外@時計師 > (チクタク、チクタク、チクタク、チクタク、チクタク、チクタク…………)(1歩、1歩近づく度、まるでその秒針の音が貴方の耳にも届くようだ。そこは森の中、こじんまりとしたアンティーク調の店がポツリと1軒だけ。慣れた足取りで、もしも貴方がノブに手を掛けようとしたのならばきっと扉は、その前に。)(──────カラン、コロン。)(【鐘を鳴らし、独りでに開かれる】)(ズォ──────ッ……………………と。外観とは相反した視界に入り切らない程の時計の城は、貴方の鼓膜を休ませることを知らなった。鳩時計砂時計置時計クロックワークアナログ時計デジタル時計壁掛け時計腕時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計………………………………)(響くは秒針。不変のアトリエ。そこは貴方が生まれてなかろうがいつ誰がどこで誰かを殺していようが、ただ〝刻まれ 〟記憶され前に進み変わらぬ時を刻み続ける。) (1/16 20:07:05)
外@時計師 > (──────カキン。)(それは貴方が奥に進もうとする手前。キリリリリリ……と伸びてきた羽製のハタキが貴方の衣類のホコリをはらうよう。そして扉付近についたスピーカーがプツ、と僅かに音が慣れば、そこから聞こえるのは………………)「いらっしゃーーーいッ!!!!よく来てくれましたねッ!とはいえ貴方を呼んだ覚えはないのだケド。」「一体何しに来たんです?」「どうせ時計を買いに来た訳じゃあなんでしょう。」「お帰りは今出たところの扉を潜って道を戻ればいいンです。それでは、Have a nice day~~~~ッ♡良い一日を~~~~ッ!!」(〝昼間の彼の声だった 〟。やたらと流暢な日本語に合わせて、微かに響くタイプライターの音。彼は誰に対してもそうだ。文字通り〝 夜の自分〟にもの他人にあまりにも〝 態度が悪い〟。2階から見える作業場に彼がいないということは、もっともっと奥の方にいるんでしょうね。) (1/16 20:07:11)
木靴下@カフカ > (────────────店に足を踏み入れる理由なんて、【買い物】以外に何かあるのかしら。)(……………………カフカは、《うんざり》と言った表情だった。だって考えても見ろ。買い物をしに店に踏み込めば自分の体を羽根ではたかれ、店内には定員はおろか店長であろうあのイカレ時計もいやがらない。)(オマケに、《接客の態度が最低である。》……まぁ今に始まったことでもないのだけど。)「あーーーー…なんで今日ブラックデーなんだろ。ホワイトデーならお前に送ったのに。死装束。」(ブラックデーに因んだ【ブラック】ジョークなのか、はたまた本音なのか。彼はいつもの様に深い深い息をその口から────────。) (1/16 20:46:51)
木靴下@カフカ > 「待った、お前今……何語で喋った???」(吐かなかった。)(先程まで、あんなにうんざりと言った感じの表情であったのに貴方の口からこぼれた言語に思わずと言った形で、驚きが勝った。)(日本語?…あんなに英語ばかり喋っていた奴が今になって何故??)(疑問は浮かぶばかりだが、肝心の貴方の姿が見えないのではお話にならない。)「今日は時計を買いに来たんだ。それなのに、見繕う店主がいないなんて評判もガタ落ちするんじゃあないか。」(残念なことに、今日ばっかりは貴方の完璧も狂うでしょう。何せ、【時計を買わない】と言った男から、【時計を買いたい】、なんて言われたんですから。)「出てこないなら適当に時計漁って帰るから。」(その手に持っていた、大人しい色合いの紙袋を適当な机に置けば、彼は貴方が出てこようがこまいが、壁に飾られた時計に目を向けることだろう。) (1/16 20:46:53)
外@時計師 > 「……殺す、殺さない。死ぬ、死なないだァなんて馬鹿馬鹿しい管轄でこのワタシが踊る?八ッッ!!!御冗談ッ!!そういうのはネ、胸に〝 肉で出来た時計 〟を携えた方々が宜しくやってればそれで良いンです。…アナタも他人の脈拍をメトロノーム代わりに足並み揃えてるようですが。」「…………──────嗚呼!」「もしかして、貴方の職場で『白衣』を着ている方多いのって『そういうコト(死装束)』ですか?!!?」「いやはやそれは〝 盲点〟でしたッ!」「〝 見たコトない〟ケド。」「ええ、ええ僭越ながらね、勿論今日も刻ませて頂きましたとも。『死に初めから、現在も尚、死に続けて今、どれぐらい経ったか』。記念日にでもしますか?毎日。」「あっ!記念日と言えば!」「そうです。」「本日はブラックデー。」「〝恋に負けた記念日 〟。」 (1/16 21:33:11)
外@時計師 > 「まさかアナタの口から出るだなんて。」「如何にも〝人間らしい 〟行事に、アナタもココロが踊っちゃったのかしら。」「心臓ないケド。」「お互いに。」「そもそも我々関係ないじゃないですか。」「それともなンです?」「誰かに『恋』でもしてたンです?」(スピーカーから皮肉っ垂れた声がする。『死』の概念から遥か遠い『機械仕掛けの調律師(カミサマ)』は、デウス・エクス・マキナよろしく高みの見物だとでも言うのか。あいもからわずの饒舌と話題の転換はまるで進みゆく時計の針のように。しかしそんな中でも尚、目まぐるしく回り、響かせるアラームと秒針の中で貴方もすくい上げたものがあった。) (1/16 21:33:35)
外@時計師 > 『待った、お前今……何語で……』『「喋った?」』(スピーカー越しで、言葉がハモったかと思えば、彼はクス、と小さく、それでもって得意げに笑う。)「中々上手いもンでしょう??」(その経緯や理由をわざわざ口にすることなんてないけれど、きっと貴方だってこの方が楽でしょう?せっかく携えた日本語で、こんなにもくだらない会話をしている間にも、彼の仕事は終わりがない。その証拠に『どうせ今日も時計を買わない』、そう信じ込んでいる彼は貴方を客としては見ていないのか、スピーカー越しからは絶え間なく、何かを漁る『物音』が聞こえる。)『今日は時計を買いに来たんだ。それなのに、見繕う店主がいないなんて評判もガタ落ちするんじゃあないか。』 (1/16 21:33:46)
外@時計師 > 「……アナタが時計を?一体何」「──────ッ゛あ???!!!」(ガラガラガッシャーーーーンッ!!!!!!!)(……〝何かが突如崩れる音 〟がスピーカー越しに響いた。)『出てこないなら適当に時計漁って帰るから。』「…………〝fuckYou……(嗚呼、クソッタレ) 〟。」(……まあ、気にせずそこで待ってるといい。彼は間もなく蓄音機のように花が咲いたスピーカーを切って、カツリコツリカツリコツリとそちらにやってくるはずだ。)(……………………なんか腕、取れてるけど。)(彼は不機嫌そうに左肩の関節付近をカコンッ、とはめなおし動作確認をしつつ、問い掛ける。) (1/16 21:33:58)
外@時計師 > 「…………………………まさかこのワタシを呼び出すための愚かしい『嘘』じゃあないことにかけて、一応お尋ねするのですが一体何を……………………」「嗚呼、少し待って。」(……否、問いかけようとしたところで。少し後ずさり右手で、とある【薔薇の装飾が施された〝 鏡のような〟壁掛け時計】に、触れる。)(カチリ、コチリ、カチリ、コチリ、) (1/16 21:34:13)
外@時計師 > (──────カチン。) (1/16 21:34:19)
外@時計師 > (そして、【自らの手で、その秒針を止めたのだ】)「……………………──────それで、………………嗚呼、そうそう。一体、『どんな時を刻み』『どのようなデザイン』の時計を、お探しで?それとそこに紙袋置きましたよね。〝 おとがしました〟。何置いたんです?変なもン押し付けるんじゃないでしょうね。」(後、彼は。きっと『何事もなく』貴方に向き直り、ようやくそこで、本題に入るのでしょう。) (1/16 21:34:21)
木靴下@カフカ > 「───────キモイ。」(『中々上手いもンでしょう??』)(そんな言葉に向けてカフカが返した言葉はそれだけだ。)(それもそのはず。だって、【変わらない完璧な貴方】だから、好意的。だったのだ。それは勿論貴方の個性である英語においてもそう。それが変わっちゃあ、カフカの興味は貴方から逸れるのも無理はない。)「ぺらぺらとよくもまあ、……相変わらずやかましい事で。」「お前こそ、なんで今になってそんな言葉使ってる?必要なんてなかっただろ。……面倒になったか?」(確かに、その経緯にカフカが興味なんてなければ聞きもしないだろう。……だけれど前述の通り、カフカにとっちゃ貴方の日本語はとっっっても【不評】のようだ。)(きっと見えも聞こえもしないだろうが、その尻尾を不機嫌に揺らしている。物に当たったら大変だが所詮貴方の店だと考えている失礼な点も少しくらいはあるだろう。)「それこそ────────《恋》でもしたか。…お前が。」(「完璧な時計が狂うのは案外早かったな?」……なんて、彼は皮肉たっぷりに言うのだ。) (1/16 22:07:31)
木靴下@カフカ > 「嘘?……なんで?ぼくがそんな【面倒】なこと、本気ですると思うのか?」「お前を引っ張り出すために嘘を吐くなら店を潰すって言った方が早いだろ。」(───────さて、話題は本筋に戻そう。カフカはここに時計を買いに来た。)(何故だろうか?持ってても所詮はがらくたになるもの。鉄クズになって捨てるのがお決まりのそれを何故買う気になったか。)「久し振りに、《生徒をとった》。…授業の時間を決めるから、手軽に見れる時計があれば便利だと思った。」「ぼくは君ほどでもないが、時間にはシビアでね。一分でも貴重なものなのさ。出来ればズレは避けたい。」(望むなら懐中時計。……もしくは腕時計かしら。)(きっと戦うこともある。できる限りは頑丈なものの方が良い。) (1/16 22:07:40)
木靴下@カフカ > 「残念ながらぼくにはセンスがないからねぇ。…デザインは君に任せ…………あー、そういえばお前目が見えないのかじゃあダメだな。」(その手のプロに頼めば自分が配慮せずに済んだと思ったが、残念な事に貴方にはデザインに必要な【瞳】がない。)(素晴らしい構図も、色彩も、【瞳】がなくちゃあ始まらない。……カフカは残念そうに息を吐いた。)「小鳥遊に強制されたブラックデーのプレゼントだよ。ぼくの御得意様がやってる店の機械の部品やら道具やらなんやらだ。要らなかったら捨てろ。ぼくだってあげたくてこんなクソ行事に手を出してるんじゃない。」(紙袋の中には黒の包装に包まれた歯車やらドライバーやら、まぁ随分と質のいい機械部品等が入っているだろう。……包装が黒だから、ブラックデーか。やっつけのような気がするあたり、本当に不本意なのだろう。)(貴方がそれを使うかどうかも、カフカにとっちゃあどうでもいいのだろう。) (1/16 22:07:42)
外@時計師 > 『──────キモイ』「はァァァ゛?????!!!!!!!」「コレ、アナタと同じ言語なンですケド????」「ワタシそもそもね、母国語は『ラテン語』なンですケド?????」(キリリ、カッシャーーーンッ!)(勿論その言葉は反感は買うでしょう。何がキモイんじゃ馬鹿、と言わんばかりである。そもそもこんな日本語を喋らないといけなくなったのは以下の通り。)「第1ッ!!!第1ねェッ!!!!!最ッッ………………………………近多いンですッ!!!!!わざわざこちらが日本語でタイプライターに〝 喋らせた〟ところでそれが読めない〝 残念な方達(馬鹿共)〟がッ!!!!!!ワタシはセンセイじゃあない…………いちいち教えるよりワタシが喋った方が早いとなりゃ喋れるに越したことはないんだよ不本意ながらになァァァ…………」 (1/16 22:54:21)
外@時計師 > 「それに。」「他国語喋れるだなンて正しく『完璧』でしょうに。」「次はなンです?韓国語でも中国語でもロシア語でもフランス語でもイタリア語でも──────…………………………」(まるで紅茶をいれるために熱々に沸かした湯のように、彼は捲し立てた。貴方に好かれようが嫌われようが、誰が死んで誰が生き延び、誰に嫌悪感を抱かれようがどうだっていい。きっとその表れが、貴方に罵倒されようが言語を変えないことなのでしょう。……しかしながらそれらを『不完全』だと思われるのは癪に障る。そもそも貴方だって、『ヒト』じゃあない癖に喋っているじゃないか。『日本語』を。)(……ともあれ。)(それはさておいてだ。)『それこそ────────《恋》でもしたか。…お前が。』「……………………〝 御冗談〟。」「ワタシ『は』してないですよ。」 (1/16 22:54:33)
外@時計師 > (彼は、貴方の問いかけに、ピタリと止まり口にする。もしかしたらその意味は『貴方はしてるかもしれないけど』ってな具合の皮肉だったのかもしれない。カコン、とややズレた肩を直しつつ、こちらほどではないが続けざまに紡がれる言葉に耳を傾けつつ、握りこぶしを作ったり広げたりしたのならば、動作に問題がないことを確認を。)(カタカタカタ、カタン。)(………………タイプライターは、相変わらず好き勝手に鳴り響く。)『久し振りに、《生徒をとった》。』「…………へェ?アナタがねェ。」『授業の時間を決めるから、手軽に見れる時計があれば便利だと思った。』 (1/16 22:54:41)
外@時計師 > 「一体何を教えるンです?………………ま、良いでしょ。ワタシの店を選んだのは、〝 アナタにしては〟良い判断だ。寸分違わぬ時計を作り、提供しましょ?」(あなたが先生とは珍しい。自らのことを棚に上げ、『お前みたいなやつが先生かよ』と言わんばかりに思わず鼻で笑う彼は、それでも『商売』だからと深入りを辞めてあっさりと了承するに違いない。)(勿論。)『残念ながらぼくにはセンスがないからねぇ。』「ホント残念ですよね。どうしたらそンな…………」(減らず口は無くならないけれど。)『あー、そういえばお前目が見えないのかじゃあダメだな。』(減らず口は無くならない、プライドは高い。人間性としていい所は何一つない。評価は絶対零度を切っていると言ったって良い。)(しかし、しかしだ。) (1/16 22:54:50)
外@時計師 > 「……………──────あら、アナタ。」(彼は、顔を上げる。)「この『完璧』な時計達を作るに当たって、ワタシがわざわざ『デザイナー』を雇っていると、お考えで?」(ならば何故彼が時計を作れてしまうのか。)「…………………………なぜだか『身体に染み付いてる』ンだ。」「ワタシは時計に見合う『在るべき形とデザイン』を。」「どこか根本で〝 染み付いている〟。」「【目が見えることこそ】が、むしろ煩わしいと思えるほどに。」【芸術×5】「…………………………アナタとそうじゃありません?」「〝 産まれ方〟なんて分からないのに『飢え』が身体に染み付いている。」「……………………しっかりと形を持って、そこに〝居る 〟ように。」 (1/16 22:55:05)
外@時計師 > 「──────さて、部品は有難く頂戴致しましょ!」「それと出来上がりは後日になります。」「12時半キッカリに。」「どうです?」 (1/16 22:55:07)
木靴下@カフカ > (かの有名な画家、ゴッホは【色覚異常】であったのではないかと噂をされているらしい。)(だが、そんな彼でも確かに《目で見て》描いたのだ。)(音で色が認識できるか?触感で紙に描いた形を識別できるか?)(彫刻も、絵画も、演劇も、《全身を使って作り上げる》ものである。手に触れ、耳で聞き、香りを感じて、何より《物を見る瞳》を使うことで作り上げられるもの。……貴方のそれは、果たして本当に【芸術】かしら?体に染み付いた、在るべきデザイン……それって、単なる【職人技】と【勘】じゃあないのかしら?)(それとも貴方は時間芸術がお好き?)(例えそうだったとしても。貴方の《良い耳》から聞き取れる情報にも限度があるでしょう。)「《目が見えることこそが煩わしい》…ねぇ。…………目から得られる情報が八割なんだが、お前のそれは…【見たくない】ってのとは、違うのかい。」(死は芸術を彩るが、貴方には失う命もないでしょう。)
「……そんなんじゃあ」
「──────────売れやしないよ。」
「いいかい。まずお前は客のニーズを知りなさい。他人を知りなさい。他人の目を奪う、《恋するような》印象深い【デザイン】を考えなさい。」(ものを買う時に時々使われる言葉ってもんを知ってるか。)(───────【一目惚れ】だよ。)(誰に、何を、なぜ、どうやって伝えたいか。)(貴方は時計を使って、何か、伝えたいことがあるかしら。)(機械的にただ作るだけなら、何も、【デザイン】なんて必要ないんじゃあないかしら。)(他人の心を掴みたいから、記憶に残って欲しいから、【デザイン】をするんじゃあないかしら。)「他人の心を揺るがして、魅了して、欲しがらせて、踏み込んだらこっちのものだ。売り付ければいい。それが商売だ。」「だが、お前は……本当に【そうでありたい】のか、疑問だがね。」(最初の踏み出し方だけを貴方に教えて、カフカはそうっと一歩、足を後ろへと向かわせた。)「だって、お前は商売に必要なもんを全部、《煩わしい》って言っているじゃあないか。」(そう、そこだ。)(ずっとずっと、〝矛盾〟しかないんだよ。)「商売は自分を良いように売ることだ。他人と歩幅を合わせることだ。お前の考えで独走するもんじゃあない。」「一人演劇がしたいなら、一人でいいんじゃないかね。完璧を乱されるのが嫌なら、〝店じまい〟した方がいいんじゃないのかね。」「なぁ、selbstzufrieden.(独りよがり)…。」「お前の時計作りは【仕事】か?…それとも【趣味】か?」「どっちもって言うなら〝やめとけ〟。」「趣味は自分の好きなことを全開でやれる。逆に仕事は、ある意味自分を押し殺さなきゃならない。……〝好きなことを仕事に〟なんて謳い文句もあるがね、所詮そんなもんはまやかしだよ。」「お前は今のところそのどっちも〝できてない〟。」(時計師、なんて名乗る以上。店主を名乗る以上。貴方は煩わしい人間共の相手をしなくちゃならない。ぎゃあぎゃあと口汚く罵れば客が減るから貴方はそうやって無理からに丁寧に喋ろうとしている。)(英語が理解されないから、仕方なく、日本語まで覚えて。)「仕事は自分のやることに責任を持たなきゃいけない。作る売る、接客の態度にしても、だ。今回の接客に関してはマイナスしかないしな。」(人ではないと言ってしまえばそれまでの話。…なら何故、調律する?直そうとする?時計を作る?)(貴方には、要らないものでしょう。)「それで……〝Perfekt〟?…Nein, nein.(いや、違う。)」「────── Ein sehr "ungeschickter" Mann.……。(まさに、「不器用」な男。)」(ではそれは趣味の領域に留めてはどうか、とも思うが、それも違う。)(君は一度でも、【自分の作りたい時計】、なんてものを作ったことはあるかい。…《在るべきデザイン》、なんて口にしている時点で、それは、【できてない】のと同じじゃあないか。)(……本当に。)「それってお前が本当にやりたいことか?」(楽しいかい。それは。)(なぁ。)
「もう一度聞こうか。」
「─────なんで店なんざしてる?」
「─────なんで時計なんか作る?」
「全ッッ然、〝向いてない〟けど。」
(これは、貴方に本当に必要なものかしら。)(これは、本当に貴方の大切なものかしら。)(貴方は客を歯車と言ったけれど、何も自立ができるなら、他人なんて必要ないじゃあありませんの。)「お前は結局、〝何がしたかった〟?」(誰かが狂っていると言っても、間違っていると言っても、【正しい】なんて、数学の中にしかない。貴方は時計の枠の中にいるから、それが理解できないのかもしれないけれど。)「お前は、〝何になりたかった〟?」(それでもそれを【YES】というのなら、この気色悪いほどの違和感は何かしら。)「お前は、〝何を見たかった〟?」(…………そう。)(ねぇ、貴方はご存知?)
「────君は今、 〝完璧(望んだもの)〟になれているかい?」
(芸術は、〝模範解答(完璧)〟ではないのよ。)
外@時計師 > 「……………………………──────〝 不思議〟ですよねェ?」「………………それでもね、【お客さん】がここには来るンです。」(彼は貴方の話を聞いた後、ゆっくり口を開き、笑みを作っては答えていた。太陽を模したピアスが陽の光に当てられキラリと光る。あなたの方に顔を向ける彼は、椅子に腰かけ、足を組みながらトントントントントントン、と指先を鳴らしつつ首を傾げた。)「…アナタ、〝面倒なこと 〟はお嫌いじゃあなかったカシラ。」「不快であれば、文句を垂れずに黙って時計回りに踵を返し、二度とこの場に〝 来なけりゃいい〟。」「ワタシは〝 一言でも貴方に来て欲しい〟とは、今の今まで頼んだことがないンです。」「 依頼ならば夜にでも話を〝 持ちかければいい〟。なのにわざわざ〝 ワタシ(昼)〟を〝選んでる 〟んです。〝 面倒〟だからじゃあないデショ?売り言葉に買い言葉、ワタシと話すことの方がそれこそアナタにとって、〝面倒 〟でしょうから。」「…………………ワタシのことが矛盾だらけだと、見ていて煩わしいと言うなれば。〝 もう見なければいい〟。」「…………………アナタご自分で仰ってますよねェ………………〝 どれだけ自分を必要としないか〟。……それが肝心なんでしょう?」「ワタシがその、『典型』だ。お手本通りでしょうが。」「…………………もう分かるでしょ。ワタシがアナタを必要としているんじゃあない。」「アナタ〝が 〟ワタシを必要として〝 勝手にここに来ている〟ンです。それこそ『矛盾』じゃあないですか。」「アナタ、………………ワタシに〝 どうして欲しい〟ンです?」「なんて答えて欲しいンです?」「…………………………なにを求めてるンです?薄い笑顔を浮かべて媚びへつらって、当たり障りのない回答をする型にハマった【完璧】ですか?」「それとも、歯車のズレた【人間性】ですか?」「そンなのワタシの〝 完璧(美学) 〟に反する。」「──────『芸術は自己をどれだけ表すか』にかかってるンですよ。」「ワタシはワタシを嫌いになるぐらいなら、周りの言う完璧になんてならなくったっていい。ワタシにとっての『完璧』でありたい。」「………………………………そしてその、ワタシにとっての完璧は………………『自分が自分であり続けること』だ。」「……………………【独走】で結構。」「⠀【文句があるなら出口は向こうだ】。」(……タイプライターは黙りこくっていた。否、キリリ、と何か話したそうなのを、彼が手で『止めている』。そのまま彼は、続けた。)「………………アナタ、面倒だから隊長になったンですか。いいえ、きっと………………〝 居(生)きたい〟から……………〝生まれることすら出来なかった 〟アナタは、居場所を求めてるのだと思っていました。だから人語を介し、だからヒトに従い、だから、………………ヒトの真似事をして、ヒトの形を必死に保って、……………………しまいにゃ誰かの〝先生 〟だァなんて。」「………………アナタ。」「…………怖いんだと思ってました。どうせヒトは嘘をつくし、裏切るし、『弱い』から。少しでも力を奮ったら、もうそこから『居なくなってしまう』から。」「……………………誰かが居なくちゃ『居る』とは言えない。誰かが居るから『居場所』ができる。」「…………………──────〝心配 〟なさらずとも。ワタシは独りでも、〝生きていけますよ 〟。」「……………………………………夜を知らなくったって目が見えなくったって、…………………………」「……………………………………生きていけていますとも。」「…………………………ねェ、過負荷………………いいえ、〝 可孵化 〟さん。」「………………………ワタシのことは『知らなくったって』生きていけましょう。」「…………………………用があるならまた『夜』にでもいらっしゃいな。逢いたくないならもう二度と、………………………………『ここには来ない方がいい』。」 (きっとこれが、これが『夜の彼』ならば、もっと違う返答が聞けた。彼の完璧は『自分を見失わないこと』なのだと。そう考えれば、彼の過度過ぎる自意識も、この接客態度にも合点が行くだろう。彼を『不完全』だと、『完璧』じゃあないというのは貴方………………それは自分の『理想』を押し付け過ぎだよ。じゃあなんでこの店が閉店せずに未だにここにあるのか。)(アトリエの秘密。)(クックロビンで最も『価値ある時計』が語る。)(彼もきっと、ここまで言えば貴方は昼間にはもう『来やしないだろう』と思っている。そもそも何故あなたがそうまでしてこちらに構ってくるのか分からない。だって1度たりとも『お願いワタシに気を向けて』なんて言ったことは無いのだから。出会ってからいつも出口の場所を、最初に『教えている』のだから。)(過度に〝 ヒト 〟がキライな彼。皮肉にも、彼はアナタを周りと同じく、『ヒト』として見ているらしくって。貴方の青色の瞳と後ろ背に、知らずの彼は何を思うか。)〆 (1/19 23:34:25)