レイ・ラベット > [_____植物棟。大きな温室のようになっているその、箱の中で。じぃ、と色とりどりのお花を見つめる、ふたつの眸がありました。その翠の瞳の少年に、庭師を担当している局員が声をかけたのは、きっと彼が、あまりにも困ったような顔をしていたからでしょう。]『______あ....えと。こんにちは。.....』[花を盗むと思われていたらたいへんですから、少年はすぐに、目の前のばらから手を離して、恥ずかしそうにうつむきます。どうしたの、と聴かれれば]『....あの、くろいおはなも、あるんだなって....』[少年は答えるのでした。庭師さんはすぐに合点がいったように、「ああ、ブラックデー?」と聴き、膝を折って少年と同じ目線になると、誰にあげたいの、と尋ねてくれました。]『....だいすきなひとたちに。』 (1/19 17:12:02)
レイ・ラベット > [庭師はそれに答えます。黒い花なんて縁起が悪いからと、普通は見向きもされないんだって、気に入ってくれたなら、持っていっていいよ、なんて嬉しそうに言いながら、はさみを手に持ち。]『......いいんですかっ?』[それから、それから。少年は庭師さんにもらったクロユリを、コールさんのおへやに。黒いクローバーを、しのちゃんのおへやに。それぞれ、こっそりと置いたのでした。庭師さんは、言っていました。『怖い花言葉もあるなんて言われているけれど、それだけじゃあないんだ。こっそり贈って、それを手にとってくれたら恋が叶うなんて言い伝えも、この花にはあるんだよ。』______はてさて。]〆 (1/19 17:12:05)