものをご用意できたのでしたら幸いです。ただ____何もかもはわかりませんけれども。貴女の喜ぶ顔はきっと、とても可愛らしいだろうなとは思った。』   (1/15 17:00:11)

しぇりこ@イザベル > 「(貴方がその高級そうな箱を開けた時、イザベルは見たことのない様な表情を___、しなかった。そう、同じなのだ。先程、貴方がイザベルの前に姿を現した時と同じ表情。わぁぁ、と、おもちゃの宝石を貰った女児のように喜ぶ。声を漏らす。キラキラと輝くケーキに負けんばかりの笑顔を見せて、果実やクリーム、ふっくらとしたケーキの生地の香りを堪能する。)…ああっ、その、いいのですか…?こんなお高そうなモノ…(ケーキに目線を奪われている事に数秒経ってから気づく。そっと、壊物を触る様に優しく箱を持ち上げて、覗いて、また驚いて…今度は壊してしまいそうという不安を隠しきれない様子で箱をテーブルに置くのだった。)ど、どうしましょう、私…ちゃんとこのケーキに見合うような美味しいお茶を、お姉様に淹れて差し上げられますでしょうか…!(ティーポットに目を移し、またケーキを覗き…とひとしきり忙しそうにしてから、ちゃんと蒸した紅茶がたっぷりと入ったティーポットをカップに傾けるのであった。)」   (1/15 17:12:10)

円 澪 > 『ええ、もちろんですとも。……ふふ、そんな、何か危ないものでもあるわけじゃないのですから。』昔、飼っていたハムスターを新しいケージに入れてやった時のことを思い出した。こんな風にきょろきょろと覗いたり、触ってみたり、周りを走ったり、これが本当に自分の家なのかと忙しなくしていた。今の彼女もなんだかそんなようだったから、思わずその時思ったようなことを思い出の引き出しから口にして。口元を軽く抑えながら、声を漏らして小さな声で笑った。『いいですか?いいお茶をいただけるか努力していただくとしたら、品質でも、同じだけの値段のプレゼントでも、山落ち___味でもない。ああ、もちろん貴女が入れてくださったものは美味ですので、気を遣っているわけではありませんからね?少しばかり ""姉"" らしいことをと。』   (1/15 17:29:29)
円 澪 > こく、とティーカップに口をつけて。豊かな茶葉の香りを、夢を見るように鼻腔や味蕾でもないどこか深遠で、透明で、高貴なもので楽しみながら、緩やかに、落ち着いたペースで口を開く。『貴女との時間が、貴女とのお茶も、食事も、いつかはお酒も美味しくするのです。私にこんなものをいただいてありがたい、という謙虚さはもちろん必要ですが、プレゼントを買ってもらった側が、プレゼントにばかり萎縮して………反対に買われているような状態は好ましくはない。』レディの見本を私に見てくれているというなら、少しくらいはそれらしいことを口にしておこう。『悠然と、そして泰然と。お礼は___普段の貴女のまま、肩肘張らずに喜んでくださるのが最上の品だ。』   (1/15 17:29:32)

しぇりこ@イザベル > 「あっ、ええと、ええと…っ(『悠然と、そして泰然と。お礼は___普段の貴女のまま、肩肘張らずに喜んでくださるのが最上の品だ。』とは言っても、どうも興奮してしまって、体が強張っている。貴方の言った通りぴしりと肩は固まっていて、しゃんとしなければと思うほど慌ててしまう。)___、(そのまま間を置いてから、くいっと紅茶を嚥下する。いつもみたいに砂糖もミルクも入っていない大人の味の紅茶は、いつもよりずっと苦かった。でも、)___ありがとうございます、お姉様!(それで目が覚めた。恥ずかしそうに目を細め、頬を染め…年相応の、女の子として。)」   (1/15 17:44:46)
しぇりこ@イザベル > 「…お姉様、肩肘張らずにと仰られたので、正直に…申します。(申し訳なさそうに、けれども頬は緩んでしまってしょうがない。)…その、その…!早く食べてみたい、です…!(ぎゅっと目を瞑り、半ばやけくそになりながら呟いた。食い意地を張っているだとか言われるかもしれないけれど、ケーキの味や香りの感想を貴方に述べて、もう一度感謝を伝えたいのだ。)」   (1/15 17:44:54)

円 澪 > 『ああ____……』きょと、と目を丸くする。好きに食べ始めたらいいのに。という気でいたが、なるほど私が言うまで気を遣って食べなかったのだろうか。特にそうした作法の部分___気心知れているからもあるけれど___の頓着は、人に言う割にあまりなかった。これは前職が自衛隊で、腹を減らしたガテン系の前では多少のテーブルマナーなぞは鼻紙以下であったことに大きく由来するものだが、本人は無論、気づいていない。自分が制止したつもりもないことを求められたから、ぽかん、となんだかちぐはぐな間が空いて。『……(なんだか変なことをしている気になるな)』彼女に「ダメ」と口にするのにも。一種倒錯的な愉快がありそうだと頭をよぎりはしたが、まさかそんな趣味まで15歳に押し付けるような気もない。僅かに間はあったものの。『どうぞお気の召すままに。元より貴女の物ですから。』カップをこと、と緩やかに置いて___号砲を鳴らす   (1/15 18:03:34)
しぇりこ@イザベル > 「ほっ、ほんとうですかっ…!では、遠慮なく…っ(角砂糖を二つ、ミルクを少しティーカップに入れながらつぶやく。一つ目は、黒い高級車の様なヴェールを被ったガトーショコラ。小さなフォークで小さな一口を頬張り…貴方には甘すぎるであろう紅茶を飲む。)……っ、お、おいしい…っ、です!その、滑らかなショコラの苦味と紅茶がマッチ、して…!(感動の吐息を漏らしながら、感想を述べる。その感想のなんと拙いことか。我慢できない様子で二口目を掬い、口に運んでは年齢相応の幼さを見せながら大人のほろ苦さに酔っている。)お、お姉様も是非…!(なんて言いながら、貴方にショコラが乗ったフォークを差し出す。美味しいから是非たべてほしい、と急かす様に。)」   (1/15 18:29:03)

円 澪 > 『……ふふ、ありがとう。貴女は優しい子ですね。』切りそろえた白髪を、わずらわしくないように耳にかきわけると、彼女から差し出されたそれを、体格に差があるから少しだけ屈むようにして、せっかくだからとそのまま食む。『……うん、美味しい。私がお仕事を___まあ、言わばカミサマの討伐なのですが。その後、珍しくしばらく静養する機会があったのでそこで買ってきたのです。土地勘がある場所ではございませんでしたから少し懸念もありましたが……。買ってきて良かった。』雨晴第一小隊長とインボルバーの討伐に行った帰り、諸事情があって__インボルバーに彼の車を突っ込ませて、彼が命には別状がないものの傷だらけになったからとは口にしないが___しばらく静養を兼ねてホテルを取っていた時があった。『宿泊したホテルのスイーツバイキングが非常に美味しかったので、果たしてどこの物だろうと……随分探し回りました。』珍しく声を弾ませながら、楽しかったのを示すように、へにゃ。と笑みを浮かべていて。   (1/15 18:45:06)

しぇりこ@イザベル > 「(貴方の話を頷きながら聞く___が、〝カミサマの討伐〟と聞いた時に、ほんの少し顔が濁ってしまう。貴方が怪我をしたのではないか、と真っ直ぐに思考がマイナスへ向かう。けれど、ここでそれを貴方に問うのはナンセンスだと感じた。せっかくのケーキが色褪せては、お互いいい気持ちはしないから。)…無事で、無事で良かったです。(またほんの少し、下手くそな笑み。まだ嘘は吐けないの。かちゃん、とフォークを皿に寝かせて、ゆったりと紅茶を体に流し込んでいく。ほう、と一息吐いてから、今度はちゃんと笑顔で言うのだ。)次は、私も連れて行ってくれますか?(と。…美味しいケーキは、勿論食べたい。けれど、けれどもし、もしもだ。貴方が出先で命を落とした時___、〝代わりの器に成れるように〟。今日も日常の一頁に地味が溢れた気がした。次のショコラの味は、さっきより随分苦かった。)」〆   (1/15 19:04:56)