うぉっか。@マルス>
昔あるところに、没落貴族の領主の男と赤い髪が特徴的なルクレルク人がいた。ふたりは互いを愛し合っていたが、当時からルクレルク人への風当たりは非常に強く、彼女は常に領民たちが抱える不平不満を解消する為の道具のように扱われ、人間が持つ悪意を一身に受け続けていた。そんな領内での彼女への差別的な扱いに耐えかねた領主の男は、それまで治めていた領土を捨てて、彼女と駆け落ちを果たし、遠い、遠い、…ずっと、ずっと遠くまで、彼らは自分たちの〝安住の地〟 を求めて、探し歩き続けた。 …そんな旅路の途中に、とある小さな村に彼らは辿り着いた。その村では《炎》を祀る風習があり、村の中央には《炎》を祀る祭壇があり、その祭壇には〝常にずっと燃え続けている〟 《不思議な炎》が金の杯の中で四六時中揺らめいていた。この村では、朝と夜の7時から8時にかけて、その《炎》を祀る祝詞が行われ、その時には村の全員が村の中央に集まり《炎》へ向けて祈りを捧げていた。不思議な風習がある以外には、何の変哲もない、至って平凡な村であった。更にはその村ではルクレルク人である彼女への差別もまったくなく、他所ものであるにも関わらず、ふたりは村の住人たちに温かく迎えられ、次第にふたりも村での生活に慣れていくのであった。…そして、ふたりはやがてこの村に住むことに決め、ふたりはようやく自分たちの〝安住の地〟 を見つけられたかもしれないと、互いに喜んでいた。…そんなある日の事、いつもの村の風習のあとに、元領主の男は村の長老に祭壇に祀られているあの《炎》についての話を尋ねてみたのであった。村の長老は少し悩んで言い渋るような態度を見せていたが、せっかくこの村に住むというのに、〝風習の意味〟 をよく理解せぬまま、ふたりを参加させるのもよくないだろうと判断した長老は、ふたりに村で祀られている《炎》の正体について語ってくれただろう。…長老の話によると、なんでもあの《炎》はかつて巨大な大陸全土にまで広がる領土を持った国を一晩のうちにすべて焼き尽くし、焦土に化した《大火災》の残り火なんだという。そして、この村はそんな巨大だった国の成れの果てであり、以来、あの《大火災》が二度と起こらぬよう、村のひとらは毎日、祭壇に佇む《炎》に〝命乞い〟 をしているのだそうだ。…あまりにも想像のうえをいく、突拍子もない、現実離れしたその話に思わず驚愕してしまったふたりは、とてもその話が本当のことであるとは到底思えなかった。その日はそれで長老との話を終えて、彼らは自分たちの生活へと戻って行った。……しかし、ある日その《災厄》は突然村に振り落ちてきた。奇しくもその日は、新たな生命が生まれ落ちる日でもあった。 寝静まった深夜のこと、突如としてその村は阿鼻叫喚が木霊する〝地獄〟 へと変貌した。…突然、ひとが〝ひとりでに燃え上がり〟 忽ち《炎》が全身を包んでいくのだ。その《炎》は最初はひとり、それからまたひとり、と徐々に燃えた人物の傍から順に、まるで《炎》が病気か何かかのように伝染して〝燃え移って〟 いた。…やがてその《炎》は村中に伝染し、建物や草花、木々などにも火の手がまわり、火の手があがった建物は屋根を支える柱が炎によって燃え尽きて、建物の中では《炎》に焼き尽くされる痛みに悶絶しながら叫び転がる人々が大勢いて、そして彼らの多くの最期は、その《炎》によって最期まで苦しんだうえでの焼死か、焼け落ちた屋根に押し潰されるかの二択がほとんどだっただろう。或いは運良く建物の外へと逃げ延びて、水を求めて井戸へと走り込むものも、中にはいたが、その彼らも、そもそも井戸へまで辿り着けずに力尽きてしまったり、例え井戸に辿り着けて井戸水の中に自分の身を投げても、何故かその《炎》は水中でも燃え続け、井戸水に身を投じた本人だけでなく、まだかろうじて生き残っている村の人々にも更なる絶望を与える結果を残して終わってしまった。…そして、そんな村が《大火災》に見舞われている最中で、遂にふたりの子どもが誕生しようとしていただろうか。…だが、状況は既に最悪。助産師もなし、完全に自力で何とかして産み落とすしか他に方法はなく、仮に生まれでたとしても、この《炎》の中をかい潜って逃げ切らなければ、その小さな命もあっという間に消えてなくなってしまう。どう考えても、今の状況で我が子を産むわけにはいかず、ルクレルク人の女は元領主の男の背を借りて、そのまま燃え広がる《炎》から懸命に逃げていたであろうか。幸い、彼らの家は村の外れにつくったことが功を奏したのか、《炎》が燃え広がっていることにいちはやく気付くことができ、いままで何とか生き延びることが出来ていた。…だが、そんな状態も数分前のこと、今はもう炎に追いつかれ、あたり一面は炎の壁である。もう逃げきれない、と、察したふたりは、互いにはじめに思ったことは、自分や愛する相手の安否の行く末ではなく、まだお腹にいる我が子のことを気にかけていただろう。…そして、ルクレルク人のおはその時、覚悟を決めるのであった。ルクレルク人の女には、実はすこし〝特別な力〟 が備わっていた。それは〝命を守る〟 能力で、これをかける対象は、一度にひとりと限られているが、その代わり、どんな状況下に置かれても、その生命が脅かされることは決してなくなる、…というものである。彼女が差別を受けていた時代は、それを自分に使って生き延びていたが、…彼女はそれを、自分ではなく、これから生まれる我が子にかけることに決めたのだ。元領主の男も、悩んだ末に彼女の決意に同意し、ふたりの夫婦は《炎》の中で我が子を産む決心をしたのであった。《炎》は容赦なくふたりに襲い掛かり、徐々にその身体や髪を燃やしていく。そんな中、母体への負担は言うまでもなく相当大きく、陣痛による痛みと燃え盛る《炎》によるやけど傷の痛みを気合いと根性のみで耐え凌ぎ、我が子が生まれ出てくるまでの間、何もすることできないはずの男は、ルクレルク人と片手を繋いで必死に応援し続け、ただただ我が子が無事に生まれてくるのを〝神〟 に祈っていただろう。 ──────そして、その時は案外すんなりとやってきた。母体から生まれでてきた我が子を元領主の男がその目で確認したのを合図に、ルクレルク人の母親は即座に能力を使用して、我が子にかけるだろう。…だが、その次の瞬間には、母親の体力が底を尽きて、そのままルクレルク人の母親は力尽き、亡くなってしまっただろう。…炎に包まれながらも、穏やかな表情で目の前で逝った愛する人を無事看取ることが出来た父親は、最後の力を振り絞り、愛する人と我が子をその膝に抱え、愛する人が守った〝いのち〟 の鼓動を、その耳で確かめようとしただろう。……しかし、……聞こえる筈である〝いのち〟の音が、全くといっていいほど〝聞こえてこない〟。……それどころか、生まれ落ちて出てきた我が子は、いつまでたっても〝産声〟のひとつもあげやしない。……まさか、と、元領主の男の脳裏に〝最悪の予感〟が浮かんでしまう。…慌てた父親は、それを否定するかのように、青ざめた表情で我が子の脈を何度も何度も確かめただろう。……だが、結局のところ結論が、決して覆ることは変わることはなくて。………ふたりが決死の思いで守ろうとした我が子は〝死産〟だった。その事実(絶望)が男の薄れゆく意識の中で渦巻いていった。不思議とあれほど感じていた火傷の痛みや熱も身体からどこかへと引いてしまったかのような寒気を覚え、到底受け入れられない現実に何故か笑いが止まらなくなっていた。そして、父親はこの世の不条理さに強い憎しみを抱き、先に逝ってしまった妻と、そして、守ってやることの出来なかった我が子を強く抱き締めながら、咽び泣き、獣の雄叫びのような発狂した叫び声をあげて、無念のうちにその生涯を終えたのだった。 ……そんな《大火災》から一晩があけて、あたりが明るくなり、日の陽射しが山の影から差し込んだ早朝のこと、あれだけ燃え広がっていた《炎》が何故か見る影もなくなっていただろうか。…そして、あたり一面が草や木も1本も生えてない焦土になっていた中で、割れんばかりの〝大きな声をあげて泣き叫ぶ赤子の声〟が、木霊していた。偶然その時、村で突如として発生した《火災》について調べに来た調査隊が、その声を耳にして、ふたりの亡骸に抱えられるようにして埋もれていた赤子を調査隊のひとりが見つけ出して〝保護〟した。 ……その後まもなくして、その赤子はとある孤児院に預けられることとなった。孤児院に預ける際、この赤子に名前がつけられることになったのだが、あの《大火災》が発生した村の名前の《マルス地区》と赤子が預けられた孤児院の名前の《マルクス修道院》からとって《■ 槭Ν ■◾︎■□ 繧ッ繧ケ》と名付けられたのであった。 『…。』電気の消えたうす暗い部屋のベッドの上で少女は目を覚ます。なんだかとても長い、長い夢を見ていたような気がしていた。寝起きの状態で夢の中で見た出来事を、少女はぼんやりとしたあたまで思い出そうとしていた。…あれは、いったいなんだったのだろうか。そんなふうな感想を少女は胸の中で呟く。…しかし、いまの少女の精神状態からすると、そんな夢の中の出来事についての考察なんか、至極どうでもいいように思えて、やがて少女は夢でみた内容についての考察をやめてしまっただろう。 『……。』少女はすこし身体を起こして、あたりを見渡しただろう。あたりには見知った部屋の壁と天井とカーテンがまず目に入った。この時点で少女は此処が自分の部屋であることに気づけただろう。次に目にしたのは今現在自分が使用しているベッドのかけ布団。それから更に視線を動かしてベッドの横にある小さな机をみて、そのうえにいつの間にか置いてあったガラス瓶に添えられた赤い花を見つけただろう。おそらく、誰かが少女の看病の際に飾っていったものなのだろう。 『…………ぁ……』少女はガラス瓶に映る自分の顔が映っていることに気がついたであろう。そこに映っていた自分は、数週間前とは比べにならないほど痩せこけていて、目の下には遠目から見てもくっきりとわかるほどの真っ黒な隈ができていて、微かに泣き跡も残っていた。…なんとも酷い有様である。髪の毛も乱れており、いつもつけていたはずの黄色とオレンジのリボンも今は机の上においてあった。当分、あのリボンたちを髪に結ぶことはしないだろう。今の少女にはトレードマークであるはずのリボンを結ぶ気力すら残っていないのだ。 『………………な……、き……………ぁ……………』数週間ぶりに言葉らしい言葉を呟こうとしたが、掠れるような声しか出せず、口の筋肉もほとんど動かせていなかったせいか、傍から見れば口を僅かに動かしただけにしかみえない行動であっただろう。『…………ッ…!!』『……ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...!!!!』『…………ぅ…!!』数週間ぶりに声を出そうとした反動のせいか、少女はうまく呼吸が行えず、息を詰まらせて苦しそうに肩を上下させながら激しく咳をした。…更に、激しく咳き込んでしまった反動で胸の肋骨部分が急にひどく痛み出し、少女は咄嗟に身体を丸めて蹲り、痛みが引くまでベッドのうえで悶絶していただろうか。『──────ぁ、─────ッ─────ぅ、──────……』『…………………フゥゥゥゥ……ぅ、……』『…………………………………………。』『はぁ──────────……。』ベッドの上で踞まりながら、少女は呼吸を整えようとして、ゆっくりと深呼吸を行っていただろう。最初は痛みのせいでほとんど息も吸えない状態だったが、徐々に呼吸法を思い出してきてからは、うまく呼吸を行えるようになって、暫くして痛みが完全に引くと、少女はひとつ大きくため息を吐いた。『…………。』このままの状態ではさすがにアルマデルのみんなに迷惑がかかってしまうと思い、少女はひとまず先程から感じていた空腹を解消するために、食堂へと向かうことに決めただろうか。 『─────、─────、─────ぁ!!?』少女はベッドから降りて、自力で車椅子に乗って食堂へ向かおうとしただろうか。…だが、少女が思っていた以上に、自分の身体の筋力が落ちていたことに気付けず、車椅子に乗ろうと手摺に手をかけた段階で足がまるで膝から崩れるような具合いに力が抜け落ちて、少女は受け身もとることが出来ないまま床に転んでしまっただろう。…その時、車椅子も横に横転してしまい、部屋の外にまで大きな物音が響いてしまっただろう。 (1/27 23:54:11)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「(電話番は、問答無用でその扉を開けた。派手に鳴り響く、固いもの同士が勢いよくぶつかり合う音。いつもその下には危険がある。)大丈夫…ではないですね。(笑顔のなくなった鉄頭は、それでも『コールフロムザメトロデッド』、であった。胸の傷跡は増えている、首元には咬み跡が着いている。折れた刀の柄と鞘だけを身に付けている。それでも彼は、根っこが変わらなかった。)落ち着いて。まだ、座っていてくださいね…ゆっくり。(横倒しになってしまった車椅子をまず立てた。また躓かないように、座れるように。)…よし。立てますか?(君に手を差しのべる。)自分のペースで大丈夫です。ゆっくり、ゆっくり、落ち着いたら私の手を取って。焦らなくても大丈夫ですからね。大丈夫。(屈んで、君の応えを待っている。)…相当、お疲れのようですね…(応えれば、屈んだまま君に肩を貸して、車椅子まで導くだろう。)…マルス、さん。(君の、弱々しい姿が、とても痛ましかった。大型任務で数回、君を見たが、そのときはこんな姿はしていなかった。)」「これ、どうぞ。(差し出したのは、メモ帳とペン。)どこか行きたい場所があったのでしょう。あなたの伝えやすい方法で、教えてください。(だがその姿を見て、見ぬふりをできないのが彼の【根性】のあるところだ。何物にも、負けない心。)…よければ私、お供します。あなたの車椅子、押しますから。(手があるなら、使わねば彼は納得の行く人物では、ないのだ。)」 (1/28 00:35:11)
うぉっか。@マルス>
『………ぅ……』痛い。ものすごく痛い。…おそらく、先程の転倒のせいであばら骨の何本かが折れてしまった気がする。身体全体にちからがまったく入らなくて、立ち上がることすらできない。何とか身体を起こそうとしてみるも、身体中の骨が軋むような痛みを訴えてきてその行動を阻害してしまう。……嗚呼、でも、立たなくちゃ。はやく立って、ごはんを食べにいかなければ、食堂がしまってしまう。…他のみんなに、迷惑をかけてしまう。…そんなふうな考えを巡らせていた時である『……?』ガチャッ、と部屋のドアが開かれる音が聞こえてきた。「大丈夫…ではないですね。」おそらく部屋に訪れた何者かは、少女にきっと、〝大丈夫?〟 と尋ねようとしたのだろう。だが、状況は見ての通りであり、彼が口にした通り、少女の今の状態は至極最悪だ。…それは何も肉体的な意味だけを指す訳ではないことは言うまでもない事だ。「落ち着いて。まだ、座っていてくださいね…ゆっくり。」部屋に訪れた何者かは、顔も知らない誰かのために、とても親切に、そして紳士的な態度でそう言葉をかけながら、横倒れになってしまっていた車椅子の位置を直していた。少女はそんな様子の彼を半ばぼんやりと眺めていただろう。「…よし。立てますか?」『…………。』返答はない。否、返答をする気力すら、少女には残っていなかった。だからその代わりに少女は、時間をかけて、ゆっくりと彼が差し出した手のひらに手を伸ばして「自分のペースで大丈夫です。ゆっくり、ゆっくり、落ち着いたら私の手を取って。焦らなくても大丈夫ですからね。大丈夫。」そんな優しい掛け声もあったおかげか、少女はようやくあなたの手を掴むことが出来ただろうか。…そして「…相当、お疲れのようですね…」あなたから、そう労いの言葉をもらってしまった。まだ、他人の言葉に意志を向ける余裕のない少女であっても、それを拾うことが出来て、その言葉は、まるで砂漠のように渇ききってしまった大地に、一滴の水が落ちたかが如く、少女の閉じこもった心に、ほんの少しだけだが響いてしまったことだろう「。…マルス、さん。」『…………。』少女は、自分の名前が呼ばれたような気がして、視線だけを貴方に向けただろう。その表情にいつものような無邪気な笑顔はなく、見つめ返すとどこまでも沈んでいってしまうような、瞳孔の消えた水色の虚ろな瞳が、貴方を見つめていただろう。「これ、どうぞ。」「…よければ私、お供します。あなたの車椅子、押しますから。」『……。』あなたからメモ帳と、ペンを受け取った少女は、また時間をかけて、たったひとことをそのメモ帳に書き込んで、あなたに自分の思いを伝えようとしただろう。そして、メモ帳に書かれたメモの内容は…《〝おなかがすいた〟 》文字がぐちゃぐちゃで、大変読みづらくはあるが、メモ帳にはそう記されていただろう。さて、これで行先はきっと伝わるだろうか。 (1/28 01:38:28)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「おなか、が………はい。わかりました。(貸した肩を椅子の傍らでゆっくりと下ろし、座らせて、ハンドルを持ってタイヤロックを速やかに外した。)…(から、と、車輪が動き出す。両手の内に収まるハンドルが、君を、その命を握っていて、また命を握るハンドルに自分は手を掛けている。その感覚はひどく責任感が圧し、そして何より弱った肉体の軽さに恐ろしさまで覚えた。)…改めまして、自己紹介でもしておきましょうか。(死した肉体があんなに重たくて、けれどまだ弱々しく重力に抵抗する身体はこんなにも軽い。どれも、どれも恐ろしいと知った。それを拭うためだろうか、彼は未だ残る饒舌を回す。)『人類復興機関アルマデル第8支部』、『6番小隊小間使い』。(忘れたかったのだろうか。足が止まる。)ああ…いえ。そういえば今は、『小隊長』でした。(同じ小隊の研究員と、それを救おうと最後まで人間であった研究員。2人殺して得た栄誉を、忘れたかったのだろうか。)最近、色々あってね。近々表彰でもされるんじゃないですかね、すごいでしょう?(クロユリのシルクハットに顔を隠しながら、彼は空虚に『自慢』して。)」「ああすいません。行きましょうか。(止まった足と隠した表情に気付いて、彼はまた、から、からと車輪を回し始めた。)…そうですよ、そんなことより。(けれど拭っても拭っても、異常な軽さと深い深い瞳から、染み出る。痛々しくって、辛さ)何が、あったのかと…行きしなに、ゆっくり教えていただけますか…?(その理由を知らなければ、何もできない。防げなかった先に出来ることを探さねばならない、今のように。彼は、愚者だ。)もちろん思い出したくなければ無理にとは言いません。そしたら何が食べたいか、みたいな話、しましょ。(辛い現実の前に、彼は他愛もないを探す癖のようなものがある。)食べることは、大事な生活の一環ですから…ね。(君には『生活』を、取り戻してほしいなんて意味も、あった。)」 (1/28 02:07:48)
うぉっか。@マルス>
「…改めまして、自己紹介でもしておきましょうか。」「人類───、アルマデ─────」、「───小隊、───使い」「ああ…いえ。そういえば今は、───────。」……え?なんて?『……。』彼の話を、集中して聞こうとしたが、そのほとんどを聞き逃してしまった。…だが、それを聞き返す程の気力も、少女には残っていなくて。仕舞いには聞き逃してしまったという事実を無視することに決めて、そんな相手の話を無視するという、普段なら絶対にしないような異常事態を、今の少女は仕方がないというふうに、いとも簡単に受け入れて諦めてしまっていた。 「最近、色々あってね。近々表彰でもされるんじゃないですかね、すごいでしょう?」『へぇ……』『………すごいね。』だから、少女はあなたが最後に呟いた〝皮肉〟 にも、まったく気づくことが出来なくて、結果的に少女が呟いた言葉は、きっとあなたを苦しめる返答となってしまっていたことだろう。「ああすいません。行きましょうか。」言葉に詰まったのか、あなたの口からそんな言葉が呟かれて、1度止まった車椅子は再びから、から、と動き出す。「…そうですよ、そんなことより。」『……?』今度こそはようやくあなたの言葉を正確に聞き取れたのだろうか、少女に反応があって、あなたが呟いた言葉に興味を持ったふうな視線を向けてきて、疑問符を浮かべていただろう。「何が、あったのかと…行きしなに、ゆっくり教えていただけますか…?」『…………………。』その言葉を聞いた少女は、すぐにあなたから興味を失ったかのように視線を外して、ただ俯いて下をみるだけになってしまっただろうか。「もちろん思い出したくなければ無理にとは言いません。」『……。』少女の態度はそれでも変わらず、まるで聞く耳を持たない状態のようにみえたかもしれない。…しかし、暫くすると(ひっく)…そんな声を押し殺すような嘔吐き声が、あなたの耳に届いたであろうか。そして、その嘔吐くような声は徐々にはっきりと聞こえるようになって、次第には鼻を啜るような音も度々聞こえて来るであろうか。 『う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅ……………』まるで苦しみに悶えるかのような少女のものとは思えない唸り声を、顔を膝に埋めながら叫んでいて。その〝叫び声〟 こそが彼女が今抱えている〝痛み〟 の表れであっただろう。……今の少女には、自分が抱えているものを伝えることは到底難しいことだろう。だから、これが、今の少女にできる最大限の〝SOS〟なのである。 (1/28 02:57:27)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「…ごめんなさい。(ぐずりだとか、反抗期だとか、『親』になんかなったことはないが、『パパ』になったことがある。それは概念的なもので、実際の父親というわけでも、はたまたふしだらなそれであるわけではない。ただ、『執着対称』になった、というだけの話だ。だが深く、深く。大人を嫌う子供の姿を見てきた。文字通り墓場まで。)大丈夫。大丈夫、ですからね。(階段の昇り口の端へ車を寄せて、14歳の少女の泣き崩れる頭を優しく包む。)怖いもの、ここにはありませんから。ね、大丈夫。(もしかしたらどこか目の前にあるのかもしれない。けれど、それを見せないように、生暖かい胸の内に、君の咽び泣く顔を隠そう。もしかしたらどこか肉体の中を蝕むのかもしれない。それを忘れるように、生暖かい胸の内に、君の中の何かを隠そう。)思い出さなくても、いいんです。もし忘れられないなら、泣きましょ。たくさん泣きましょ、君を守りますから。(通り行く人が視線を刺しても、『背中で守る』ことが、できるように。)」 「…よければ、君を部屋に帰して、僕が君の分も買ってきますよ。お部屋で、ゆっくりお話聞きます。(背中を優しく撫でて、少しばかりでも安らぎを取り戻せるように、促す。)泣けるだけ泣いていいですからね。(無視をされた、だとか、聞く耳を持たない、だとか、そんなことにいちいち不満を露にできるほど、彼女は軽い状態ではない。その、喉奥から絞り出されるような叫び声が、全てを語っている。)僕のことは好きなように使ってください。元、『小間使い』ですから。そういうことには慣れてますから、ね。(君の姿を、重く見る。だから彼は君を、『守らんとする』。)何かあったら、『コールフロムザメトロデッド』の名を思い浮かべながら、電話を掛けたいと願ってみてください。ちょっとしたことですが、『叶い』ますから。」(君が泣き終えるまで、彼は君を包むだろう。) (1/28 03:37:45)
うぉっか。@マルス>
『…!』「大丈夫。大丈夫、ですからね。」まるで、カーテン布に包まれるが如く、優しい抱擁を受けた少女は、身体にその腕が触れた最初こそ、肩を大きく跳ねさせて身体を強ばらせて震えていたが、あなたがそう呟いたことによって徐々に強ばらせていた身体のちからが抜けていって、やがてその抱擁にも安心感を覚え始め、そんなあなたからの〝あたたかさ〟 を少女は徐々にだが感受していったであろうか。『───────ぅ゛、───────ぅ──────』咽び泣いていた少女の声は徐々に小さくなっていき、次第に嘔吐いていた呼吸も正常なものへと戻っていっただろう。『…………………………。』少女が鼻を啜る音が小さく聞こえる。「思い出さなくても、いいんです。もし忘れられないなら、泣きましょ。たくさん泣きましょ、君を守りますから。」『…。』あなたがそう呟いた後に、少し間をあけてだが項垂れているだけで静かだった少女にもようやく反応があっただろう。それはあなたのつぶやきに対しての応答で、少女は頸をこくん、と小さく縦に動かして頷いていたであろうか。「…よければ、君を部屋に帰して、僕が君の分も買ってきますよ。お部屋で、ゆっくりお話聞きます。」『…。』ふたたび少女の頸が小さく縦に揺れただろう。あなたがそれを確認したなら、ひとまず少女を部屋に戻すために帰路につくのだろうか。「泣けるだけ泣いていいですからね。」『……。』『……ぁ…』『………へ、へへっ、』『……………。』あなたにそう言われるが、今は何故か涙が一滴も零れてこなくて、遂に自分には流す涙すらも枯れてしまったのだろうか、と、諦観してしまえば、不思議と涙の代わりに小さく笑い声がもれてしまって、それからその直後に、こんな状況であるにも関わらず、笑い声をあげてしまった自分が無神経でならないと自虐して、そんな自分に大きなため息をこぼしてしまい 「僕のことは好きなように使ってください。元、『小間使い』ですから。そういうことには慣れてますから、ね。」『……。』しかし、少女はそんな自分の卑屈な部分を相手に見せて、いちいち相手に心配をかけてしまうことを嫌ってか、今のためいきまでの一連は自分の胸の中だけで解決しようとしただろう。…故に、少女が何故突然笑いだしたのか、その真意をあなたは知る術はなく、話の流れからして、あなたに安心感を抱いたが故に笑い声をあげてくれたかのように見えたかもしれない。「何かあったら、『コールフロムザメトロデッド』の名を思い浮かべながら、電話を掛けたいと願ってみてください。ちょっとしたことですが、『叶い』ますから。」『…。』少女はまたも無反応だっただろう。…しかし、あなたが口にした[コールフロムザメトロデッド]という単語を思い浮かべて、[電話をかける]という行為は少女の記憶に確かに記録されたであろうか。 (1/29 15:36:17)
ず@コールフロムザメトロデッド
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「…(彼には今、笑顔はない。だからその姿で、笑わせるなんてままならない。だから、与えられるのは滑稽よりも暖かみで、それは君にとって救いなのかどうかもわからない。)大丈夫なら、行きましょうか。(君の微笑んだ理由も、わからない。彼の奇術は積み重ねた『努力』であり、『経験』ではないのだ。彼の舞台は、路地の内にまでしか届かなかった。)ああそれと。何かあったら、は、これからもずっとですよ。呼んで頂ければ、いつでも『飛んで』いきますからね。(つまるところ初めて出会った人の表情の意味は、深く読むこともできない。観客の声には、その目にはまだ、慣れていない。)常に誰かがそばにいる、というわけにも、いきませんから…(けれど愚者は手を尽くせるところまでこねくりまわす。『饒舌』の残り香だろうか。はたまた罪悪感の現れだろうか。)理由がなくても構いません。いつだって、『出ましょう』。私はそこにきっといます。何回だってかけ直しても構いません、むしろこちらからもかけ直しますし。(いずれにせよ。彼は君を、確かに『気にかけている』。)」「(ふと、少し語ればもうすでに部屋の内だ。)…ベッドに座っておきましょうか。(女性の部屋の中に入るなんて…という冗談も、通じない。いくら愚者の目とは言えども、君の心は見るからに不安定だ。そのくらいはわかる。)ゆっくり、ゆっくりね。(君と、手をつなぐ。ロマンチックなものではないが、大きな手は、君の少女らしい手をやはり包んで、導いて。)…焦らなくても、大丈夫。(彼は何度も何度も、『大丈夫』と繰り返す。魔法のような言葉だったのだ。)…では。(導きを終えれば。)行ってきますね。(彼は暫しの間、この部屋を後にして、食堂へと向かった。)」 (1/29 16:49:35)
うぉっか。@マルス>
『…。』車椅子が止まったことを受け、少女は少し目を泳がせて周りを見渡していただろう。どうやらぼんやりとしている間に、いつの間にか自分の部屋に辿り着いていたことに気が付けば、なんだか大して運動もしていないはずなのに、少女は身体に倦怠感を覚えていて、部屋に辿り着くなり少女は、大きなため息を思わずこぼしてしまっていただろう。「…ベッドに座っておきましょうか」『…、……。』大きなため息をこぼしたのもつかの間、少女はあなたにそう告げられたことで、これから車椅子からベッドに移動しなければならないことを思い出すだろう。少女はそれが面倒くさく感じてしまったのか、少し顔を俯かせてしまうが、このまま車椅子に座り続けていることも出来ないし、移動しなければ身体を完全に休めることも出来ない、と、少女もわかっているため、面倒くさくとも、それを払い除けてあなたの差し出した手を掴むだろう。「…焦らなくても、大丈夫。」〝大丈夫〟 と何度も唱えられたおかげで、非常にゆっくりだったが、少女は貴方の手を借りて車椅子からおりることに成功し、自分のベッドに身体を移すことが出来ただろうか。……そして「…では。」「行ってきますね。」『…ッ』と、あなたが少女の為の食料を買い出しに向かうために、そう呟いた後に部屋をあとにしようとすれば、あなたが少女の元から離れる寸前に少女の腕があなたに向かって伸びて、反射的に服の裾を掴んでしまうだろう。『ぁ…!』『…っ』無意識に掴んでしまった裾を、少女は咄嗟に離してそのまま腕を引っ込めると、自分の無意識な行動であなたの行動を阻害してしまったことに申し訳なさを感じつつ、部屋にひとり取り残される寂しさに今更ながら気付いてしまった少女は、どうすれば良いかと少し困惑してしまい。そのまま少し戸惑い続けた結果『……は、yく…もど、t…キて…ね?』カタコトで、しかもところどころあまりにも声が小さすぎて聞き取れない部分もあったが、断片的な言葉と少女の表情からでも、きっとその意図は汲み取って貰えるだろうか。 (1/29 17:46:23)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「迷惑じゃありませんよ。(君が何かに怯えているように、繋ぎ止めてしまったものへの罪悪感を示しているのは、よくわかる。服の、さらに皮の下の骨は見透かせるようで、そのように心臓の中は薄らでも、姿形の中にあった。しかし感情こそ口よりも多く語る。理性の上で隠されたものを見抜くほど鋭くはないが、SOSを逃すほど鈍くもない、そうだっただろう。)疲れているときは、わがままを言ってもいいんです。付け上がったら淘汰されますけど…君はそういう人じゃないと、勝手ながら思っています。(そして手を、差しのべられるたった1つのものを、ためらいなく差しのべる。)寂しいとか。苦しいとか辛いとか、弱音は吐いてないとやってられないものです。私だって何度も経験していますし。(彼は愚者で、根性だって据わったものだ。しかしながら25年という時は長く、14歳の君にこの『アルマデル』という組織の存在は、重すぎたのだろう。)…その弱音に応えるのが、私たち『大人』の役目ですからね。(prrrr。)」「こうしましょう。」「こうしましょう。」「(彼は君に、1つ『奇術』を使った。)君の心は、私の『コール』に繋がっています。([容量消費1。])君の心の中に、私はいる。そばにいますよ。(When the night has come)夜を。(And the land is dark)暗い夜の闇を、(And the moon is the only light we see)月明かりしかない夜の闇を。(No I won't be afraid)恐れる必要は、ありません。(着信音は、穏やかな鼓動を促すように、『君のそばに』。糸は、彼のスマート・フォンと、君の心臓の間を揺蕩っていた。)それでも早く戻りますよ。この身がなければできないことも、たくさんありますから。(彼の顔にもう笑顔はない。けれど、)…好きな食べ物のお話でもしながら行きましょうか。心の中でそれを『伝えたい』と願うのも。声を出して伝えるのも、可能です。(その声は穏やかだった。)」 (1/29 18:37:22)
https://youtu.be/hwZNL7QVJjE
うぉっか。@マルス>
『…!』どこからともなく聞こえてくる着信音。その音の在処を少女は周りを見渡して探すだろう。そして、その音の出処がどうやら自分の〝心〟 のなかであることに気がつけば、少女は片手を自分の胸に軽く添え、少しばかり勇気をだして『もしもし…?』と、小さな声であなたからの着信に応えただろうか。「それでも早く戻りますよ。この身がなければできないことも、たくさんありますから。」『……うん』少女はその時、あなたと出会ってから始めて、言葉でのコミュニケーションをとることが出来ただろう。「…好きな食べ物のお話でもしながら行きましょうか。心の中でそれを『伝えたい』と願うのも。声を出して伝えるのも、可能です。」『…うん』『〝わかった〟』この電話の使い方をひと通り教わった少女は、口答での会話はまだ体力的に難しいと判断し、すぐにテレパシーによる意思疎通に切り替えるだろう。しかし、こうして少女があなたとのテレパシーによる意思疎通を望んだのも、ひとえにあなたの励ましと、優しさが少女の心を解きほぐしてくれたからでもあり、少しずつだがあなたに心を許しはじめたからに他ならないだろう。『〝…じゃあ〟』『〝あまいものたべたい〟』『〝ダメかな?〟』通話の向こうで少女の無邪気な笑い声を出してほくそ笑んだような気がしただろうか。あなたに心を許してから、少女はどうにか良い方向に回復しつつあることを、この会話から察することが出来たかもしれない。しかし。少女の今の体調で食べられるものとなればものすごく限られてしまっていることだろう。もし、それ以外の食べ物を口にしてしまえば、少女は食べたすぐにでもそれを吐き出してしまう可能性が高い。そんな中での少女からの要望。果たして、あなたはどう叶えてくれるのだろうか。 (1/29 19:21:27)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「(歩み寄ってくれたな。なんて、言葉にするのは無粋だし、少し恥ずかしい。)声。聞けて、嬉しいです。(とはいえ何も言わないのも無愛想で、せっかく近づいた少しの距離も離れてしまう。だからそんな、純粋な気持ち。)元気な声、聞けて。(『伝えたい』心の内は、君の声で流れる。意思の上にあるものだ。それは『口にする』のと相違なく、君のありのままの声を、身体の内にある記憶で補完され、聞くことができる。)改めましてごきげんよう。こちら『コールフロムザメトロデッド』です。(携帯電話を耳元に、君の声を聞き逃さないよう。長い脚を1歩1歩1歩と素早いリズムでタップを踏むように靴音を鳴らして、確かに『急いで』いるようだ。)数奇な出会いでしたね。本当。無事で良かったですよ。(彼は、『嬉しかった』のだ。彼もまた、いつものような愉快さを少し取り戻して。)生きていて、よかった。(その言葉の意味の重さこそ、やはり少し違っているが、しかし君への希望の礎であることの方が、大きい。それが今、彼なりの、『背負うこと』だった。)」「こうして君の、元気一杯な『わがまま』を聞けて、よかった。(甘いものが食べたい。…改めて、思い知らされる。君が弱っていて、痩せこけていて、遂には口を閉ざしてしまっていたけれど、やっぱり君は、ただの女の子なのだ。少女なのだ。)バナナ、にしましょうか。これならたぶん、病床でも食べられる甘味だと思います。(だから奔走せねばならない。君のような『少女』の、『そば』に、いなければ。)どうでしょ?(売店の前で君の『好きなもの』を掘り下げよう。)」 (1/29 20:15:07)
うぉっか。@マルス>
「〝声。聞けて、嬉しいです。〟」 「〝元気な声、聞けて。〟 」『……ふふっ』思わずそんな笑い声がまた漏れてしまったが、今度は疑いようもなく少女の[〝嬉しい〟]という気持ちが純粋にあらわれた笑い声だっただろう。あなたに〝元気な声〟 だと、そうして言葉にしてもらったことで、少女自身も元の体調に戻りつつあることの実感を得られたようで、少女はあなたとの通話を[〝楽しい〟 ]と感じていただろうか。…そして 「〝改めましてごきげんよう。こちら『コールフロムザメトロデッド』です。〟 」『〝はじめまして、コールさん。〟』『〝ぼくの名前は、マルス・マルクス。〟 』『〝よろしくね!〟 』こうしてふたりは、ほんとうの意味で改めて出会えることが出来ただろう。『〝…あ、それと〟 』少女は思い出したふうにまずそう呟くであろう。それから少し間があいてから『〝ちょっとまだはやいかもしれないけど〟 』『〝ありがとう〟 』これからまだまだお礼を伝えなきゃいけないことはたくさんあるから、今のタイミングでよかったのか不安ではあったが、あなたに今すぐにでも〝伝えたい〟 思いだったから、少女はテレパシーに精一杯の〝感謝〟 の念をおくりながら、あなたにそう伝えただろうか。『〝うん〟 』『〝バナナがいい〟 』自分が呟いたわがままへの答えとして、〝バナナ、にしましょうか〟 という提案を受けた少女は、大きく頷きながら、はっきりと自分の意志をあなたに伝えたであろうか。 (1/29 21:09:01)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「『マルス・マルクス』さん。(名を、反芻する。)ええ。よろしくお願いします。(彼にとって名はとても大切なものである。彼が名前を隠すのもあえてその故であり、『大切な人』だけのものである。…あるいはそれは、妄執のようなものなのかもしれない。彼の死と、彼への愛を経て。)…あ。じゃあさっき名前で読んでしまってましたね。よく考えればそうか。(その本名は全て漢字。しかしまだ晒すわけにもいかない。『大切にする』からこそ、彼にとっての本名というものは、まだ明かされるべくもの、ではなく。)…すいません…バナナ1房と…あと…(声は少し、遠ざかる。)ああ、お見舞いみたいなものですよ…ええ。…ああ僕は大丈夫ですよ…それよりね…はいはい。まあそんな感じです。…あ、ありがとうございます。早めにいかないとなんで…はい。…はい。ありがとうございます。(ちょっとした会話を挟むのも、饒舌の残り香、というものか。)…すいませんね。ちょっと話しこんでしまいました。(けれど彼はそれでも、君をしっかり『気』に掛けて、会話を短く済ませていた。)」「今から戻ります。(そして足早に、帰路に着こう。)今夜は、ゆっくりしましょ。(それは君との『会話』が楽しみ、だからだろうか。)眠れるまでそばにいます。だから、ゆっくり、ね。(君との『ちょっと夜更かし』が耽美な響き、だからだろうか。)他愛もない時間。潰しましょ。(こんこん、とドアからノック音がしてまもなく。)」「『マルス』さん。(君の『名前』を呼ぶ声とともに、扉は開いた。)…なあんて、ね。」 (1/29 22:04:48)