エスト&時計師

エスト・レゼルヴァ> 
「……よ、」(君が廊下に出ると彼女は壁に寄り掛かり不良顔負けの屈み方で腰を下ろしていた。まるで何かを待っていたかの様に。誰かと待ち合わせしている様に見えたんなら間違いじゃ無い。君を待っていたんだ。特段会う約束なんてしていた訳でもないが、彼女は君を待っていた。本当はもっと前から君の事を認識しては居たが、話し掛けるタイミングを失いのそのそと君を遠くから追って、君がこの部屋に入り、そして出てくるまでこうして待っていたと言う事だ。にしても、体勢的にはコンビニ前でたむろするヤンキーの様な状態で腰を下ろしていると言うのに、彼女は君を見下している。無理も無い、彼女に人間基準のこの建物は余りに狭過ぎるのだ。故に、人間基準の君もまた、ちょっと値の張るぬいぐるみくらいの大きさに見えてしまうんだ。)「お前、今日が何の日かは知ってるだろ?」(ふんっと得意げな笑みを漏らして立ち上がりサイズ感を控えめにする為に原始人の如く身体を猫背に丸めてのっしのっしと隣を歩こうとする。言うまでも無い、時を刻み続ける君は今日が何の日かなんて当たり前に理解している事だろう。そして、彼女が時計塔の“黒”兎と呼ばれていたその所以も。)   (1/19 21:12:53)


外@時計師> 
(ガチャコン、チリンチリン──────……)(そう、きっと間もなく扉の開く音が聞こえることでしょうね。貴方の目論見通りに。チクタクチクタク鳴り響く秒針の音を背景に、出てきた物はサンタもビックリ暦の玩具。背の高い帽子は貴方も見慣れていることだろう。寧ろその姿を、今か今かと貴方は待ち望んで居たのだから。)『……よ、』『お前、今日が何の日かは知ってるだろ?』(開口一番、貴方はのしりと隣に鎮座し、何か〝言って欲しそう 〟に、こちらに問いを投げかける。彼は依然として姿勢よく、秒針と同じタイミングでカツンコツンカツンコツン、カチ、コチ、カチ……と進める歩幅と杖の音を緩める素振りは見せやしない。しかし貴方の声はしっかりと聞こえているようで………………)「……………………あ゛ーーーーーー…………………………」「YES!OFF course!!!(勿論!!!)」(その証拠に、カチャコーンッ!……タイプライターが、〝 鳴り響いた〟。)「SO………………………………to、Day.……WEDNESDAYYY………………」(それが合図だったのか、誰かさんとの特訓で、やたらと流暢になった日本語で、彼は貴方に言葉をつむぎ始めることだろう。)「…………………ええ、そう、何を隠そう今日は〝 灰の水曜日〟!!!!!」「 古代バビロニアの占星術、所謂暦では水曜日は確か『水星を司る』神様が5時~6時までを支配するのだとかァァァ………………」「それとも何カシラ?向かいのパン屋の息子の誕生日ィ?」「プラスチックゴミの日?確か去年の5月26日の〝水曜日 〟は皆既月食の日でしたねェ~~~ンン?」(曲がり角を曲がり、ハンガーラックに上衣を掛けては彼はネクタイの位置を整える。)「………………はァァァァァァァァァァ……………………Mrsラビット………まさかとは思うのですが、ワタシが材料を買いに赤い屋根の工具店に立ち寄った20分14秒64 から今の今までついてきていたとは、言いませんよね?…………そもそもアナタ、ここに入ってくる前には身嗜みを整え、マットで足の泥はしっかりと落として来ましたか?」「というか最近ちゃんとお風呂には入ってます??獣さんはほらよくちいちゃなちいちゃな『オトモダチ』を連れてくるでしょう?ウフフッ♡♡………………はァ゛~~~~~~~~~~~~~~~…………………………………Give me a break.……………………(本当に勘弁してくれ)。」(昼間はずーーーーーっとこんな調子。一応声色の愛想は良いが言っていることは失礼極まりない。だってわざわざ今日は何の日かも外してかかる始末だもの。必要物品を作業台にドサリと載せた彼は、貴方のことなんて気にしないと言わんばかりに椅子に座ってしまった。)   (1/19 21:43:30)


エスト・レゼルヴァ> 
「そらノミだってお前みたいなのとは友達になれねえだろうけどな。……いや、そもそもお前に友達が居た試しがあったか?」(彼女はむっとする、失礼極まりない、と思っていた過去の君より失礼を極めている。もはや底が知れないし計り知れないし空いた口もさぞ塞がらない、ない、ない、ない、の三拍子をトントン拍子に踏ませた君はまるでそのリズムに酔っている様だ。嫌味を言われて気分が良くなる輩は居ない、少なくとも此処には。いや、アンタはどうか知らないけど、そもそも興味も無いのだろうけど、)  「なぁぁぁぁ…私がそんな小難しい記念日だかなんだか分からんモノをわざわざお前に伝えにくると本気で思ってるわけじゃあないだろう!?“ヤァ ミスター!今日は古代オセアニアの宣伝術でパイが安い水曜日だぜ!”なんて言いに来た事あったかよォ… モールで黒ゴマソフトクリームとかブラックコーヒーとバタースコッチとか嗜もうって言ってんだよォ…」(いつまで経っても構ってくれない君にトントントントンと爪先で地面を叩いて耐えていた彼女も遂には耐え兼ねて君の作業台やら君本体やらまとめて覆い被さる様にぐでぇぇんとそのデカい体でもたれ掛かってぐでんぐでんと左右に身体を揺らして駄々を捏ねる。ついでにそのちみっちゃいお友達とやらもお裾分けしてやる。居るかどうかわかんないけど、良かったな、これで一緒にバスケットコートで恋バナとかする相手が出来たわけだ。)   (1/19 22:01:33)


外@時計師> 
『そらノミだってお前みたいなのとは友達になれねえだろうけどな。……いや、そもそもお前に友達が居た試しがあったか?』「趣味に反する〝アクセサリー 〟は付けないのがワタシの美学でしてェェ……………………おっと!こんなところにあったんですねェワタシの予備のネジ!!探してたんですよう!」(彼は鼻で笑ったのならば皮肉っ垂れた言葉をもう1つ。昼間はいつだって嫌な奴。話を聞かずに永遠時計を作ってる。『夜に比べたら』なんてのは良く言ったもんで、あなたが言うようにこの性分。『友達なんて出来たことすらない』。)(そんなことは気にしちゃいないのか、彼はネジが手先に当たったのか、それを見つけたのならば、嬉しそうに引き出しにしまう。それからカタン、コトン、……今から作る時計のために、鞄から取り出すはまずは完璧な配置にピンセット、歯車、秒針、肩、レンチ………………バネ、そして……………………)(ぐでーーーーーっ………………と溶けた……)『なぁぁぁぁ…私がそんな小難しい記念日だかなんだか分からんモノをわざわざお前に伝えにくると本気で思ってるわけじゃあないだろう!?』(………………ウサギ。)「…………、……」「 ............... ...ッッ゛~~~~~~~~~~ !!!! い゛ッッッッ………………やも゛ォ゛ォォォ~~~~~~~~~~ッ゛!!!!!!本ッッッッ………………当ッ!!!アナタ邪魔だなァァァッ?!?!?!?!そこ!!!!ワタシのッ!!!!作業台な゛ンですけどオオオオオォッ?!?!?!時計の部品にでもされたいんですかね゛エエエエェ………………????!!!!」(案の定怒った。彼は耐えかねたように 深い深いため息を着いて天を仰ぐ。深く持たれかかった椅子はキィ、と虚しく鳴り響いた。)「ハイハイハイハイハイ知ってますよ今日はなんの日でアナタが何故『ここに来たのか』。」「今日は『ブラックデー』……………………浮かれた花畑チャンがイベントに乗じてプレゼントを送るンですよォ大切なヒトにィ゛ィ………………」(姿勢を戻した彼は、未だそこにいる貴方に〝 ぴっぴっぴ、ほらさっさと退く〟と呟きながら、もす、もす、もす、と工具の先で軽くアナタをつつくかもしれない。そして、キリカッシャーン………………1つ、問いかけることでしょう。)「……………………〝 御相手〟は見つかったンです?」   (1/19 22:24:24)


エスト・レゼルヴァ> 
「んがっ、やめろ!変な所を突くな!」(彼女は君がやっと構ってくれて上機嫌だったが工具でつんつんっと突かれればくすぐったそうに飛び退くだろう。友達が居ないのはお互い様だ。いくら殉職率の高いこの職場であっても皆が皆、着物座ったイカれ野郎という訳じゃあ無い。だからこそこんなデカブツの相手をするのはきっと後にも先にも君くらいのものだろう。怖いもの知らずどころか他人に興味の無い君にとって彼女だろうが他人だろうがデカかろうが小さかろうが分別無く客か邪魔かの二択でしか無いはずだ。ならばこそ、デカいバケモノとしてではなく他の全てと同じように扱ってくれる君の側は居心地が良かった。) 「それは嫌味か?それとも気を遣ったのか?何にしろ私もお前以外に相手なんて居ない。だからさっさとコートを着ろよ色男、私は着せ替え人形で遊ぶ趣味は無いんだ。」(居心地の良い理由はもう一つ、君には一切の気を使う必要がないのだ。傷付くかどうかまではわからないがそもそも他人に興味を抱かない君になら嫌われる必要は無いから小難しい事を考えずに済む。だって君は人を嫌う嫌わない以前の問題なのだから。色んなものが足りない者同士、仲良く肩を組んでやりゃあいい。兎にも角にもやはり彼女はお出掛けしたい気分らしい。祭り事とはよっぽどの理由が無い限り誰でも平等に訪れる物だ。“こんな姿になってしまって”もなお人間の女として楽しめるこの行事を逃す手はないのだ。)   (1/19 22:41:06)


外@時計師> 
「………………あのね。ワタシは勿論独りだって難なく稼働が可能ですがァ゛ァァァァァ………………」「見た目に相反して寂しがり屋さんなアナタはそうもいかないでしょう。………………だから何度も言ってるじゃあありませんか。『御友人』を作ったらどうカシラ??って。じゃなくちゃあ一体なんのために…………………………」「………………………………………………」「……………、…………まあ、とにかく。」「……………………………アナタの今は、お人形さん遊びとそう変わらない……………やはり〝 生き物 〟はお嫌いですか?」(勢いよく退けた貴方に、〝 Good(宜しい)〟と頷いた彼は、小気味のいい歯車の音や機械音を鳴らし、『調律』を開始する。設計図を編んだって分かりやしないから、音階をなぞるように感覚を辿って、指先を滑らすように。その間貴方に問いかけるのは、〝人間関係 〟の話だ。)(夜、『何があったかは知らないが』…………少なくとも貴方にゃ魔法がかかっているじゃあないか。それなのに何故、わざわざ昼間を選ぶのか。……それをわざわざ口にすることはなく、代わりに持ちかけた問いかけは『今の状況下』。アナタと初めて出会った時にゃあどこの枠組みにも属さない監視対象。貴方がこうしてヒトの指示に従うようになったのはついこの間のことように、……いや、或いはずっと前だったか。クックロビンに立ち寄っては、性懲りなく誘いかける様子に呆れながらも会話を交わすのにも大分慣れてきた。彼は依然として立ち上がる様子もなく、……)「………………それはあくまでも『肉の時計』を持っている方々がやる行事でワタシはね、もうそりゃ山のように仕事がある訳です…………え、待ってそもそも今から行くんじゃあないでしょうね??昼間から????」(しかし、確認がてら思わず手を止めて問いかけた。失礼のないように……)「アナタこそ、〝その格好 〟で行くのです?そのもふもふとした…………」「……………………………………ええーーーっと…………………………」「愛らしい、〝 うさちゃん〟?」(言葉を少し、選んでね。)   (1/19 23:03:32)