翠緑@鮫々 夜>
「...あ"〜...そうだな。やはりこの組織は頭がおかしい。そうは思わないか..?」先に話したのは彼女だった。保護サイトの廊下。彼女らは歩いていた。続く、彼女のファーストコンタクト。「いやだって。君はともかく私はただの雑用だぞ?...調査班なんて体ではあるがね。カミサマ連中に色仕掛けが聞くならば私も黙るかもしれなかったが...〝今回〟のやつには...効いたとしても魅入って欲しくないからね。見て欲しくもないさ。物理的なことしか行動ができず、その上に...シキガミでもない。あぁ...全く。こんな所で発狂なんてしてみろ。未婚女性にとっては......致命的だ。」いや。これはコンタクトと言うよりかは、もはや説法の類に近かった。彼女は会話なんてする気がないのだ。ただ目的地へ移動する。今回の調査対象の待つその場所への移動時間の単なる暇つぶしだったのだ。その証拠に彼女は相手の返事を聞かずとも「あぁ。恐ろしい恐ろしい...わかっちゃいるがどうも...キチガイの類にだけはなりたくないもんだよ。」だなんて言葉を並べては足を進めていた。 (1/19 21:22:02)
木靴下@ヨモギ>
(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……………………。)(……カフカからの回答は、【無し】である。)(というより、普段の雰囲気よりピリピリしているようにも感じる。)(というかうるさい。貴方が。煩わしくて仕方がなくて、カフカはあからさまに顔を顰めている。)「お前が変わりに収容施設にぶち込まれればいいのにな。」(そうすれば研究はなかったことにならないだろうか。)(感覚の過敏な彼にとっては、見られる、ということに何らかしらの不快感があるのかもしれない。……それが嫌で、今日は不機嫌なのかもしれないが。)「どうせ今日は収容されてるやつとガラス越しに会話するだけだろ。気にしなきゃいいんだ。」(SUK_6720_JPNは認識することによってその効果を発揮するカミサマだ。つまるところ、それに気付かなければいい。見えなければいないのと一緒だ。)(だるそうに猫背でのそのそと重たく歩きながら、収容施設のところまで歩いた。)(───────が。)(────────────ドンッ!!!)(その収容施設の内側から強い音がした。何かを叩く音。)(壁だろうか?それとも床?何を叩いているのだろう。)(────────ドンッ!!!)(再び聞こえた。どうやら一定のリズムでなっているようだ。)(───────ドチュッ!!)(……音に、何か粘液質な音が混じり始める。一体、中で何が起きているのだろうか。)「………………なぁ、一足先に中のヤツがイカれたんじゃあないのか。」(……ガリ、ガリ……ガリガリガリ…ガリ、ガリ…ガリ……ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリッッッ!!)(……音は悪化していく。呻き声はさらに醜く歪んでいく。)(出して。出して。出して。出して。出して。出して。出して出して出して出して出してッッッ!!!)(────────────目が見てくるッッッ!!!!)(…………コンクリート製の収容施設の中では何が起きているのでしょう。その言葉を聞き届けたのは、カフカと貴方だけかしら。中身はまだかろうじて生きているようだけど、まともな会話ができるかしらね?) (1/19 21:49:13)
翠緑@鮫々 夜>
『お前が変わりに収容施設にぶち込まれればいいのにな。』暴言。「そんときは毎日来ておくれよ。退屈すぎて気が狂ってしまうからね。」それを躱すような適当な言葉。ここでの会話に意味なんてなかった。ちょうど、例のカミサマの場所に着いた頃には風で揺れる柳のような会話もなりを潜めていた。だが、それは決して静寂になった、という訳ではなかった。忽然として、ドンッ...!!と、鈍い、薄やわらかい...それこそゴムだか肉だかで叩かれたような音が混凝土の向こうから聞こえてきた。その音は、もう一度、鈍く、だが今度はさっきよりも柔らかい、もっと形容すれば...粘性の高い音へと変わっていった。__音はまだまだやまなかった。続く続く、頭の中に響く肉とソースが混ざる時の咀嚼音のような音。音が聞こえてくるのは確かに混凝土の向こう側。だがしかし、そのなんとも言えぬ音は明らかに肉と皮と、血液。見えないはずのグロテスクな風景を思い描くには事足りていた。『………………なぁ、一足先に中のヤツがイカれたんじゃあないのか。』「さぁね。存外に僕らが青年か呉一郎なのかもしれない。...自分の名前と正体だけは見紛うことはないようにね。」ガリガリと壁を一心不乱に掻きむしるような音とその後の〔出して。出して。出して。出して。出して。出して。出して出して出して出して出してッッッ!!!〕〔────────────目が見てくるッッッ!!!!〕なんて言う凄惨たる絶叫。そこにあるのは、カミでも、自然でも、動物でも、兵器でもない。人間という未熟な精神が引き起こした醜く、おぞましい成れの果てであった。彼女はただ、一呼吸、肺に満ちるか満たないか。それすらも分からぬくらいに浅く吸っては未だにその事象に引き込まれて止まってしまいそうな呼吸を再開した。「...さて。どうする。ドグラ・マグラならば、一度寝ていただろうが...そうもいかない。資料によれば、認識者が居なくなればまた1人必要らしいからね。中の彼を煽れば...最悪、私か君のどちらかが、あの立方体の棺桶で眠ることになる。」彼女はそう言いながら、急遽ながらにもペアとなった隣の彼女の意見を仰いだ。 (1/19 22:23:11)
木靴下@カフカ>
「…………………………さて、どうだろう。」(カフカは何かを考えるようにして。しかし、それは決して口に出さないまま暈すように言葉を続けた。)「もし入るならぼくじゃなくて君だろうね。立場的に。……ぼくこれでも、四番の隊長やってるわけだし。」(過酷と名高い四番小隊。現段階で表に出ている所属員は全員【シキガミ】。それを纏めあげるのが、過負荷の《カフカ》。隊員と同様、シキガミである。)(まぁ別に、隊長補佐もいることだ。変わりはいくらだって湧き出るかもしれない。)「冗談はさておき……流石に優秀なコード所有の研究員をおいそれと捨てる訳には行かないだろ。…中のヤツも【奴隷階級】だったって聞く。そっから引っ張り出されるからいいんじゃあねぇのか。……ぼくらが認識しない限りは、な。」(やることは中のヤツのメンタルをある程度回復させることと、SUK_6720_JPNを認識しないよう注意することだろう。)(それを了承するとカフカは貴方より一足先に収容施設の扉を開いて中へと入ることだろう。)〔あ゛……あ゛……あ゛ァ………………ど、うもぉ……研究員さぁん…………〕(案の定か。)(その頭からどろどろと真っ赤な血を流しているのは特徴的な長耳の少年だ。)(先程までコンクリート製の壁を引っ掻いていたのか、その指先は爪が剥がれ、ぼろぼろになっている。)(顔には泣いた跡が目立つ。綺麗な顔なのに、あらゆる液体でぐちゃぐちゃで、酷く醜かった。)〔みえるぅ……みえるんですぅ…………目が、視線が、いっぱい…いっぱい…………ずっとみてくる……こわいんです。たすけて……。〕(ガラス越しに悲痛な声で涙を流しながら、縋るように少年は続けている。真っ赤な血がべたべたとガラス越しについていって、なんとも気味が悪い。)(良心のある人ならば、見ていていい光景ではないだろうね。)「………………なんで子供を収容してるんだよ…めんどくさい……。」(…………この化け物にゃあそんなのは関係ないでしょう。)(考えることだって、子供の相手は苦手だから貴方に任せると言った感じでしかない。良心は無いのか。…いや、無いか。結構昔から。)「君がなんか会話してやれよ。ぼくお喋り嫌い。」(全部貴方に擦り付けて収容施設の壁にもたれ掛かる辺り、彼に仕事をするやる気というのは無いのだろう。) (1/19 22:47:47)
翠緑@鮫々 夜>
「まぁ。私は認識しても構わないがね。...この体ひとつで足りるなら上等というものだよ。最も死にたい訳でも発狂したい訳でもないが。」そんなことをボヤきながら彼女も後に続いて収容施設へと入っていった。〔あ゛……あ゛……あ゛ァ………………ど、うもぉ……研究員さぁん…………〕中にいたのは子供であった。特徴的な耳と、その崩壊的なコンディションでなければ容姿端麗という言葉ではあまりにも足りないくらいの顔。ルクレルクの子のようだった。〔みえるぅ……みえるんですぅ…………目が、視線が、いっぱい…いっぱい…………ずっとみてくる……こわいんです。たすけて……。〕だなんて、先程の狂乱から物理的に頭に登っていた血が抜けたのだろう。少しくらいは会話になりそうな様子だった。彼女は先程先陣を切った彼にそのことを話そうとしたが、「おい。この子。まだちょっとは正気らし...」 『君がなんか会話してやれよ。ぼくお喋り嫌い。』と先手を取るように言われてしまっては、こちらも巫山戯ることのできる隙間がなく、ただ「分かったよ。私が認識したら、記憶を消すくらいは頼んだよ。」と言って職務を全うするしかなくなってしまった。彼女はふっと、目を少しだけ閉じて、口の中の肉を噛んだ。そうして、1秒も満たぬ間に、その両目を強く強く見開き、ガラス越しの子供へ話し出した。「あー。ボーイ。私もできることなら、そこから出してやりたい。出してやりたいんだがね...。いかんせん、後ろに居座る強情な子供が嫌だと言うんでね。」肩を竦めて、苦笑い。少年からすれば、自分がこんなにも狂騒しているというのに、いかにも憎たらしく面白くもなんともない言葉を並べる彼女のことはあまりいいとは思えないかもしれない。「だが。私が、〝そちらに行く〟ことはできる。君よりもよっぽどか頼れるこの私がね。1人で孤独にその空間に居るよりかはよっぽどマシだろうよ。そしてそのためには...条件があるんだ。条件だよ。それが満たせなきゃ僕はそちら側には行けないからね。それはだね。そこに何があるか。それを教える事だよ。それだけでいいんだ。...なあ、君。さっき言ってたね。目がいっぱいだとか、視線がいっぱいだとか。それは今もそうかい...?あぁ。大丈夫。口に出すのも怖いだろう。ただ頷くか首を振ってくれればいいんだ。」と。彼女はなんの淀みも、また躊躇いもなく。言い切った。もしカフカがこれを聞いていればすぐにわかることだろう。今子供と話している彼女が例のアレを、認識しようとしていることを。 (1/19 23:32:30)