雨晴高良&花曇若葉

【あかないアキカン ver.2】

雨晴 高良> 
「・・・さてと・・・今回、調査同伴を任された雨晴だ。よろしく。(実験棟の広めな一室の入り口にて、肩掛けポーチを身に着けた男から握手を求められる。その声色は決してやさしくは無かったけれど、君が手を取れば優しく握り返すだろう。さて、自己紹介を適当に済ませれば実験室へと入り)・・・コイツの調査についてなんだが・・・何をしたらいいと思う?(もう一方の手に持っていたビニール袋からストロ◯グゼロの缶を取り出して。プルタブはしっかりと閉まったままだが、床に置くと中身のない乾いた金属音が出るだろう。今回はこの、“開いてないのにアキカン”という、面妖な物体を調査するのだが、まずは君の意見を聞いてみようと思い、問いを投げてみよう)」>若葉君   (1/27 22:27:14)


花曇 若葉> 
花曇 若葉です!雨晴隊長、本日は宜しくお願いします! ( ぺっこりと笑って、私は差し出された手に丁寧な方なのだなぁと驚きながら、迷わず手を差し出し返しました。壁に立て掛けていた兵器を手に持って、制服羽織って、少しだけ広い研究室へと参りましょう。今日の調査対象はCAN_6405_JPN、あかないアキカン。真夏に出てきたら購入者泣かせのカミサマです。あかないアキカン、あかないのにアキカン、そんなんアカーン………なんだか滑舌力が試されそうですね。そんなアキカンはちょこんと床に立ち上がって、中身がなくて軽いので、直ぐに倒れちゃいそうでした。『 む………そう、ですね…………、……そう、ですね…えぇと……… 』しゃがんでちょんと突っついてみれば、声をかけられてしまって、私は吃驚。慌ててしゅばっと立ち上がります。何をしたらいいか、問われると直ぐには答えられなくて、けど分かりません!と答えれば失望させてしまったり、研究の意欲がないと思われるかもしれません。だから私はうーん、うーんと顔中にくしゃりと力が籠ってしまいながら、考えて、考えて『 …ぁっ、はい!はい!……………先ずは、本当に空かないのか、試してみませんか? 』ぴんっと灯る電球と立ち上がる人差し指。百聞は一見にしかずと云うものです。試してみないと分からないと云うもの。強度チェックも兼ねて、この部屋、この兵器が持ち込まれたのですがその前に、我が身で知るのだって必要な筈です。床に置かれた缶を手に取ります。まさか、初めて開けようとするお酒の缶が、空っぽのものになるだなんて思いませんでした。『 本当に開けられたら、一寸した自慢話になるかもですしね!……ではでは、1番手行かせてもらいます! 』パンドラの箱とも言うんでしたっけ、この場合はパンドラのアキカンですがそれは良いとして。プルタブに指を掛けて、私はいざ開かんと思い切り力を込めました。顔が真っ赤になって、身体がぷるぷると震える様はそれはもう全力の全開です。けれどあかない。されどあかない。うんともすんとも言いません。『 う"………っふ、ぬぅ"、う"…………っっっ………だ、だめそう、です…………。 』   (1/27 22:47:07)


雨晴 高良> 
「(君が缶を握って指先に全力を込めている様子を黙って見ていた。年齢相応な口調のようだが、彼女の馬鹿力は前もって聞いていたので、君の指で開けられないのなら人力ではまず無理なのだろう。しばらく見ていても良いのだが、それはそれで上司としてどうなのだろう。頃合いを見て口を開き)___やはり、力押しではダメか。・・・ちょっと借りるぞ。(君の指がうっ血してしまう前に握っていた缶を取り上げよう。そして、ポーチの中に手を突っこめば、ジッポと新聞紙が出てくるだろう。)」「・・・火傷したくなかったら近付くなよ。(新聞を適当に広げ、床に敷くと、その上にアキカンを置いた。一言、忠告を挟んだ後で、ジッポに火を点けよう。その火を新聞紙に近付け、自分も火傷しない内に火が付いた瞬間で手を引き戻そう。10秒もしない内にアキカンは炎に包まれるが)___・・・・膨らみすらしないか。(更に、能力を使って炎をアキカンの周辺に集める。タダの閉まった缶ならあっという間に溶けるほどの熱だが、うんともすんとも反応は無い。落胆しながら、実験室の換気扇のスイッチを入れて。)」(容量残4)   (1/27 23:10:41)


花曇 若葉> 
そうみたい、です………うぅ、すみません………。 ( ぷっはぁ!!といつの間にやら止めていた呼吸を解放すれば、力の抜けた身体中の筋肉が喜びにうち震えます。うんともすんとも言わないのはプルタブだけではなく、開けるために力を込めていた筒の部分だって、いっさい凹んだ様子はありません。膝に手をついて深呼吸。その内にひょいと缶は持ち上げられ、隊長も挑戦するのかと思えばそれはちょっとだけ違いました。取り出されたのはかしょんってする格好いいやつと新聞紙。念のため兵器も持って、私は慌てて距離を取ります。焚き火のような、パチパチと火の粉が弾ける微笑ましいものではなく、正真正銘の炎の柱に包まれるアキカン。燃える炎は通常であれば缶をみるみる溶かして凹ませてとしてしまうものなのでしょう。けれどこれまた、うんともすんとも言いそうにはありません。炎は恐ろしいこともありますが、見入ってしまうのは何故なのでしょう。ゆらりと滑らかに炎が揺れて…………鎮火後、現れたのはヤキカン………ではなく、変わらないアキカンでした。きゅ、と手袋を嵌めて、焼きたてのアキカンに触れてみます。力を込めても相変わらず、凹むことはなし。けれど、『 でも雨晴隊長!ちょっとだけこのアキカン、暖まってますよ! 』そう、ちょっとだけカイロくらいに缶がほっかりと暖まっていました。火傷はしないけど、でも暖かいなとは確かに感じられるそれです。空かない壊せない燃やせない、でもちょっとだけなら暖まる!これは大きな発見じゃないです?ほらほらと早く教えたくて、私は瞳を煌めかせながら隊長に暖まった缶を手渡します。お外に出せば直ぐに冬の寒さに拐われてしまいそうな小さな体温、でも確かに、存在していたのです。)   (1/27 23:28:08)