翠緑@ジェード > アルマデル研究員男子寮、廊下。彼は片手に白い紙袋を持ち、もう片方の手に乗った端末を耳に当てていた。「もしもし〜、姫〜?オレちゃんさぁ、今からカカシちゃんの所行くんだけどさ〜?そうそう!薬の子!!だから、ご飯は外食でも.......うぅ、オレちゃんまだ無駄遣いって程はしてないよ...!?...分かった。わかったよ〜、ちゃんと節制するからね!!今日だけ!!......ありがとうッ!!!やっぱり、世界一可愛い姫は優しいなぁッ!!いや、本当に。まじでまじで!!...うん。じゃあまた後で。」だなんて、周りに人がいれば白々しい目を向けられていたに違いないような声量が廊下に響かせて、花火のような通話を彼は終了した。端末を、内ポケットにしまい込んで、もう一度紙袋の取っ手を握り直した。顔をあげた先にあったのは、先程、電話の相手にも告げた男の部屋。八百万 助六の部屋であった。コン、コンコン、と軽快な音。 (1/15 16:13:46)
翠緑@ジェード > 浅い息のままに「カカシちゃぁん!!オレちゃんだぁよ。ジェーンだよ。邪魔するよ〜♪」なんて軽薄に言いながら扉を開けて、中へと押し入った。彼は今日も派手すぎるくらいの服装と日差しがある訳でもないのにしっかりとかけられたサングラス。季節感だとか、空気感の狂った服装だった。 (1/15 16:13:54)
外@八百万 助六 > (時刻は夕方辺りだったか。彼岸と今世の今際より、混ざり合えば朱色になる。黄昏時ってのはいつだって寂れているもんで、彼の部屋も例外なく攻撃的な西日が窓から差し込んでは、寒天のように死角に切り取られているのだった。掛けられた干してある植物、たくさんの瓶、そして入るのは薬膳の材料。擂鉢注射器まな板包丁古い文献……それが備わった、アルマデルと言うには少しばかり『ハイカラ』な室内にて、彼は一体〝 机に向かって何をしていた〟のか。突如、響き渡るノック音にビクゥッ!と大袈裟なぐらい肩を震わせたことなんて知らずに、貴方はギラギラと眩しいお日様のような声色で、扉越しに話しかけた。)『カカシちゃぁん!!オレちゃんだぁよ。ジェーンだよ。邪魔するよ〜♪』「…………ッ゛ッ………え゛、?!?!あ゛ッ、あ、ああああ兄貴ッ?!?!?」「い、いいいいいいやッ?!?!いやいやいやいや、ちィーーーーッッと待ってくンなァッ!!!今ッッ!!!今でやすンでッッ!!!!!!ね゛ッ!!!!」 (1/15 16:42:47)
外@八百万 助六 > (聞きなれた声色にほんの少しの安堵、かと思えばコンマ数秒後にドアノブをひねろうとする音が聞こえたもんだから再び戦慄。彼はガタンッ!!!!と立ち上がったのならばあなたの方へ行こうと………)(ガラガラガラッ!!!!がっしゃーーんッ!!!!カラン、コロンッ……)「あ゛ッ!!!!あ゛ーーーーッ………!!!!!!」(しまった、躓きかけて、〝落とした 〟。彼は忙しなくガサガサと先程まで出して睨んでいた〝何か達 〟を雑に拾い集め、布をバサりとかける。)(〝 嗚゛呼、まずいまずいまずいッ、兄貴入ってきちまうッ!!!!でもまだ髪は結べてねェッッ……というか結ぶ暇なんてないありやすかッ……?!?!?!いやッ、でも兄貴の前だしこんなだらしねえ姿ッ…… 〟と葛藤している間にも……〝 カウントダウン〟は残り5秒を切っていた。)(あなたが入るまで残り【3秒】)「ッッ゛…………!!!」(【2秒】)「ッ゛………………………………」(口に紐を咥え、しゅるりと手馴れた手つきで髪を結う。) (1/15 16:43:02)
外@八百万 助六 > (【1秒】──────ッ……)(〝 ガタンッッ………………!!!〟)(扉は、開いた。)(開けたのは………………)「い、いやァ゛〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!ジェードの兄貴ィッ!!!!こんなとこで逢うなんざァ奇遇じゃねィかィ、えェッ?????」(〝 スケロク〟だった。少しばかり息は上がっちゃいるが顔向けするにゃあ問題ない。にひぃーーッ、といかにも〝 下っ端そう〟な、しかしどことなく嬉しそうな笑みを見せた彼は、貴方に問いかけることでしょう。)「兄貴も人がわりィやッ!事前に言ってくれりゃあアタシからそちらに出向いたッてェのにィ…………」「…………………………して、今日はどのようなご要件でィ………………??」 (1/15 16:43:08)
翠緑@ジェード > 『い、いやァ゛〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!ジェードの兄貴ィッ!!!!こんなとこで逢うなんざァ奇遇じゃねィかィ、えェッ?????』「えぇ〜?オレちゃんは、カカシちゃんに会いに来たのに、〝奇遇〟は違うじゃあん。偶然じゃないよ。オレちゃんが会いたかっただけだよ〜。カカシちゃんってほら、ポメラニ...あぁ。知らないんだっけ?ほら...子犬〜...みたいな感じじゃん?可愛いんだよねぇ。」彼は自分が開けようとした扉が、コンマ数秒だか、それとも最も小さいか、それくらいの時間差で開けらたことを脳裏で少々不思議がりながらも片手に持った紙袋をスケロクに差し出した。 (1/15 17:14:15)
翠緑@ジェード > 『兄貴も人がわりィやッ!事前に言ってくれりゃあアタシからそちらに出向いたッてェのにィ…………』「いやー。それはごめん。でも、オレちゃんさ、カカシちゃんの連絡先知らなくってさぁ...。まま、カカシちゃんが忙しいなら今日は要件だけ伝えて帰るよ。あと、ほら。これ。中身は石鹸だし、高いもんじゃないから全然使ってくれて構わないよ。」だなんて言いながら。実際、彼の渡した紙袋に書かれていた銀色の筆記体は、世間ではそこそこに話題を呼んでいる石鹸屋であった。ただ。その石鹸は、普通の石鹸とは少々に異なっていた。青紫色の透き通るような中に緑やら、白やらの不規則な線や形が立体的に埋まっているように見える。宝石と言われれば、見識のない人間にとっては信じれてしまいそうなものであった。それ透明のプラスチック製の箱の中で白い紙が敷いてある台座の中に嵌るようにして鎮座していた。だが、石鹸であるが故か微弱な光を跳ね返すことしかなく、高貴さという面では劣等であった。 (1/15 17:14:32)
翠緑@ジェード > 『…………………………して、今日はどのようなご要件でィ………………??』「あー...。そうだね。さっさと言っちゃおうか。」一息。彼はたった一息だけ。言葉を切る。たった一息。だが、その一息の時間が、脳裏に爪痕を残すように際立った。いつもいつも、仕切りに火事時の鐘のようなけたたましさを纏う彼が、僅かにでも黙る。その真剣さと、滅多に見せぬ静かさが嫌なくらい彼の印象を暗くした。「助六。〝目を悪くする薬〟ってのは。...お前にゃあ、難しい話かい?」それだけ静かに言ってから、彼はサングラスを鼻の先の方に僅かにズラしながら、その人間にしては綺麗すぎるくらいに澄んだ青い青い瞳を覗かせた。 (1/15 17:14:45)
外@八百万 助六 > 「あーーーーッ、へへ……それもそうか。偶然でここに来るなんざァありゃせンよねェ………………──────ッてェッ………………いやいやいやいやァ、あたしとて、現世にきて間もない新人じゃあねェ、〝 ぽめらにあん〟ぐらい知ってますともォッ!ほらあれだろゥ?!あのォォ、ほら!〝 狸〟みてェなさァッ!」「…………………………………え゛ッ。アタシあれに似てるんでィッ?!?!」(そらそうだ。偶然なんてあるわけが無い。互いにおしゃべり。話題は季節より先に映ろうように。後に続く言葉は〝 とある犬〟。彼はその単語を聞けばシッシッシッ……と得意げに笑みを浮かべ、〝ポメラニアン 〟なるものの特徴を上げるに違いない、……が。あらあらそんなに似てるかしら、とよくよく考えれば当てはまる特徴がないことにクエスチョンをうかべたのは言うまでもないだろう。言葉の一つ一つに感化されるよう、表情は10面相のようにコロコロ変わること変わること。) (1/15 17:49:09)
外@八百万 助六 > (カカシと呼ばれたり子犬と呼ばれたり、動物に例えるならば自らはずる賢い狐、或いは鼬との評判じゃあないか。まさかあんな愛らしいものに例えられるとは夢にも思わず、そしてきっと〝 何故なのか〟と問いかけたところで〝カカシ 〟=〝 スケアクロウ 〟と同様に、理解は出来ないだろうから。だから、〝まァいいや 〟と流すことにするンだろうけれど。)(にしても〝 人が悪い〟とはよく言ったものだ。だってほら。)『オレちゃんさ、カカシちゃんの連絡先知らなくってさぁ...。』(なんだもの。確かに自身は貴方と連絡先を交換しちゃいない。しかし大した弊害でもないだろうと、何故ならここで今日は出逢えた。貴方はそのまま流したのならば、紙袋をこちらに差し出し1つ、2つ。) (1/15 17:49:19)
外@八百万 助六 > 『まま、カカシちゃんが忙しいなら今日は要件だけ伝えて帰るよ。あと、ほら。これ。中身は石鹸だし、高いもんじゃないから全然使ってくれて構わないよ。』「え゛ッ、えええ………………いやいやいやいやそンなわざわざ用意しねェでもッ……………………!!!!!お宅の〝 高くねェ〟は信用ならねンだからさァァァッ……………………それにこいつァアタシにゃ勿体ねェッてェ…………」(流石は守銭奴、勘は鋭い。見るからに〝 いかにも〟なそれに、〝 ひっ……〟なんて声を漏らしたのならば、割ってはいけないと怯むようにそーーーーッと、見事な美術品のようなものを紙袋に戻すのだ。そしてその紙袋を手に下げた後、あなたの本題が切り出されることを感知した彼は、視線を上げるに違いない。)(ピリ、と僅かに温度の下がった空気。きっと貴方に似合わず〝真面目 〟な話。一体何かしら、と。予測する前に切り出されるは……)『助六。』「…………………………へぇ、どうしやした。」(それは。)『──────〝目を悪くする薬〟ってのは。...お前にゃあ、難しい話かい?』 (1/15 17:49:34)
外@八百万 助六 > 「…………、…………………」 (1/15 17:49:41)
外@八百万 助六 > (〝聞きなれた、あまりにも聞き慣れすぎた3文字 〟を含む、依頼だった。)(……貴方に引けを取らない饒舌な彼を、黙らせるには〝十分すぎる 〟内容だ。)(数秒後か、或いは、〝 間もなく〟か。)「…………………………………………い、いィやァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………………」「へへ、…………………………兄貴ィ、そういうことでしたらアタシ、〝良い医者 〟を知ってんだ。こう見えて顔が広くってェ…………なんなら〝 あるまでる内〟で〝 その分野に詳しい方〟にでも声をかけときやしょうかッ?」(彼は、にへらぁ〜〜〜…………………………と笑みを浮かべ、困ったように避けた後、剽軽に人差し指を立て、ある提案を持ちかけた。)「それと、そう!この石鹸。やっぱしあたしにゃ似合わねェッて、………………お宅、仲良いお嬢ちゃんが居たろ。……こういうのはァ、女のコは喜ぶんじゃあねィかなァ………………あーーー!いや!アタシがこれ、気に食わなかったとかじゃあなくッ………………」 (1/15 17:49:51)
外@八百万 助六 > (そして、あなたには先程貰った石鹸を、きっと返すに違いない。貴方の手を取り、ぎゅ、と握らせるように、半ば無理やりね。)「というより、そォだな!いつがいいですゥ?ほらァッ!!アタシが連絡取っとくンで、腕利きを揃えておきやしょう。お代は結構ォッ!なんせ相手は兄貴だからなァッ!」(貴方に返答の隙は作らせないぞ、と言わんばかりに。)「あッ、来週の金曜とかどうよォ?そしたら彼奴だって──────…………」(彼は、勝手に、話を進めようとするでしょう。あんまりにも綺麗なその青色から、目線を合わせないように。) (1/15 17:50:00)
翠緑@ジェード > 『あッ、来週の金曜とかどうよォ?』彼は、そんな態度の六助を真顔で見つめながら『そしたら彼奴だって──────…………』そっとその口元に人差し指を押し付けて黙らせにかかった。「それで。どうなんだ。俺はてめぇ以外にゃ、頼む気もないがな...。ま、お前さんが無理ならそれでも構わんさ。俺は、六助。お前がな。〝可能か、どうかの話〟をしてんのさ。」彼は紙袋を受け取るがそれを押し返すこともなく、また、どこかに放るでもなく。ただ、持ったままに。「それよりも、おめぇ。こりゃあねぇよ。いいか。土産だとか、贈り物ってのはな。てめぇが気に入ってるのに、拒否していいもんなんかじゃねぇよ。...何が言いたいのか知らんけどよぉ...。」と。眉を顰めて言うのだった。 (1/15 18:22:11)
翠緑@ジェード > 彼は激高はしない。だが、笑いもしなかった。暴力や暴言も吐かない。脅しもしない。ただ、ただ。「悲しいよ。俺は残念だ。お前さんのことだから、どうせ安いので済ましてんだろうと思って、お前さんが返せる範囲の値段で、上等なのをこしらえたってのに...。〝気に食わなかったわけじゃない〟?んな事言われたって返品くらって置いてそう思わない訳にはいかねぇだろうが。」悲しそうに。困ったように。...奥歯で今にでも出そうな青い青い凍えるようなため息を押し殺したのだ。「俺はお前さんのことは好きだ。でもよ、お前さんの今の態度が俺は心底、嫌いなんだよ。気に入らねぇなら気に入らねぇって言え。処分がめんどくせぇだとか、使いにくいってんでもいい。そんときゃ俺が持って帰るし、次にやつはそれなりに考える。」底冷えするような声だった。きっと、彼のこのような声を聞いたものをは多くない。もはや居ないと言ってもいいかもしれない。普段の軽く暖かい彼の中に潜むのは冬の夜のようなどこまでも冷たく、痛く、そして立ちどころの無い雪のような重い雰囲気だった。 (1/15 18:22:23)
外@八百万 助六 > 「あいつもきっと、兄貴と仲良く────── ん゛ッ、………………」『それで。どうなんだ。』(ピタリ。)(瞬間、止められた。薄い言の葉の先は、紡がれなかった。)「……………………、…………、……ぁ、にき………………」『 俺はてめぇ以外にゃ、頼む気もないがな...。ま、お前さんが無理ならそれでも構わんさ。俺は、六助。お前がな。〝可能か、どうかの話〟をしてんのさ。』(彼は、弱々しく名前を呼んだ後、きっとあなたの言葉が来る。その言葉には先程のギラついた太陽なんてのはどこにも無くて、寧ろ〝温度なんて最初から無かったかのよう 〟だ。〝 カカシちゃん〟じゃない。〝 名前〟で呼ばれる緊張感に、彼は生唾を飲み、瞳孔を揺らす。) (1/15 19:02:24)
外@八百万 助六 > 『それよりも、おめぇ。こりゃあねぇよ。いいか。土産だとか、贈り物ってのはな。てめぇが気に入ってるのに、拒否していいもんなんかじゃねぇよ。...何が言いたいのか知らんけどよぉ...。』(嗚呼。)『悲しいよ。俺は残念だ。お前さんのことだから、どうせ安いので済ましてんだろうと思って、お前さんが返せる範囲の値段で、上等なのをこしらえたってのに...。〝気に食わなかったわけじゃない〟?んな事言われたって返品くらって置いてそう思わない訳にはいかねぇだろうが。』(不味い。)「ッ、……………………………………」(【怒らせた】……?)(いや、怒ってるんじゃあない。これは、きっと、きっと……)『俺はお前さんのことは好きだ。でもよ、お前さんの今の態度が俺は心底、嫌いなんだよ。気に入らねぇなら気に入らねぇって言え。処分がめんどくせぇだとか、使いにくいってんでもいい。そんときゃ俺が持って帰るし、次にやつはそれなりに──────』 (1/15 19:02:37)
外@八百万 助六 > 「違うッッッ…………………………!!!!!!!!!!!!!!!」(考えるより先に、言葉が出た。出た言葉は堰を切ったように、口からポロポロと溢れ出す。その顔、その声、その雰囲気。耐えかねたように、必死に、必死に首を横に振って。)「ち、ち、ちちちちちちちち違うッ!!違うよォ、兄貴ィッ………………違うんだよぉぉぉぉッ………………す、すすす凄く嬉しいさ、それこそ使うの、も、もったいないねェぐらいにはッ……………ぁ、あのな、あのな、…不快に思わせたッてンなら、嫌な思いさせたッてンなら謝るからさッ、……確かに、確かにさっきの態度はあンまりだッ…………ほ、ほんとすまねェッ、ことを、したと思ってるッ………………で、でででも、でもッ、……………………ほ、ほんとにそういうつもりじゃあ、なくてッ………………」(血の気が引いた。ドクドクドク、と心臓が早鐘を打って仕方がない。確かにそうだ。貴方は厚意で渡してくれた。なのに〝 他の人に〟だなんて失礼だったかもしれない。焦りからか先程からどもりっぱなし。じわりと滲む涙。手汗が【滲みて痛い】。) (1/15 19:02:51)
外@八百万 助六 > (そして)(何より恐れているのは。)「で、でも、でもなッ、……ぉ、おぉ、俺ッ、………………俺゛ェッ、……………………く、くく、薬作るの、すげえッ………………へ、へへへ、へ、下手で、ッ……ななな、何回やっても何回や゛っても、上手く、ッ゛上手く行かねェンだッ…………お、俺が作る、俺が作る薬はどれもポンコツで、直そう直そう思って、き、きき、期待に応えたくて、で、でででも、その度にて、手が震えてッ、『嗚呼、〝また 〟失敗したらどうしよう』ッて、おおお、思゛ッて゛ッ、………………」「あ、あああ、兄貴にまで、〝 嗚呼、やっぱり出来ねぇんだこいつは〟って、ぉ、おお、おもわれて、失望されたり、…………そそ、そそそんなことなくったって、薬、し、失敗して兄貴の具合、悪くさせちまったりとかしたら俺ァッ、俺ァッ…………」 (1/15 19:03:18)
外@八百万 助六 > (貴方を、〝 ガッカリ〟させることだ。貴方を、〝 傷つけること〟だ。貴方に〝もういい。頼んだのが馬鹿だった 〟と踵を返されることだ。彼は、手袋を脱いでボロボロの手のひらを見せる。見るに堪えない切り傷だらけ。ろくに手当てもしちゃいないのかぐじゅりと可能までして。病んでいるからじゃあない。これは彼が【術式血統】であるが故である。このキズの数だけ薬を作って〝 尚も失敗〟。)(〝信じてもらうのが彼等薬売りの根源 〟である。失敗は〝信用されちゃいない 〟現れだ。作れないということは、ほら。〝 分かるだろ〟。)(彼は、ハ、と我に戻る。そそくさと手袋をはめなおしたのならば、ぐしりと涙を拭って、俯きながら不器用に笑みを浮かべて口にした。)「…………ッ、だ、だから………………わりィけど、アタシがその石鹸断ったのは、返せるもンがないからってだけなンだ。すげえ、嬉しかった。ごめんな、………………ありがとなァ、兄貴ィ。」(嗚呼情けないな。動揺しちまって、要らないことまで言っちゃって。) (1/15 19:04:11)
翠緑@ジェード > 六助喋っている間。彼は一言も、喋りもせず、挙動も見せやしなかった。ただ、助六が、最後にみせた笑顔を。その不器用で、クシャクシャになってしまった顔を見た後に「...やっぱり、気に入らねぇなぁ...。」とだけ静かに呟いた。それから、息をたっぷりに、吸い込んで。吸い込んで...。吐いた。胸に溜まっていた感情を、喉を食い荒らしていた想いを吐き出して、空気だけを詰め込むために。「...やっぱり、お前は勘違いしてるさ...色々とな。............あぁ、なんで、どいつもこいつも...。」...だが。彼という人間はいかに冷徹になろうとも、静寂を装おうとも。彼の吹き飛んでしまった空気感なんて言う価値観が戻ってくる訳でもなかった。 (1/15 20:06:23)
翠緑@ジェード > 「俺はなぁッ!!!おめぇのようなのが、いっっっっっっっっっっっっっっっっっっち番に!!!気に食わねぇんだッ...!何が、〝 嗚呼、やっぱり出来ねぇんだこいつは〟だぁッ!?!?んなことを言うわけなんざねーだろッ!?!?何が〝返せるもンがない"だぁッ!?!?!んなもん俺はいらねぇよッ、てめぇが元気で暮らしてくれりゃあ俺のようなやつは満足なんだよッ!?!?好きなやつに、プレゼントして?それで見返り??んなダセェダセェことやってられるかッ!!!...出来ねぇことはあるだろうよ。俺も無責任に『お前ならできる。』なんてぇのは言わねぇよ。ただな、それを1人で抱えるのは、馬鹿ってやつだよ。お前が上手くなりてぇなら、俺はいくらだって応援してやる。金だって出してやる。時間だって空けてやるさ。俺なりにお前の力になってやるよ。でもよぉ...でもなぁ"ッ!言わなきゃ誰もわかんねぇんだよ...!俺はお前が失敗したからって、お前を見限ったりなんかしねぇ。俺はお前が成功したからって、無条件でお前を褒めたりもしねぇ。だが、お前のことを教えてくれなきゃ...俺は何も出来ねぇんだよ...!」 (1/15 20:07:07)
翠緑@ジェード > 彼は六助の腕を勢い良く、しかし乱暴にはならないように力を殺しながら握っては「とりあえず!!!!手当だ手当ッ!!...あとそのしみったれた顔も洗う!わかったなぁ"ッ!?」だなんて言いながら部屋に押し入ろうとするだろうか。 (1/15 20:07:18)
外@八百万 助六 > 『...やっぱり、気に入らねぇなぁ...。』「……………………ッ、…………」(彼は、その一言に口ごもった。指先、そして腹の底から冷えていくのが段々と伝わってくる。そうだよ、そうだよこんな、こんな情けないとこ見せられて、そりゃあ、…………)『...やっぱり、お前は勘違いしてるさ...色々とな。............あぁ、なんで、どいつもこいつも...』「ッ゛ッ………………へ、………へへへ、………へへへへへぇ、だ、だよなァ、そ、そうだよなァァァ……………………あ、兄貴、やっぱ今日のとこは…………………………」(冷や汗が止まらない。彼はヘラヘラと軽薄な笑みで誤魔化しつつ、もういい、大丈夫だ。本当に申し訳なかった、と言わんばかりに、貴方には帰ることを、促し──────、……)『俺はなぁッ!!!おめぇのようなのが、いっっっっっっっっっっっっっっっっっっち番に!!!気に食わねぇんだッ...!!!!!!』「ッ、………………ヒッ…………………………!!!!!!」 (1/15 20:48:28)
外@八百万 助六 > (否、【遅かった】。肩を竦めど小さく悲鳴をあげど、貴方の猛攻は止まらない。)『が、〝 嗚呼、やっぱり出来ねぇんだこいつは〟だぁッ!?!?んなことを言うわけなんざねーだろッ!?!?何が〝返せるもンがない"だぁッ!?!?!んなもん俺はいらねぇよッ、てめぇが元気で暮らしてくれりゃあ俺のようなやつは満足なんだよッ!?!?きなやつに、プレゼントして?それで見返り??んなダセェダセェことやってられるかッ!!!』「ッ…………で、でででででで、でも゛ッ、でも゛ォォォォッ………………………」(着火点は一体何か。恐らく言動態度行動の「全て」。「全て」だからこそ〝 分からない〟のだ。そもそも貴方がそんなにも怒鳴りつけているところを、こちとら初めて見るし、そしてその対象が自分ともなれば情けなくまた涙が目に溜まるのは言うまでもない。しかし、こちらも言い分はある。義理や温情は返したい。それが薬売り、そして〝妖怪 〟の性である。なのにこちとら劣等、何も返せないとなると申し訳ないどころか、〝 いても立っても居られない〟。) (1/15 20:48:42)
外@八百万 助六 > 『..……出来ねぇことはあるだろうよ。俺も無責任に『お前ならできる。』なんてぇのは言わねぇよ。ただな、それを1人で抱えるのは、馬鹿ってやつだよ。俺はいくらだって応援してやる。金だって出してやる。時間だって空けてやるさ。俺なりにお前の力になってやるよ。でもよぉ...でもなぁ"ッ!言わなきゃ誰もわかんねぇんだよ...!』「ッ、゛……………………」『──────お前のことを教えてくれなきゃ...俺は何も出来ねぇんだよ...!』(その言葉の数々は、一方的な不平不満、理不尽な言葉の暴力とは違った。確かにこちらのことを想って、〝叱ってくれている 〟。そりゃあそうだ。〝 言わなきゃ伝わらない〟。そんなの分かってる。分かっていても尚、〝 言えなかった〟。薄い言葉で塗り固めてヘラヘラと笑っていた方が楽。本音をぶちまけて真っ向から〝努力が足りない 〟と言われるのは、怖いじゃないか。) (1/15 20:48:51)
外@八百万 助六 > (クシャリと顔を歪め、鼻先を赤くさせ、ボロボロとわけも分からず涙が溢れて止まらない。貴方よりもきっと幾何年も生きているはずなのに、子供見たく〝う゛ぅぅぅ………… 〟だなんて声を漏らして、押し殺し、しゃくりを上げ始める。腕を掴まれりゃ抵抗はしなかった。いいや、出来なかった。ズカズカと中に入る貴方は彼に口にするんでしょう。)『とりあえず!!!!手当だ手当ッ!!...あとそのしみったれた顔も洗う!わかったなぁ"ッ!?』「ッ、う゛ぇぇぇぇぇ゛ッ゛……………………兄゛貴゛ぃぃ゛ぃ゛ぃ゛………………すま゛ね゛ぇぇぇッ…………俺ェ、俺ぇぇぇッ………………だぁ゛っで兄゛貴゛に嫌われたく゛ね゛えじゃね゛っすかぁぁぁぁぁあ゛ッ…………」 (1/15 20:49:04)
外@八百万 助六 > (ぐずっぐすともう本当に情けない。引っ張られながら入った部屋は、『薬草』『漢方』『書物』『擂鉢』『物品』の数々。机の上、布がズレた隙間からは、冒頭の〝なにか 〟がちらりと見え隠れしていた。)(それってのは、〝 血のにじむ数個の擂鉢〟。中身に混ぜられた約束は血の滲んだ傍から黒く濁り、じっくりと焦がしたような臭いがする。見るからに〝 失敗〟。部屋は薬学や彼の職業に関するものしかなく、敷布団と生活には必要最低限の家具。)(彼は口にした。)「…………あ゛んま部屋と顔、見やンでくだせェェッ、…………お、俺だって、ホントだったら兄貴の目ェ治してやりてェ゛けどさァァァッ………………」「い、いっつもサングラスつけてッ…………でも、光とか見るとそれでも細めやがるからッ、……可笑しいとは思っててぇぇぇぇ…………ッ゛……………」(お顔は見せないまま、掴まれちゃ居ない左腕で目元を覆う。こんなんじゃあ介護じゃないか。) (1/15 20:49:24)
翠緑@ジェード > 「あぁ"大丈夫だ。俺はお前が好きだ。俺はおめぇの不安なんかぜってぇに好いてやらねぇから。何回でも疑え、何回でも悩め。俺がその度におめぇのことを好いてるって言ってやるからよ。俺は俺の気に食わないことを絶対に認めてやらねぇよ。」彼は勢いよくそう言っては、部屋へと上がり込んだ。彼の手を引いて上がった部屋は彼にとっては痛々しいくらいに地味で、何もなく。そして寂しく感じた。「...よくもこんな寂しいところで...。...お前はすげぇよ。並のやつにこんな寂しいところで、そこまで熱心にできるやつなんていねぇよ。...たく。これからはちったぁ聞かせろよ。」彼は一旦、助六の手を離して部屋の辺りを探し回った。手当の道具はないかを探すつもりだったのだろ。当然彼は途中に目にする。あの痛ましい擂鉢を。しかし、彼は (1/15 21:30:47)
翠緑@ジェード > 「...なぁ〜。手当に使えるもんねぇの?」何も言わなかった。あえて触れなかった。いいや、そんなこと。彼がするわけがない。きっときっと。彼の中では六助がいつか話してくれると確信しているのだろう。それに、彼は気に入らないことを許さないが。取り返しのつかないことを怒る人間ではないのだ。「目は、俺が生きてるうちでいい。まずは自分を治せ。んで、その次に俺を治せ。待つことなんざ俺でもできる。」だなんて言いながら、彼は部屋の隅々を探し始めた。 (1/15 21:30:57)
外@八百万 助六 > 「ッ…………゛…………ッ゛………………」(〝 見られたくなかった〟。それが正直な感想である。じゃなけりゃ慌てて貴方が扉を開ける前に飛びつくようにノブを開けたりなんかしないでしょう。なのに貴方と来たらズカズカと中に入ってしまうんだもの。剽軽、軽薄、胡散臭く『疑うことを生業とするスケロク』のままで居たかった。けれど……)『何回でも疑え、何回でも悩め。俺がその度におめぇのことを好いてるって言ってやるからよ。俺は俺の気に食わないことを絶対に認めてやらねぇよ。』「も゛ォーーーーッ……!!!や゛めろよな゛んなんだよ男゛前かよ゛ォォォォォォッ…………………………俺が女じゃあなくて良かったな畜生ォォォッ………………」(卑怯じゃないか。それを言われれば。) (1/15 22:07:02)
外@八百万 助六 > (べそべそグズグズ。そら自分だって疑わずに人の言葉を信じたい。しかし性分は性分、どうせまた疑心暗鬼になるのは言うまでもないでしょう。己をここまで信用するような言葉を投げかける人間が今まで居たか。否、居たとしたってきっと己が〝 彼等を疑った〟。しゃくりをあげる貴方をよそに部屋を散策する貴方。部屋を探せど出てくるのは文献、材料、文献、材料……………………それとォ──────………………)『目は、俺が生きてるうちでいい。まずは自分を治せ。んで、その次に俺を治せ。待つことなんざ俺でもできる。』「………………分かりやした、分かりやしたから…………………………あ、あのあんまり部屋、ホント、見やンで欲しいンで、…………包帯とかならこっちの方に………………治療、じ、自分でやりますンで、…………な、何から何まですまねェ兄貴…………座っててくンなァ…………」 (1/15 22:07:10)
外@八百万 助六 > (彼は〝 待って待って待って〟って、貴方にそれ以上の散策をさせないように貴方の服を控えめに引っ張り、救急箱はこっち、と示すことでしょう。棚から取り出しことりと置き蓋を開く。それにゃあ手当てに充分なものばかり。そもそも手当てしたって血を出さなくちゃあ薬は作れない、だから手当するだけ……なんて言葉を紡げばまたあなたにどやされ兼ねない。赤く染った鼻先と少し腫れた目、ズビズビと鼻をすすりながら、手袋を外しつつ、問いかけた。)「…………兄貴はァァ…………なンで物事をそンな信用しきれるンです?」「……………………いや、〝 言い切れる〟ってェ言った方が正しいか。…………俺に薬を頼むのもそうだ。」「………………………………〝かもしれない 〟が、……………………兄貴にゃねェように見えて。その、………………」 (1/15 22:07:13)
翠緑@ジェード > 『も゛ォーーーーッ……!!!や゛めろよな゛んなんだよ男゛前かよ゛ォォォォォォッ…………………………俺が女じゃあなくて良かったな畜生ォォォッ………………』「そりゃあ、こちとら男前になるために日々やる事やってるからな。...ま。助六と同じように努力してるって訳だ。」だなんて軽口を叩きながらも部屋を探していたが、どうもこちらではなかったらしい。六助の方が救急箱を先に持ってきていた。その上に、『じ、自分でやりますンで、…………な、何から何まですまねェ兄貴…………座っててくンなァ…………』なんて言うものだからここは大人しく促されるままに座った。薬売りと自分。どちらが手当が上手いかは語るまでもない。だがしかし、自分の手を手当するのは一般で考えれば他人にするよりもはるかに難しい。そのために彼は六助が手当するのを見つめながら、話を続けることにした。『…………兄貴はァァ…………なンで物事をそンな信用しきれるンです?』意外なことに話を先に持ちかけたのはどうやら六助らしかった。 (1/15 22:35:54)
翠緑@ジェード > 『…………………いや、〝 言い切れる〟ってェ言った方が正しいか。…………俺に薬を頼むのもそうだ。』『………………………………〝かもしれない 〟が、……………………兄貴にゃねェように見えて。その、………………』だなんて。彼自身は自分のことをこの空間で尋ねられるだなんて思っていなかったものだから少しだけ狼狽した。だが、それも顔にはでなかったし、あくまでも聞いてきたことだけで内容には困らせられなかった。「そうは言ってもな。...人なんてのは、いつか死し。それは今日かも明日かもしれない。もしかしたら、馬鹿みたいに長生きするかもしれない。だからせめて、人くらいは信じたって悪くは無いだろう?それに俺は、俺の選択で良いことがあっても悪いことがあっても後悔なんか微塵もねぇよ。俺が出来ねぇことは、誰かができることだし、俺が出来ることは誰かが出来ねぇことなんだ。同じできるでも、人ってのはひとつのことだけじゃない。できること、できないこと。それの重ね合わせが人だと思ってる。」 (1/15 22:36:09)
翠緑@ジェード > 一息だけ。たった一息だけ、また。時間を置いて。空気を切って。彼の雰囲気が切り替わる。気がつけばそっと彼は六助の痛みきった手を自分の手でいたわるように包んでいた。そして、「だから。だから。貴方も、自分の出来ることを見つけて欲しい。できるようになりたいことを是非叶えて欲しい。そして、そこに劣等感を覚えても、他の人への心だけは閉ざさないで欲しい。そうすればきっと、貴方の人生は良くなりますか...あぁ。間違えた間違えた。良くなると思うから、な。」だなんて。あの怒涛の嵐のような表情も凍てつく氷のような表情も、ギラギラと照りつけるような太陽の表情もなく。静かに振る、天気の雨のような柔らかい笑みを浮かべながら言った。 (1/15 22:36:19)
外@八百万 助六 > 「……………………………、…………」(彼はあなたの話を黙って聞いていた。手袋を外せばじわりとまだ傷が固まりきっていないものだらけ。最初は指先からだった。〝 い゛ッッッ……?!?!?!〟と、ちょこっと切っただけで身体を跳ねさせてたっけ。)(トントン、カタン、……消毒液を取り出して。)『人なんてのは、いつか死し。それは今日かも明日かもしれない。もしかしたら、馬鹿みたいに長生きするかもしれない。だからせめて、人くらいは信じたって悪くは無いだろう?それに俺は、俺の選択で良いことがあっても悪いことがあっても後悔なんか微塵もねぇよ。』(新緑のような貴方の声は、いつの間にか図書館にでもいるみたいに。色々なことを教えてくれていた気がする。そうさ、人も妖怪もいつか消える。その〝 いつか〟が〝 今〟かもしれないし、ずっと先のことかもしれない。彼は目を伏せ、消毒液の蓋を開けた。)『だからせめて、人くらいは信じたって悪くは無いだろう?』 (1/15 23:08:16)
外@八百万 助六 > (……どうだろうか。信じるのは怖いじゃないか。信じた矢先で何が起こるか分からない。皮肉にも信じて貰えなくちゃあ妖怪としての存在価値はどこを探したってありやしないのに、愚かしくも人を信用しないのは彼の性分。貴方は続けた。)『それに俺は、俺の選択で良いことがあっても悪いことがあっても後悔なんか微塵もねぇよ。』『俺が出来ねぇことは、誰かができることだし、俺が出来ることは誰かが出来ねぇことなんだ。同じできるでも、人ってのはひとつのことだけじゃない。できること、できないこと。それの重ね合わせが人だと思ってる。』(〝 己の後悔のない選択を選び抜き、前に進め〟そんな風に言われている気がした。『最善』と『最良』。それは世界ではなく、他者ではなく、『己にとっての』であるがこそなのだと。そして、人には短所が当然ある。その短所を誰かが補って、自らの長所は誰かの短所を補うものなのだと。故に『人』。『支え合う』とはよく言ったもんだ。)「ッ゛…………………………」 (1/15 23:08:36)
外@八百万 助六 > (とぷり、……消毒液を傷口に掛ける。ろくに手当てもしてこなかった仇でしょう。滲みて酷く痛くって、ビクッッ、と肩を竦めては、震える手先と共に声を押し殺す。きっとあなたの言葉や、お話を聞いている時じゃあなけりゃ、今頃1人、バカでかい声で騒いでた。だって誰も見ちゃいないから。観客がいない演劇なんて存在しない。だからこそ部屋の中で髪を降ろすし勉強をする。彼はさっさと包帯を巻いちまおうと、器用貧乏らしく、しかしどこか少し雑に、包帯を巻いていって、……それで。)(……少しの間、静寂。包帯を巻く、衣擦れの音がする。伏せた瞳、傾いた西日。薄暗い部屋。2人。)(巻き終わったと同時に、貴方がこちらの手を取った。生きているとはあまり感じさせない、冷えきった手を、大きくゴツゴツした男らしい手が包み込むよう。僅かに目を見開いた彼は、貴方に目を向けた。) (1/15 23:08:45)
外@八百万 助六 > 『だから。だから。貴方も、自分の出来ることを見つけて欲しい。できるようになりたいことを是非叶えて欲しい。そして、そこに劣等感を覚えても、他の人への心だけは閉ざさないで欲しい。そうすればきっと、貴方の人生は良くなりますか...あぁ。間違えた間違えた。良くなると思うから、な。』「………………………………なァ、兄貴ィ。」(漸く、ようやく口を開く彼は、手を取られたまま小さく。)「……………………………………俺ァ…………そのゥ、………………何になりてェッて、明白な目標を掲げんのはまだ怖いさ。〝そうならなくちゃ 〟……プレッシャー感じて、また〝 失敗〟したらって。…………誰も信じちゃいねえ、望まれねえ毒しか作れねェ薬売りなんざァ笑いもン。」「……………………でも、そんな、……………………そんな俺がァ、………………言うのも、難なんだけどよゥ………………」 (1/15 23:08:53)
外@八百万 助六 > 「……………………………………、……兄貴すげえかっこいいし、正直憧れるがァ………………兄貴も〝 そう在らなくちゃあいけねェ〟なんてこと、なくて、………………その、だから、なンて言えば、いいかなァ………………」「生い立ちとか、なんも分かりゃしねェけど、そっちが………今のが、今の、…………瞬間のが、…〝 本当の兄貴〟なら、……………………俺ァ……………………」(彼は、話している最中逸らしていた目を、貴方に向けた。)「………………………………ぃ、…………いい、…………いつか、……その、……腹割って、………………〝弱み見せて欲しい 〟とかじゃなくてよゥ、…………素の、……兄貴というか、……………………」「…………──────お、俺。気ィ遣う必要ないぐらいつ、強くなるん、で。」 (1/15 23:09:02)
外@八百万 助六 > 「目、………………も、…………兄貴が信じてくれンなら、…………今は、難しいけどよゥ、ぜ、ぜってェ……どうにか、するからさ。」(締まらない、纏まらない、何が言いたいか、きっとあなたには伝わりにくいかもしれない。本当は握り返したいのに、痛いからか、それとも勇気がないからか、握ってるのかなんなのか分からないぐらい、微弱で淡い力を込めて、また青目から逸らす。むず痒い、なれない。あなたの目前にいるのはただ情けなく、止まりかけた涙で赤く濡れた小さな妖怪の姿でしょう。) (1/15 23:09:05)
翠緑@ジェード > 『………………………………ぃ、…………いい、…………いつか、……その、……腹割って、………………〝弱み見せて欲しい 〟とかじゃなくてよゥ、…………素の、……兄貴というか、……………………』『…………──────お、俺。気ィ遣う必要ないぐらいつ、強くなるん、で。』『目、………………も、…………兄貴が信じてくれンなら、…………今は、難しいけどよゥ、ぜ、ぜってェ……どうにか、するからさ。』彼は少しだけその色濃いサングラスの奥で、目を丸くした。だが同時に、またふっと弛緩したような笑みを見せては、「待ってます。...................なんてね。オレちゃんにもオレちゃんなりの譲れないもんがあるからねー...。カカシちゃんの頑張り次第かな!!」一瞬のまた、あの揺らぐような口調になって直ぐに掻き消えた。 (1/15 23:31:59)
翠緑@ジェード > 「んまぁ。その前に。泣かないようにしないとね〜?君が泣いてると、オレちゃんもちょぉぉっと、泣きそうになっちゃうからさぁぁ...。それに、君の今の感じ、やっぱり子犬じゃぁん!ポメラニアンポメラニアン!」だなんて、さっきまでの真剣な雰囲気を壊すように彼はおちゃらけては、またいつも通りに笑いだした。口を大きく開けて、歯を見せて。普段通りに普段通りに。楽しそうに楽しそうに。だけど少しだけ。ほんの少しだけ。虚しそうに。 (1/15 23:32:07)
外@八百万 助六 > 『んまぁ。その前に。泣かないようにしないとね〜?君が泣いてると、オレちゃんもちょぉぉっと、泣きそうになっちゃうからさぁぁ...。それに、君の今の感じ、やっぱり子犬じゃぁん!ポメラニアンポメラニアン!』(嗚呼、きっときっと。〝 双六(スゴロク)〟なら、貴方の虚空を埋めて、目なんて直ぐに直して、不安なんて何も無いみたいに、本棚にきちんとあるべき場所へと収納されたみたいな、整った低い声で、笑いかけることが出来て。きっと貴方が気を遣わなくて済んだはずなのに、と。チラつくのは自身の兄貴の顔ばかり。)(でも今ここにいるのは双六の兄貴でもなけりゃ他の薬売り、妖怪、権力を持った人間でもなく、『情けないポンコツのスケロク』なのである。)(今はそれでいい。今はそれが『精一杯』だ。) (1/15 23:58:20)
外@八百万 助六 > 「いやいやいやいや、ずっと言おう言おう思ってたが俺ァこう見えてタッパ180あるんですぜィ?!大き私的に仔犬じゃねェッ…………──────ッてェッ………………まあ、………………いいや。」「…………………………つうか時間大丈夫ですかィ、……………………黄昏も終わってもう夜になる。アタシァね、この後ちぃーーーッと仕事があンでィ。」「…………………今度会うときゃ、………………出来たら、……薬の調合ォ……………………は早ェかなァ、どうだろなァァ………………うあーーーーーッ、ととと、とにかくゥッ……………………が、頑張ンで、………………ホント。」(今日のとこは薬売りを名乗ることは出来なかった。幾何年ものブランクを、この場で克服とは行かないけれど、次会う時までには少しばかり成長していりゃいい。〝死ななければ 〟…………及第点である。) (1/15 23:58:23)
翠緑@ジェード > 「はいはい。わぁかったわぁかった!!そんなに気張らなくていいって〜!!オレちゃんはいつでも待ってるから、生き急いだって苦しいだけだよ...?全く...。それに今度たって、すぐ会うでしょ。オレちゃんカカシちゃんの部屋もっと改造するから!もっとオシャレしなさいよっ!?ママそんな子に育てたつもりないわよッ!?!?」彼は結局ふざけたままに、そう笑っては席を立った。そして「なんかあったらオレちゃんにいいな。オレちゃは、カカシちゃんの〝兄貴〟だからね。いつでも頼んな〜。」だなんて言って、そのままいつも通りの軽すぎるくらいの陽気な足取りで部屋から出ていってしまった。結局石鹸は部屋に忘れてきてしまったし、なにか特別な行為をした訳でもない。ただ彼の生活で特異な事だったのは、今日の夜。彼の電話の先にいた人物が、彼のあまりにも遅すぎる帰宅ですっかり機嫌を損ねたイザベルだったことくらいだろうか。そう何も変わらない。彼はいつも通りに過ごしただけだった。 (1/16 01:37:03)〆