木靴下@カフカ
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(──────────空に浮かぶ星々に魅力を感じたことは無かった。)(夜の空を求めようと手を伸ばしたことは無かった。)(そもそも、空を焦がれはしなかった。)(生まれつき、望まれた翼が生えていなかったから。)(……夜は、嫌い。)(嫌いになる理由はそのお手元にあるぐずぐずになりながら辛うじて四角の原型を保つそれを渡してきたある野郎のせいだ。)(────────【危機察知】×3)(舐められたものだと、実に苛立つ。)(……中身がどんなものであるかは知らない。だが、明らかに〝シキガミ(自分)〟にとっては悪影響なものであることくらい察せる。)(「生きていてほしい」と譫言を歌ったあのクソ野郎をどうしてやろうかと、カフカは寒空の下、ぴりぴりとしながら思考していたのだ。)「─────────あら。」(…………彼がいたのは【中庭】だ。噴水の枠に腰掛けて、悠々と蒼く輝く尻尾の先を燃やしながら、珍しく星空を見上げていた。)(貴方は隊長補佐であるあの子に、会議に全く出ない隊長を探すように頼まれたのかしら。それとも、何か、彼にお願いがあってきたのかしら。もしくは、単なるお喋りのため?)(彼はそれでも、貴方を迎えるでしょうね。)(倦怠的な細い瞳を薄く、薄く伸ばしながら、暗がり、月明かりを頼りに貴方の輪郭を捉えて、…それで漸く、その身に纏う冷たい威圧感を、湧き出る怒りと殺意を引っ込めた。)「……〝おかえり〟、カノープス。仕事終わりかな?」(とても、冷たくて。とても、淡々として。酷く、落ち着いた声が貴方を出迎えるだろう。)(貴方の目に、危険が映らないように。カフカはそっと自分の影にクズとなった煙草の箱を隠した。)(せっかくの貴方との会話なのだから、邪魔者に気を割きたくなかった。) (1/29 19:23:24)
高尾@カノープス>
「(軽く手を振りながら、笑顔を彼の方に向ける。)やぁやぁカフカ隊長!探したんですよ、なんだか今日見かけないな〜と思いまして!(彼は。隊長としてこの『4番小隊』に配属されている。きっと此処にいるということは何か、あったのだろうか。…いや、私の考えすぎかもしれないが。)…あぁ、一人の時間に声をかけるのもアレかな〜と思ったのですけれども。(彼のどこか不安定な表情に申し訳無さを感じながら。)…もしも何か悩みなどあるなら聞いてきますよ!いえ、特にそんな悩みが無いようであれば普通の雑談のようなものでも勿論!少し、話していきませんか?(話すことが、好きだ。たとえそれが何の話題であろうと…とは流石にいかないものだけれど。やっぱり誰かと話すときが一番楽しいから。)」 (1/29 19:51:16)
木靴下@カフカ>
(『過負荷』。)(それは周囲にまで強い影響を及ぼすカフカ自身の能力である。)(故に貴方も、きっと小隊の誰かから伝えられているはず。もしくはその耳で、ある噂を拾い上げたんじゃあないかい。)(〝四番小隊の小隊長、カフカは、同じ場所にずっと留まっては居られない〟。ってのをさ。)「ふふ、ぼくに悩みなんてないよ。」「気にかけてくれたんだね。ありがとう。」「……でもその心配は、自分に使いなさい。」(カフカは淡々として返した。弾んだような、楽しい声ではあるものの、その表情は石膏の如く、ピクリとも動かないところを見るに、カフカは表情を表に出すのが得意ではないのだと察せられるだろう。)(そんな表情筋の乏しいカフカはしばらく考えるように、その特徴的な尻尾をゆらゆらと空中に踊らせる。)「………君の話がいいかな。ぼくは生憎、話せるほどの話題なんて持っていなくてね。」(思い付く限りで楽しい話題、なんてものはなくて。)(貴方の星のように明るい輝きにそれを不必要と判断したカフカは敢えて、貴方の話を聞くことに専念しようとするだろう。) (1/29 20:12:19)
高尾@カノープス>
「私の話、ですか!そうですねぇ…(なにか良い話題は無いだろうかと少し考え込む。そうだ。)…星にまつわる話でもしましょうか。(そう言って、彼の隣に座り込む。)」「…『星めぐりの歌』ってご存知でしょうか。『赤い目玉のさそり、広げた鷲の翼』…これは昔、本当にむかーし教えてもらったもので…有名な星座を歌った曲なんですが。素敵だなぁと思いまして!星座…星を繋げて別の物に例えるなんて。素敵な感性ですよねぇ…いや、中には『なんでそうなるの???』ってモノもあるのですが…たとえばほら、こいぬ座なんて、2つの星を一本線で繋げただけなんですよ!(笑いながらそう話す。こいぬ座は冬の星座だから、もしかしたらここからでも見えるかもしれない。)」 (1/29 20:56:14)
木靴下@カフカ>
(星。)(星、かぁ。)(…星のことはからっきしだ。)(そもそも、夜に星空を見上げることなど今に至るまで、ないことだった。)(貴方の歌う「星座」というものを浮かべながら、カフカはそれに続けるように口にした。)「………光速。」(光の速度は秒速30万km。一秒間で、この地球を七周半回ることののできる速度である。)「星の光は、遠いところからこの場所にまで届いている。…光の速度で、何光年もの先から。」「今から数千年前だったら、もっと夜空は星がぽつぽつとあるだけだったかもしれないんだって。」(万葉集には七夕の詩が書かれている。その中には星がはっきりと描かれていることがある。…現在とその詩が描かれたその時代では、夜空に浮かぶ星の見え方は違っていたとかなんとか。)(あんまり、覚えちゃいないけど。)「…………後数百年経てば、他の星の光が、この場所まで届くかもしれない。」「今ある星座は、もっと変わってしまうかもね。」「……君が見ている〝こいぬ座〟だって、数百年後には本当にこいぬのようになっているかもよ。」「…もしかしたらもっと、違うものにだって。」(世界は絶え間なく変化し続ける。)(貴方も皆も、時を刻んでいる。)(───────カフカ、君は。)「……ふふ。」「それより先に、星々を転々とした方が、早いかしら。」「なんて。」(カフカは変わらず表情のない顔で、貴方に言って見せるだろう。) (1/29 21:16:51)
高尾@カノープス>
「すごいですよねぇ。…あんなに遠いものの輝きが此処まで届いている、なんて。そう、光…(私は。皆の光になりたい、そう願っているのですが。『今』この時、あなたの光になれている、でしょうか。)うぅん、きっとこれからも変わり続ける星と共に気が遠くなるほどの時を過ごしていくんでしょうねぇ。私達はシキガミですし。…いや、此処に居る、という事は完全な安全は保証されないでしょうが…来るときまでここで、もう少しだけ4番小隊、もちろん他の隊の方たちとも一緒に居られたら。なんて…あぁ!関係のない話になってしまいましたね…(話が逸れてしまう悪いクセが出てしまった…)すみません。本当はもっと楽しいお話にするはずだったんです。どうか、どうかこの暗い『夜』を少しでも良い時間にできたらな、と…」 (1/29 21:46:39)
木靴下@カフカ>
「カノープス。」(カフカは、貴方の名前を呼ぶでしょう。一つしかないそのガラス玉みたいな澄んだ瞳で、貴方を捉えて。)(貴方より身長の高いカフカは、その指一本足りない手のひらで、貴方の真っ青な髪を、その頭を軽く、優しく撫でてやることでしょう。)「…………何も、〝無理することはない〟。」「手に届かないものは、どう頑張ったってあるものだ。大切なのは、次にどうするか。」(貴方は少し、決断を、自分の意味を、焦りすぎちゃあいないかい。)(〝今〟)(君が光でなくてはならない理由はあるかい。)(…光でいることは、他人を照らすと同時に。)(…………【孤独】だよ。)(誰もその強い光のそばには居られないからね。)「…いい時間だったよ。……少なくとも、ぼくはね。」(貴方が申し訳なさそうに謝罪をするなら、カフカはそれを否定したでしょう。)(四番小隊はいつかお別れが来る。…それまでに。)「ぼくはもうしばらく、夜風に当たることにするよ。」「…君は、寮に戻りなさいな。人ではないとはいえど、寒さは感じるだろう?」(しばらくしたら帰るからって、小隊の子達に行っておいて。)(貴方はカフカからそんな言伝を預かって、きっとその場を追い返されることでしょう。)(………貴方が言った星のこと。後で少し学んでおかなくっちゃ。)(カフカはそんなことをぼんやりと考えながら、一人で夜空を見上げていることでしょう。)(ね。) (1/29 22:02:38)