風鈴@アルト > 「えーと、ここを奥に進んで左に曲がっていけば『クックロビン』があるって?」(夜の帳が下り、星のボタンで止めれば、月の明かりがギラついた街を照らす。独りぼっち取り残された入り組んだ路地裏。破れかけの地図を持って彷徨うグレーテルはヘンゼルも連れずに周りを見渡している。落とされていたパン屑はきっと小鳥さんに食べられてしまったのだろう。このままじゃ小枝の身体になってしまう。ぐぅーと鳴り出したお腹が、壊れた時計代わりになっていた。事の始まりは昼間のヒーロー活動としておばあさんの荷物を運んでいた時のこと。あと少しで家に着くというときに水溜りがあることを知らずに、車が通ったことによりおばあさんと荷物は庇えたけれど自分はずぶ濡れ。 (1/18 17:30:21)
風鈴@アルト > 母が就職祝いだとくれたスケルトンタイプで彫刻が施された金と黒の懐中時計が壊れてしまった。母から譲り受けたものだし、大事なものだからどうしようと悩んでいると【クックロビン】について教えてくれたのだ。話によれば寡黙だけれども腕がいい修理屋さんがいるのだと。服を乾かしてもらった上に地図まで貰ったにも関わらず未だ辿り着けないとは、自分はそこまで方向音痴だったか?とがっくりとしていると明かりが一つ道を指し示す。先ほどまで暗かったこともあって、まさかと思い走っていけばポツンと佇む時代遅れな小屋。なんて書いてあるか分からない文字はきっと看板なのだろう。何度も何度もおばあさんに貰った地図と見比べれば) (1/18 17:30:34)
風鈴@アルト > 「よ、よかったぁー……」(合っている。ここがクックロビンだと思うと先程まで緊張していたのか肩の力が抜けていく。これで懐中時計が治るかもしれない。ぎゅっと懐中時計と地図を握りしめれば)「お邪魔します」(扉を開く。カランカランと鳴り響くベルの音よりも驚いたのは《時計の量》であった。振り子時計に、鳩時計、懐中時計に、デジタル時計。ありとあらゆる時計が揃っていて小さな箱庭の中でチクタクチクタク脈をうっている。こんなにも時計を集めてどうするんだろと思ったが、クックロビンは時計屋だと思い出すと色んな人のために買うのかななんて思うのだ。物珍しさも相まってガラスで作られたと思われる振り子時計を聞きにいけばオルゴールの音色が鳴り始めて繊細な彼女も息づいているのだと思える。次に陽気な鳩時計。これはケルト洋楽のようなリズムを刻んで鳩と一緒に小人が踊っているのだ。遊園地に来たかのような気持ちになるのは仕方がないじゃないか。世界中探したってこんな場所中々見つからないだろう。だから、呼び止められるまで彼は夢中に"時計"を眺めていた) (1/18 17:30:42)
外@時計師 > 「……………………Must be a good watch. (いい時計だろう。)」(【───開演───】)(夜も深かった。今宵は三日月、星が黒のキャンパスに散りばめられていた日の事。)(それは貴方が〝 彼女〟に見惚れていた最中だったか。それとも数多の秒針の中、オルゴールが貴方の意識を攫っていた時だったか。突如 〝 カランコロン〟、と上の部屋から扉が空くような音が聞こえたことに気づくかもしれないりそこから伸びるのはヒトにしては細く、長い足。〝 カツン〟と1歩、舞台に上がる時のように前に出て、扉からぬっ…………と出てきた長身の影は、シルクハットを抑え、杖を持ちながら 後に、カツ、カツ、カツ、と秒針に合わせて階段を降りてきた。上記の言葉はまるで夜を纏ったような低い声色と言うが正しいか、控えめでこんな煩わしいアトリエとは思えない、『図書館』にいる時のよう。声色は決して大きくはない、そのはずなのに。オルゴールに向けていたように、貴方がこちらに意識を向けてくれたのならば、きっとカタカタカタ、とタイプライターの音ともに聞こえてくるに違いない。) (1/18 19:14:39)
外@時計師 > 「… She's more than your pocket book can buy. (……キミの小遣いじゃあ、〝彼女 〟は到底買えやしない代物さ。)」(灯りがやや心許無く、少しばかり薄暗い部屋が貴方にとってもう少し明瞭に見えますように。パチリパチリと電気をつけながら下に降りては、貴方の前までやってくる。その身長差実に30センチ程。男はタイプライターを鳴らしながら貴方に言葉をつむぎ、短い文面が綴られた紙を丁寧に手渡した。)「…………Hey, kid.……My mom will be worried if I go out alone at this time of night.( なァ、〝 ボク〟。こんな時間に出歩いちゃあ、ママが心配するんじゃないか。)」「…………I don't mind if you're naughty.………Also, if you're going in, clean the mud off your shoes. (それと。ヤンチャなのは結構だが、…………もしもこのアトリエに入るのならば、靴の泥はしっかりと落としてくることだ。)」「Okay……?(いいね。)」 ( 腕を軽く組み、まるで諭すように〝綺麗好き 〟は『若く元気な拍動』を鳴らす貴方に投げかけた。まずはしっかりと玄関先にあったマットで靴の泥を落として欲しいのだと。それが君にはできるかしら。) (1/18 19:14:42)
風鈴@アルト > 「へっ!?」(オルゴールに魅了されているとどこからかカタカタとタイプライターの音と、コツコツと階段を下り何語か分からない言葉を話している人が降りてきた。その人は普段見る自動販売機よりも大きくて、自分の身長を軽く超えてくるのだ。しかも、人間だと思っていたけれどタイプライターが身体についているじゃないか。騒がしいはずの空間が主人が来たことにより一気に静まり返りまるで深夜を連想させる)「かの、じょ?……あぁ、時計か」(彼女だと言われて最初は気づかなかったけれど、硝子細工の時計についてだと分かると確かにと思った。まだ就職したばかりの自分では明らかにオーダーメイドだと思われる時計を買うことは出来ないだろう。初恋ほど実らないものはない。あの子は金ピカな指輪をつけた金持ちに買われてしまうのだろう。高嶺の花とは今の状況を言うんだなと学校で学んでいた時よりも学習をしたのだ。未だなんの言葉を語っているのか分からない男は、諦めさせるかのように短いラブレターを渡すのだ) (1/18 19:46:26)
風鈴@アルト > 「お、俺様はもう18だから大人なんだぞっ!!……つ、土に関しては申し訳ないけど、でも、ちゃんと用事があってきたんだっ!」(子ども扱いをされて腹が立つが、それを阻止するかのように土について言われると少しだけ恥をかく。だって仕方がないじゃん。こんなにも珍しい時計があったら誰だって見たくなるだろ。素敵な時計ばかりしかないのだから。綺麗好きな貴方に急かされるように、玄関先に置いてけぼりにされたマットで土を落としていく。でも、間違えないで欲しい。ただ遊びで冷やかしに来た子どもではないんだ。ここには用事があってきたんだって口にする。ちゃんと土が落ちたかなと確認したあと、急ぐように貴方のところへとゆけば) (1/18 19:46:41)
風鈴@アルト > 「あのな、あのな!俺様な、かあちゃんから譲り受けた懐中時計があるんだけど、つい壊しちまったんだ……。壊すつもりはなかったんだぜ!?ここに来たらおばあさんが直ると言ってたから……大丈夫そうか?」(30cmもあり、明らかに人ではない貴方が怖くないのか少年はポケットから、歯車など内部が見えるスケルトンタイプで彫刻が施された金と黒の懐中時計を貴方に見せる。外傷は見られないが、よくよく見れば水滴がついているだろう。時計には詳しくないアルトだが、水はダメなことぐらいは分かっていたつもりだが咄嗟なことには対応が出来なかった。もう夜だって遅いからきっと貴方に断られてしまったら、次の時計屋さんは眠りについてしまっている。幾らかかるかまでは分からないけれど、直るならばなんでもするつもりでいるんだ。それぐらい大事な時計なんだ。口では語りはしないが、目は不安と真剣そのもので貴方の返事を待ち) (1/18 19:46:49)
外@時計師 > 「…………………………So、……………… you've only had about 18 birthdays since you were born.(つまり、…………君は生まれてから18回程しか誕生日を迎えていないわけだ。)」「That's 8,401 days.(日は8,401日。)」「Minutes: 12,097,918.(時間に換算すれば201,631時間。)」「Minutes: 12,097,918.(分数12,097,918分。)」「In seconds, it's only been 725,875,080 seconds. (秒数ならばたかだか725,875,080秒しか経っていない。)」(彼は貴方の年齢を聞いたのならば、靴を拭っている後ろ背に対し淡々と貴方の『今の今まで、生き続けている時間』を述べた。〝 たかだか18年〟。彼に取っちゃあ秒針があっという間にくるりと進むように、『一瞬』だ。)(それでも。) (1/18 20:25:12)
外@時計師 > 「………......... You don't have to be so tall, your body will age well even if you don't want it to.(そんなに背伸びする必要ないさ、嫌でも身体だけはしっかりと老いてくれる。)」(彼は述べた。そんなに焦る必要は無いのだと。)「The number of such people has increased recently.(そういう輩が、……最近は〝多い 〟だろう?〝 可愛らしいこと 〟に。)」(嗚呼、もちろん『皮肉』さ。最近は『身体だけが大きい赤ん坊』のような奴らばかりだと。別に嘆いちゃいない。悲観もしていない。……ただほら、……なんというか。) (1/18 20:25:20)
外@時計師 > (……──────ともあれ、それはさておいて。彼はあなたがしっかりと泥を拭ってこちらにやってきたのならば。)「……Good boy. (いい子だ坊や。)」(と一言零す。さて、要件を聞こうじゃないかと。惚れた時計は貴方のお小遣いじゃ届かない。ここにある時計は全てがハンドメイド。工場のベルトコンベアから永遠と出てくる代物とは訳が違う。貴方が見惚れた彼女だって、そうさ。きっと指輪が似合う金持ちに買われてしまうんだ。〝 大人〟になったらまた来るといい。)『あのな、あのな!俺様な、かあちゃんから譲り受けた懐中時計があるんだけど、つい壊しちまったんだ……。壊すつもりはなかったんだぜ!?ここに来たらおばあさんが直ると言ってたから……大丈夫そうか?』 (1/18 20:25:26)
外@時計師 > 「…………………………Well, that's true. No one goes to the trouble of repairing a watch that has been broken with the intention of breaking it.(そりゃあそうだ。壊すつもりで壊した時計を、わざわざ修理に出す紳士はいないよ)」「………………I can fix .................., but I have one condition. Listen, kid. I'm ......... blind. So you have to listen carefully. When it comes to repairs, your loud voice will make it impossible to fix what can be fixed.(そうだな。それと。……直せには直せるけれど、1つ条件がある。いいか坊や。………ワタシは目が見えない。だからよく聞かなければならないんだ。修理の時、キミの〝元気すぎる声 〟で喋られると直せるものも直せなくなる。 ) 」 (1/18 20:25:39)
外@時計師 > (彼はあなたから時計を受け取ったのならば、狂い、1度死んだ秒針に触れるよう軽く蓋を開け、軽く調べた。そして、修理の前に釘を指すに違いない。まず、その声をどうにかしろと。何も喋るなとも、息を止めろとも言っちゃいない。……きっとこれが昼間ならば真っ向から『うるせえクソガキ喋んじゃねえ部品に組み込まれてえのか』と言われていたろうに。運が少し、いいのかもね。) (1/18 20:25:41)
風鈴@アルト > 「なんか、すげぇ……難しいこというなオマエ」(分からないことばかりだが、要はまだ18歳なのに背伸びをするなと言われた。もう18歳だと思っても彼にとってはまだまだ赤ちゃんのように若いらしい。皮肉だと分からずに、唇を尖らせて不満そうに言う。難しいことはわからないけど、ヒーローの時間は短い。特撮だったら一年しかスポットライトが当たらない。ヒーローはすぐに"死んでしまう"。だから、早く生きなきゃいけないんだ。流星の如く登場し、誰にも知られずに去っていく。そうやって生きられたならば少しはヒーローに近づくのかもしれない)「めっっっちゃ子ども扱いするな!」(いい子だねなんて褒められちゃヒーローが遠のいてしまうじゃないか。ヒーローでありたいのに貴方はすぐに"アルト・ロベルト"に戻そうとする。そのことが恥ずかしくってむず痒くってなんとも言えない感情に侵されるのだ。ヒーローは褒められはするかもしれないが、そんな子どもじみたものではない。いつか本物のヒーローになったとき、ガラスのあの子がいたら買いに行ってもいいかな) (1/18 20:43:04)
風鈴@アルト > 「そ、そうなのか???じゃあ、黙っておくよ。ウロウロとしないようにする。ただ!できるまでここに居させてもらうからな!」(目が見えないのだと言われるとキョトンとするが、確かにそうだよなと納得をしてしまった。だって貴方の目は布で隠されていたのだから。でも、目が見えないのにどうやって直すのか。それは音だと気づくのはやっぱり貴方の発言からだ。声だけで全ての部品を見分けつけるだなんて自分にはできないことだ。すごいと素直に尊敬する。貴方はまさしく時計のヒーロー。自分も誰かのヒーローになれやしないのかな。いや、ならなくちゃいけないんだ。ただ、一つお願いがあるとすれば戻るといつ会えるか分からないからせめて夜が明けるまで店にいることを許して欲しい。チクタクと脈を打つ時計に混じってドクンと脈打つ心臓の音色は、時計が治るまで止むことはないのだろう)〆 (1/18 20:43:11)