風鈴@α-007>
『ナギはお魚好きですか?』(巨大な青に包まれた世界。薄暗く魚らしき者たちが自由に泳いでいる水槽は、冬故にか肌寒く感じられることだろう。しんしんと降り積もる思い出の数々。貴方とはアルマデルにくる前からの"家族"だ。貴方の親の手によって生み出されたのだからある意味兄弟とも言えるだろう。暫く会っていなかったけれども貴方が死ななくてよかったと思っている。ニンゲンはいつだって弱い。ふとよそ見をした瞬間には上半身が吹っ飛んでただの肉塊になっている。そう、貴方の両親のように、呆気なく、儚い粉雪のように溶けて消えてしまう。未だ罪の告白が出来ないのは貴方という存在が大きいからであろう。ロボットだとしても幸せな家庭は分かる。それを壊したのは護衛用でありながら役割を果たさなかった自分である。だから罪滅ぼしするかのように、貴方の親代わりとなり、貴方が好みそうな場所へと連れて行くのが日課になっていたけれど、ここ最近誰かに"浮気"していたみたい。寂しい思いをさせてしまったこと、そして【一度破壊されたこと】を含めての謝罪として水棲棟に来たのだけれども様子はどうだろうかとチラリと見る姿は、浮気がバレた彼氏みたい) (1/26 21:07:36)
9さい@ナギ>
「お魚かあ〜」(ネイビー、コバルト、アザー。光の具合できらきら変色するブルーの揺蕩いの中に貴方を見る。投げかけられた問いへの反応は、5秒ぐらいの空白の後。)「んーと…好きなほう、かも?」「特にほら、かわいい色の子……あれ、うちでも飼ってみたいなぁ、とか。」(水中を飛翔する銀色が照明の灯りを反射している。彩度のまぶしい小魚がひらひらと舞い、独特な水玉模様の大きな魚も水槽を悠々と闊歩する。その光景を見て“嫌い”だなんて思えなかった。こんなにステキな彼等を毎日見れたらどれほど素晴らしいだろう…なんて妄想の混じった返答は、“家族”にしか喋れないくらいに、くだらない。)(あぁ、でも……こういうカラフルで小さくてかわいい子って、すぐに病気になっちゃったりして、飼うのが大変らしいから、やっぱり見るだけで良いね。自分の発言を振り返ってみる。彼等はとっても弱いから、飼い主は頑張らなきゃ…食べさせる餌、水の温度、水槽の中の環境とか。こんなに脆いものを守ってあげられる気がしない。隣に居る貴方が人間を儚く弱いものと見るように、彼女もまた、自身より短命であろう小魚に思い馳せていた。)「……そーいえばさ、お出かけはちょっと久しぶり?な気がするね。」(ぼーっとしたままの思考をきゅっと括る様に、いきなりハッとした様子。貴方の…なんだか、ご機嫌を伺う様な視線に気付いているのかいないのか、彼女は何か思考を巡らせる。)「修理の時間もあった、けど。」「…ね、最近セブンは…ちょっとひとりでお出かけすること、増えてる?みたいだし。それのおかげかな?」「……どこ行ってるのか、気になるんだあ。教えてくれたりはしない?」(純粋な瞳と好奇心を向ける。家族が最近ハマってるものを共有するのは、いいことでしょ?) (1/26 21:56:01)
風鈴@α-007>
(たかが5秒。されど5秒。無音な空間が作られると心臓がないはずなのに、バクンバクンと音が聞こえてくる気がするのは、不思議な部屋での体験のせいだろう。貴方は優しくてお人好しだから、気を遣わせないための言葉を探しているだけかも知れないが、緊張する。早く好きでも嫌いでも構わないから言って欲しいなんて願いが通じたのかゆっくりとした口調で言われた言葉は曖昧なもので)『そう、ですか。好きかもですか』『あの魚綺麗ですね。小さくて、その、可愛いです』(ふんわりとしたまま、指を差したのは小さくてよそ見をしたら見失いそうな小さくて可愛らしいお魚だった。ヒレのところがフリルになっており、女の子が好きそうだななんて思う。魚に関しての知識があればいいのだけど、護衛用ロボットにそんなものは必要ないから搭載されていない。貴方の親ならばあの魚はね、なんて話が始まっている頃だろう。どこまでいっても自分は"ニンゲン(親代わり)"になることはできない。抱きしめたとしても貴方に与えられるのは冷たい温度だけ。魚のように見た目が可愛らしいものだったならば多少は目の保養になっていたけれど、現実はそうじゃなくて。もしもニンゲンにすらなれないのなら、魚にでもなりたいなと思う)『…………』『その、クックロビンってところに行っています』『気になる人(キカイ)がいて、それで疎かになってしまったのは申し訳ないなという気持ちはありまして』『その、はい……』(ぼーっとしたまま貴方は最近の行いについてを指摘してきたものだから観念して言葉にした。作られたロボットのくせして、気になる機械がいるんだって。その機械にうつつを抜かしているんだって。本来は貴方を守るために作られたであろうはずなのに、いけないやつだ。責められてしまっても仕方がないが、貴方はきっと責めはしないのだろう。それが小さな棘となって痛い。ロボットは"恋なんてしない"。どれだけ感情があると言ったところでプログラムに逆らえるはずがない。家族のように接してくれる貴方は優しい子に育ったけれど、それは自分の力ではなく貴方の両親がやってみせたこと。周りからしたら自分は兵器だ。機械だ。便利な消耗品だ。ちゃんと"私を兵器として扱わないと周りから変な目で見られますよ"って言わなきゃいけないのに、言えないのは全て貴方の優しさに甘えてるからだ。貴方のことはプログラム上大好きなはずなのに、罪の意識が全て鈍らせていくんだ)>9さいさん
9さい@ナギ>
「ふんふん、気になる方が、いる………?……っ、て、」「…えーっ、えーーーっ!!?」(相手のどぎまぎとは反対に、穏やかな表情と緩やかなテンションのまま、質問の答えを聞く。小気味良い相槌をとんとん打つのと、言葉の内容を脳が理解することにそこそこ大きな時差が生じた。そこそこ大きな声を出してしまった自分をはしたなく思ったのか慌てて口元を押さえるのも束の間、びっくりな感情の波はそんなお淑やかさも押し流す。大きな音に驚いた魚たちはすっかり物陰に隠れてしまった。)「…そっ、そっかあぁ〜っ…それは、、うーーっ…」「…………良いこと、だぁ〜〜…!!」(やや長めの戸惑いに続いてやって来た、ぎゅ〜っと噛み締めて吐き出される喜びに満ちた声。ひんやりすべすべなその体に抱きついちゃいたいくらい嬉しい…けど、人目があったらいけないし、今はその手を強く握るだけに留めた。)「仲良くしてくれる誰かがいるんだよね、お喋りしたい人がいるんだね、それだったら、も〜……私のことは気にしないで良いからっ!」(いくら機械だからといって、自分に課された役目やプログラムに従うまま無機質に過ごす貴方を見るのは辛いもの。でももう違うんだ、くっくろびん?とかなんとか…あんまり聞き馴染みはない名前だけど、とにかく、会いたいって思う誰かが居て、その気持ちのままその人の元へ向かえるくらい、……“生きている者”にしかできない行動をしてる。身体が金属で出来ていても、思考がプログラムに制御されていたとしても……彼女は貴方の感情を否定しない。今ここで抱きつくことには躊躇ったけれど、貴方に向ける祝福を躊躇うつもりはない。周りからどんな目で見られようと、ずっとずって“家族”として扱うつもり。)「…あっ、」(貴方の内側にある罪悪の感情に気が付かぬまま、彼女はぐいぐいと展開を先へと進めていく。かわいいピンク色のポシェットから取り出されたのは小さな小さな袋。)「えーと、じゃあ、もうコレ…帰りに渡すつもりだった、けど。いまあげちゃお、ふふ。」(淡いピンク色の袋に、水色の紐のリボンをあしらった“御守り”を、そっと差し出す)「どーぞ!」(久しぶりのおでかけに、ちょっとしたサプライズを用意していたんだ。込められた意味も、そう、今聞いた話とちょうど良いところあるから…渡すならこのタイミングが良い気がした。きっと受け取ってくれるはずでしょう?そう期待した。) (1/26 23:14:36)
風鈴@α-007>
(大きな声を出すものだからこちらも驚いて言葉を失ってしまう。やっぱりロボットの自分が誰かに会いたいからという理由で本来守らなくてはならない貴方を見捨てるような真似をしかねない感情を抱いてしまうことは罪だろうか。だけど)「…そっ、そっかあぁ〜っ…それは、、うーーっ…」「…………良いこと、だぁ〜〜…!!」『……えっ?』(長めの困惑の後に吐かれた言葉は、肯定的なものであり、思わず驚きの声を漏らしてしまう。だって貴方を守らなくちゃいけないわけで、今はアルマデルの社員を守るのが役割になっているけれど、もしかしたら見捨てるかも知れないのに。それすら許してしまうというのか。……いや、これはきっと貴方は自分を家族だと思っているからだ。あの日、見殺しにしたことを知れば笑顔は一転し憎しみにまみれた表情へと変わってしまうだろう。そうに決まっている。ニンゲンは自分をロボットとして扱うのだから。アルマデルに来てから植え付けられた不信感は家族であるはずの貴方にまで牙を向けようとするのだから、どうしようもない。本当ならありがとうっていうべきなのに、言葉がうまく出てこなくって)『これは、なんでしょうか……。ありがとうございます。大事にします』(自分の気持ちに気づかずに、渡してくれたのは小さな袋らしきもの。水槽の中に溶け込んじゃいそうな水色と可愛らしいピンクは真っ黒なボディを持つα-007には似合わなさそうだけど嬉しかった。もしかしたら壊れた自分に気を遣っての道具かも知れない。その気持ちが嬉しくって、周りを確認した後にぎゅっと女性にしては大きな体を持つ貴方を抱きしめようとする。自分には渡せるものはないから、行動で示すしかないけど"死なないように貴方のこと守りたい"いや、守らなくてはならない。それが貴方の、貴方達に対しての免罪符となるならば喜んで責務に勤められる)>9さいさん (1/26 23:30:35)