敗北@布瑠部 藍
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『植物棟……植物棟……。いや、いいね。和やかな空間でランチタイム……、ひとりぼっち飯。ホームレスしてた時を思い出すなあ。あん時は、公園でゴミ漁ってるカラス、石投げて殺して遊んだっけ……』植物棟。多分まず近寄らない場所ナンバー1のこんな所にまで足を運んだのは他でもない、初心に立返るためだ。少し前の仕事では、皆悲しそうな顔をしていた。なんでも、助けた民間人が後ほど死んだらしい。それもわざわざ自分からだ。放っておいても人間は死ぬのに、そんな頑張らなくてもいいだろ。とか、アルマデルにでも来て一回イーコールでも打たれておけば、自分が異能者にして超越者だと考えたらだいたい悩みも吹き飛ぶのにとか。そんなことをわざわざ口には出さないけれど、悲しそうな顔をする彼らの前だとどうしても口にしそうだから____それは、彼らがわざわざ悲しむのが納得いかなくて、やるせなくて。という感情だとは気づいていない____ひとりきりもいいなと思った。今何月か忘れそうになる、緑、赤、青、黄色とデタラメに描いた油彩画のように何にも縛られず自生する植物。イーコールの影響があったのか、カミサマ自体なのか。いまいち検討はつかないが、見た目だけはやはり綺麗だった。『さ、て。開封!』植物棟の一画。隅っこで腰を下ろして弁当箱を開ける。一緒に連れ立った職員が、体調不良を訴えて要らない、と渡してきたものだった。『普通!弁当は』『おにぎりと別だろうがァァァ_____ッ!!』それを_____親の仇のように無造作に投擲。『舐めやがって……。やはりアークの回し者か……!』目立って仕方ない奇行に走る姿は、多分植物棟のどこに目をつけていても目に入るだろう。 (1/26 21:27:08)
湿布@真砂荼々良>
(こんな辺鄙なところに来るのは曲者とか変わり者、此処にある植物に携わる任務でもない限り誰も用がないから。そうだろうか?私はこの場所が好きだ。天井からは光が透き通って──見て呉だけなら、あちこちに点在する安全な箱庭にだって劣らない。綺麗なものに心が浄化される、という現象は科学的な根拠がないにしろ、セラピーの観点からしたら立派なひとつの択である。)「────」(ということで一つ、ベタに歌を口遊ぶ。誰がいつ来るかもわからないからとびきり小さく。──そう思ってる間に誰かが来た。視線は向けずに、網を担いで水中草の置かれた水槽の前を右往左往するだけ。害の無さを誇張するよう、ゴム底のブーツだって極力物音もたてないように。)(静かなここじゃ独り言も聞こえてしまう。あ、お昼食べてるのか。私もそろそろこの体にエネルギーを蓄えようか。呑気な頭をぶん殴るように、部屋の隅で弁当箱が破裂する。)「ばっ、!!な…何!?」(普通ならば、『変な人が変なことしてる日常』とスルーしてたけど、今日の私はそれにとびっきり反応したかったらしい。……気がふれた?人間卒業する前兆?誰かに連絡入れた方が良さそう?『自分の死』及び『味方の損失』という宜しくないシナリオの可能性を脳がひたすらに綴る。──けど動けない、なんかヤバそう。目もあったような気がするし無視もきかない。ブロンドの彼女、名前は思い浮かばないが顔は見たことがある。──どの隊を引き連れていたかまでは覚えていないが、確か何処かの小隊のカシラ。彼女を見て、落ち着け。まさかイレギュラーなことがここでおこる筈がないから。護身の武器を構えながら、私は別の可能性を考えて腑に落ちることにした。────例えば。『こんな場所』といっちゃあまりにも悪いが、此処に集まるなら成る程。こういう才能を備えた奇才だって多くても合点がつく。……むしろ浮いてるのは何も取り柄のない私じゃない?) 「……あの」(ぎむ、ぎゅむ。ブーツを軋ませ横側から近づいて、細く鈍い眼孔と指を無惨な残骸に寄せた。)「拾わないんですか、これ」(いや、無理でしょ、話広げるの。知らない人だもん、奇行存分に見せつけられたもん。誰にでもない言い訳を垂れておく。これで安心、何か彼女の逆鱗に触れて良からぬことが起きても、私は心の中の神様に免罪符を貰える。──かもしれない。) (1/26 22:01:40)
敗北@布瑠部 藍>
『……投げた弁当拾うの……?』うわ、マジかよ。と付け足しながら引いた表情を作る。まず弁当を投げるの?という疑問はこの女は抱いていない。弁当はたまに投げることがあるものに過ぎないのだ。『で、時に君は誰だい?私と会ったことある?』首を傾げ、それから君は誰だ?と問いかける。誰かも分からない知らない人。その初対面は弁当を投げるところから始まったというから恐ろしい。君は誰?という普通の疑問を投げかける。その上で、もしあった事あればごめんね。とも付け加える。奇行に走る状態から通常の会話が何の説明前置きなくスタートしたのだ。『後〜〜。武器(どーぐ)すぐ手にかけるのは隊長よろしくないと思いま~す。暴力はよくないよ。痛いし、しんどいし。たまには死んじゃうからよくない。』護身用の武器を構えていることを指さし、立ち上がったりは特にないものの何を考えているか分からない表情でじぃっと手にされているそれを見つめてから。『あ、それとも結構やる気満々でここに来ていたりするかい。それなら……好きなタイミングでおいで、お姉さんが可愛がってあげるから。』よく考えたら、ここは普通に殺し殺されたりするんだったなあと頷いて。その場合は止めても無駄だろうから、おいで。と手招きする。『やんちゃ盛りは困るね、ホント。』 (1/26 22:27:36)
湿布@真砂荼々良>
「……自分で投げたのに……いえ、拾わない、です。多分」(後になって冷静に考えれば、弁当の用とは食事にあって投擲への適正は低いとわかった筈だ。しかし、爆音と奇怪な現象のせいで常識というものは現在すっかり抜け落ちている。どこへ流れたかはわからないが、きっとこの出来事に区切りがつけばそのうち戻ってくるだろう。そんな状態だから、貴方の意見が至極真っ当に聞こえてしまった。いぶかしむような視線を向けられれば尚更己を疑ってやまない。小声で返答する。勿論最初の疑問は誤魔化すように小声で。この世の理が何処にあるかは検討もつかないが、自分には掠りもしていないという反例的な自信がそれを根拠づける。)(まだ定まらぬ思考にも要素は投げ掛けられる。出会いを聞かれた、これは答えにくいが正しくは『ありませんが此方は貴方をどこかで見かけました』となる。しかしそんなことを言う人間はいない、何の情報の足しにも利益にもならないから。相手が覚えていないならそのあたりを触る必要は全くもって皆無だ。)「ない、と思います。五番隊の……真砂です。貴方は……」(ここまで言えば締めずとも相手を『名を名乗る』という行動へ導ける。この際覚えておこう、次にどこかであったら食事時でないことを確認するために。余計な決心をしていると、どこか無気力だった貴方に指をさされた。──気づいてなかった。)「すみませんでした。突然のことでしたので、有事や異変であったら困るな、と。危害を加えたい訳じゃなかったんです」(応じて道具を下ろしたものの、目の前の人物にはどこか違和感を拭えない。手招きまでしておきながら、身構えたりする素振りにはとても見えない。何も気を張ってない、余裕綽々。そういう風に見えてしまう。自分にはないから、魅力的に見えた。だからこういう、意図のわからぬ余計な一言も出てしまう。)「──お綺麗ですね」 (1/26 22:54:18)
敗北@布瑠部 藍> 『02番小隊隊長、布瑠部藍。藍隊長って呼んで。マサゴ君はさあ、下の名前なんて言うの。私、あだ名つけるの趣味なんだよねー。つけられた人結構すぐ死んじゃうんだけど、あは。』マサゴ、マサゴ、マサゴ。下の名前に真砂、と来るのは珍しいだろうから。下の名前を知りたいな。と質問する。名乗る度に一向に呼んでもらえない藍隊長という名前を呼んでくれないかなと僅かに期待の眼差しを向けては、自分があだ名をつけた相手がすぐに死んでしまう。なんて言う何も有難くもないジンクスを、聞いてもいない内に述べて。『綺麗ぃ?どこをどー見てそうなったのか分からないけど。まあ私結構綺麗だからねー。仕方ないか。ちなみにどの辺が?』急に突拍子もないことを言うものだなあと口をすぼめてから、顎に手を当て、植物棟のガラスに反射した鏡面があったからそれを覗き込み。確かにその通りだと確認してから、なぜそんなことを言うのかは分からないが、理由くらいはあるのだろうと『……それはあれね?部位の話じゃなくて。なんで急に?って意味。理由を聞いてるんだ、マサゴ君。』 (1/26 23:26:40)
湿布@真砂荼々良
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「……。わかりました」(自分は敢えて下の名前を名乗らなかったのに。出会って一寸の間だが、わかることはある。この人は距離をつめてもあまり不快に思わないらしい。だから親しみを込めた名前を呼んでもよいと。選択肢のようでいて、此処で『ふるべさん』なんて呼ぶのはナンセンス。次に呼ぶときは、注文通りの品を出そう。──かちりと、目があった。そうしたら次に、此方の名前を暴きにくる。あだ名がこの世の餞別の言葉になるらしい。……嗚呼、緊張もなんだかすっ飛んでしまったから。)「荼々良」 (此所での同胞はある意味同じ穴の狢だ。畏まってても仕方がないと頭に置いておいても、出会ってすぐは緊張が抜けきれない。けれど、脅しかわからない貴方の言葉は、彼女的には高評価。)「曼荼羅の『だ』の部分……あ、お茶みたいな字の方と、おなじ、って文字と、良いって書いて、たたらです。あだ名はまだいいです。でも私が死にたいなって思ったときに聞きに来ますから、それまでに考えてくれたら、嬉しいです」(水網の柄の底をとん、と床に突いて、不思議かな、最初の怪訝さが嘘のように笑う。……彼女なりに、の話。天性のしかめっ面はそう簡単には薄れない。社交的とは言いづらい彼女がこうなったのは、良くも悪くも貴方の緊張をほどく性格のお陰だろう。そのまま次の問いを答えにかかる。一点に視線を泳がせ暫く黙って、一度うーんと唸ってから、回答。)「生きてる、雰囲気。過ごしてる様が、とても。……すみません、藍隊長。こんな出会い頭に言われても、って感じですよね」 (1/26 23:48:45)
敗北@布瑠部 藍>
『タタラ君ね。きっと覚えとくし、死にたくなったらまた聞いてね。結構的中率高いんだよ。』ふと何かを思い出したように立ち上がる。それから、かつ、かつ、と踵を鳴らしながら彼女の周りをあるきはじめる。ちく、たく、と時計の針が回っていくように。『んふ。ばーれちゃったかあ。』に。となつこい笑みを浮かべて、自分の生き方を述べる。『生きるの死ぬの、死ぬまでに何するだの。生きて何するだの。そんなこともう興味ないんだよね。』それは考えるのが嫌いだから。というだけで生まれた言葉ではない。仲間が死ぬ、友達が死ぬ、恋人が死ぬ。そんなものを気にしているからダメなのだと、一種憐れみを持って口にするのだ。『だってよりよく生きるために悩むのに、悩んでつまんなく生きてちゃ損じゃん。』悩むのはあくまで前に進むため。なら、悩むから足を止めていたら無駄だと口にする。気持ちよく生き、理不尽に死にたい。強欲なようでそれは悟りめいて『サクッと死ぬ世界だ。サクッと生きてこうよ。どうせだし。』___かつ。そのまますれ違っていくのだ。生まれた時に傍らから離れ、死ぬ時にまた迎えに来る死神のように。〆 (1/27 00:02:47)