ず@コールフロムザメトロデッド>
「(『娘のような』『奇術』『楽しませられる』『約束』)…ちゃんと、あなたは心を交わせたのですか。円情報局長。(問うても問うても、返ってくることはない。『Marlboro』と銘された煙草の箱を、胸の内に潜めながら。彼女のものではない。ただ、あの車の中でふと見たもの。)…なんでだろ。(その問いの答えは既にわかっている。自分自身が、愚者だからだ。欲しい応えはもう有り得ないけれど、それでも。それでも、そんな無責任な約束を守ろうとするのは。)…"KNOCK"(スキャット、なんかしてみて。)"KNOCK KNOCK"(身振って手振ってこんこんと、パントマイムでも踊ってみて。)…うまく、楽しませられますかね。あなたが死んでしまった後で。彼女が傷ついた後で。(真っ白な道のりの中で、『あなた』の存在が黒く背中に乗る。)…いいえ。やらねばなりませんよね、それが『あなた』の死を背負って、立つということですから。(けれど【根性】は、生半可な重みを背負い続ける。負けは、しない。)」「(こんこん、と音が鳴る。)」「失礼します。(今度は扉を叩く"knock"である。スキャットなどではなく、山のようにした中指の第2間接を硬質な、またも白いドアに叩く音。)ごきげんよう。(その先にあったのは。『円情報局長』、君の知らない彼の姿だ。)告知は今日でしたかね。(放送を。聞いただろう。)本日より、まあいろんな処理を得て『6番小隊小隊長』に就任させていただきます『コール・フロム・ザ・メトロデッド』と申します。(彼女が願った人物は、今やその頃とはかなり『違って』いる。)…はじめましてではありませんが、こうしてゆっくりと話す機会は初めてですね。(3人もの人間の死を背負い、今や『娘』の、上司のような存在だ。)とどのつまり、小隊長として、君の有り様は私の責任でもあります。(責任を負う、存在だ。)そういうわけで…というだけでもありませんが…お見舞いに来たわけですね。どうぞ、バナナお好きですか?(なんて体裁で、彼は約束を果たさんと、いくつもの房を持つ甘い果物を、君のそばの机に置いた。)この前もとある人のお見舞いみたいなものでバナナ買ったんで、購買の人に驚かれちゃいました。(なんて小話も添えて。)」 (1/30 18:07:49)
ダウノット>
……………先ずもって前置きするけどね、ボクは大層機嫌が悪い。( さて、何から話そうか。清潔な入院着なんてものを身体検査も兼ねて居るからと医療棟に運ばれてからというもの着せられて、靴はないから気楽に歩けず、駄々を捏ねた結果として気持ち大きな物に変えてもらいはしたがいつもよりも手を隠す袖の余り丈は短めで、血を抜いたり検査の都合上ベタベタと身体に触られ問われる質問に答えたところで意識の混濁が云々と信じてもらえずに。暇中の暇、不快中の不快、それはもう不機嫌を越して御立腹。明日にでも元に戻ると言っても今不愉快であることに代わりはない。そんな中に来たのがキミで。然りとて八つ当たりはみっともないなんて分かっているものだから。眉間に皺を寄せて、彼女は暫く言葉選びに迷っていた。『 …短く済むものから話させておくれ。…先ず、大した怪我…いや、意識を昏倒させるのは大した怪我か?………まあ、主観的に見て大した怪我でもないけれど、お見舞いに来てくれて有難う。バナナは大好物という訳ではないけれど普通に好きだから、有り難く戴かせて貰うとしよう。…折角ならそのまま週一でも良いから、購買にバナナを買いに通ってみたら如何かな。バナナの人と裏で覚えてもらえるかもしれないよ。 』『 それから………、……まあ、そうだね、隊長就任おめでとう。生憎クラッカーも祝いの品の1つも準備の出来ていない有り様だけどね、おめでとうの言葉位は掛けさせておくれ。 』同じ隊、同じ部屋に閉じ込められたことのある幼い子が、…同じ部隊としてやんわりとではあるけれど聞かされていたものだから、功績を得た隊長就任がめでたいことであるのか、正直な所分からなかった。キミの隊長就任はただの進級ではなく、変わらざるを得なかった、そんな証のようにだって思えたから。口元に運ばれる布で覆われた手は思考の癖で、普段よりも揺れやしないのが落ち着かない。道を塞ぐ岩を退かさずに乗り越えて、そうやってキミへの言葉を紡いだ。『 ……………キミはボクの隊長になった。けどね、 』『 ボクはキミに、責任を取って欲しいとは思っていないよ。 』『 …キミを隊長として認めていないだとか、そういった話じゃない。ただ単に、これはボクの責任、更に言うならボクを傷付けた奴の責任だと、ボクは思っているってだけの話だ。あの日、植物園に行ったのも、襲われた上で助けを呼ばなかったのも、反撃するような力がないのも、それはボクが選んだ行動による結果であり、ボクの責任だ。態々キミに背負ってもらうようなもんじゃあない。………尤も、心配してくれるというのなら素直にそれは有り難い事だし、ならお見舞いのバナナを返せと言われたところでボクは絶対に返さないけどね。 』 (1/30 18:42:49)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「君は…ある意味、私よりも饒舌かもしれませんね。(なんて独り言。彼は年々饒舌さを減らしていて、今じゃもう言葉数は多い方、という塩梅だ。独りの中の独り言はかなり少なくなったものだが。)一応、お気に召したようで。(機嫌が悪い。中で、その反応ならばまあ十分であろう。)まあバナナは僕も好きですけど、バナナの人として小隊長が覚えられるのはなかなか不名誉ですね。『責任』だけでお見舞いに行ってたら、週一どころの話じゃなくなるかもしれませんし。(目的はそうじゃない。)…小隊長という肩書きは、捨てるわけにはいきませんし。あなたに祝われる通り、これは『誉れ』ですからね。(重み。なんてのは、今君の前で作るべきものではない。冗談っぽく言葉にしよう。血塗れの名は悲しいものだが、君には関係のない話。彼には表情がなく、感情は声にしか出ない。シルクハットで顔を隠すのだって、君にとっては何かただの『癖』であり、『表情』なんかには到底見えはしないだろう。)それとそう。『責任』だけでは、無くてね。(何より目的は、そうじゃない。)」「まあ。『依頼』みたいなものですよ、半ば強制ですけどね。(申し付けられたのも、特権階級の人間からの指示だ。とはいえ彼は、今でこそ冷静に対処しうるが、『噛みつく』人間で。つまり断ることは、できた。)依頼人の情報は機密事項ですから、今は言えませんが。(それでも今君に依頼を果たそうとしているのは、彼女の、ためなのだろうか。機密でもなんでもないけれど、情報局長の名前を出すことが今の彼女に何を与えるのか、未知数であった。)といっても。ここから先何もやるこたないんですけどね。(だから、『いまではなかった。』)殺し屋とかそういうんじゃないですけどね、『小隊長として』、という目的にも。一応、合いますからね。(あるいは察しがつくだろうか。)まそういうわけで顔合わせ…という意味もあって、来ています。あまりいい出会い、にはならなかったようですが。(奇術師として。…心血を注いだそれを信じられたから、彼にはやはり断れなかったのだ。)」「これは『小隊長として』の方なのですが…もし助けを求めることができるなら。『コール・フロム・ザ・メトロデッド』の名を思い浮かべて、『電話を掛けたい』と願ってみて。私、『飛んで』いきますよ。(しかし今は、血なまぐさく守るくらいしか彼にはできなかった。)」 (1/31 02:34:30)
ダウノット>
よくお分かりで。減らず口を減らせと昔は散々怒られたものだけど、怒るのが愉快だったものだから寧ろ口数を増やしてやったよ。( その後、肉体言語でお話しするはめにはなったわけだけど。その時の名残…なんてのはまあ関係無しに、思考を全て口に出すものだから、彼女の口数はとても多い。静かなときといったら、研究を進めているとき、寝ているとき、ご飯を食べているときに……誰かと一緒に居るときなら、円さんと部屋で過ごすときくらいなものだった。例外としては、『 良いじゃないか。少しくらいキャッチーな方が親しみやすさも増すというものだ。………………………、? 』責任だけではなく、内緒の依頼人から半ば強制の依頼を受けていて、ここから先やることはなく、小隊長としての目的にもあっている。それは一体なんだろう?と、不可解なキミの言葉に疑問を覚えたときに限って、彼女の口は漸く休暇を得たようだった。正しくきょとん、と、小首を傾げる。ぱちぱちと瞬きながら、改めてまじまじとキミの姿を上から下まで彼女は眺める。けれども、分かるわけがなく。『 …………ボクを気にかけるような人間なんて、…円さんくらいだったものだけどね。 』瞳を伏せて、空気に溶けてしまいそうな程に淡い、スポイトから掬いきれずに落ちた一粒のような言葉が溢れる。だって、有り得ないことなのだ。遺書らしいものはなかったし、これから話そうと約束をして、あまり話せない内に自殺をした。誰かに託すなんて、母らしい行いをした可能性を切り捨てるには、あまりにも安い判断材料。けれど、そんなことをするくらいなら、せめて、自分へ向けた言葉が欲しかった。自殺なんてしないでほしかった。誰かになんて引き渡さないでほしかった。守るのは、隣にいるのは誰かなんかじゃない、円さんが良かったのに。…………ああでも、首を噛まれたなんて知ったら、凄く怒っただろうから、…知って、苦しむようなことがなかったことは、まだ、………まだ、良かったのかもしれないな。『 ………けど今は、キミもボクの事を気にかけてくれるというわけだ。…不思議なものだね。まさかボクの人生において、こんなことがあるだなんて夢にも思わなかった。なるべくキミに助けを請わなきゃいけない状況になんて、身内の裏切りだなんて1度あれば充分なものであまりもう遭遇したくはないものだけど、キミに気にかけてもらえるのは存外悪くはない。元が貧弱であるのに更に弱っている職員なんて良い鴨だろう?…そんな事を考えてる段階で、もうだいぶ毒されてきてはいるのかな。 』瞬きの間に、彼女はいつもの風に戻る。話すテンポは先の想いを流してしまうために早く、その為一寸だけ息が途切れた。依頼をしたのが誰にしろ、何にしろ、気にかけたところで何かを得られるわけでもない。適当な話で流して忘れてしまった方が到底楽で、こんな話をしておきながら、いざとなっても、きっと助けは求めないだろうとぼんやり思った。キミが、血に濡れてしまうから。あまり、苦しめた責任だなんて負いたくはないものだから。だから、抱えている状況や、身の上話を明かしてしまおうか少し迷って、…キミ自身が問うまでは、口をつぐんでおくことにした。此処まで来てしまっていても、強いたくなんてやっぱりないんだ。『 …………部下として、情報収集は任せてくれよ。…戦うことは苦手だけどね、これでも、そういったことには長けているんだ。 』 (1/31 04:01:50)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「いい、『エンターテイナー』ですね。他人の感情を楽しむのは演出者の特権だ。喜怒哀楽も全て。(いつだって独り言ばかりなのが彼で、君は単純に口数が多い、といったところか。)まあ…奇術師というカテゴリで言えば、滑稽な肩書きの方がいいんでしょうがね。演出者にとって笑わせたり驚かせたり楽しませたりには、必要なものですし。(『楽しませてほしい』と約束…『依頼』、されたから。そんな冗談みたいな肩書きだってあってもいいかも。)でも、この肩書きを『背負った』からには、威厳も必要なもの、ですからねえ。(…と思うには、当時よりも立場が、違いすぎた。犠牲の上に立つということは、軽いものではない。死体の上の大将に、背負えるものは背負って生きたい、のだ。)それを持ってして、『小隊長』だと、私は思っていますからね。(だから、彼は立場というものにこだわりを持つ。君の思う通り、彼が今ここに立つのは、本意ではなかった。祝われるべきことであるのは間違いない、けれど背負っていくその意識は変わらない。)」「…(だから、背負っていたものを託されるなんて、理解しがたい。)そう。そう、ですか。(むき出しになった鋼の歯に表情などなく、シルクハットで顔を隠しながら、ただそれだけを言葉にして、しばらく。)…ちゃんと、伝えたんですかねえ…(これはただの独り言。伝えなければ依頼を受ける気はない。…それが果たされることはあったのだろうか。)奇遇なことに、私も殴り合いには強くはないんですけどね。いざとなれば無理やり庇う、というくらいしかできませんが…(血塗れに、成りたくて成ったりはしない。ただ、守るべきものを見失うこともない、それだけのこと。)種を明かせば、それも依頼の1つですから。(見失うわけにも、いかないから。)危ないことに首をつっこみすぎないように、ね。(気に掛けている。約束のために、小隊長として、色々あるが、彼は辺りが死んでいっても、信念を曲げない。)…私の周りには救いを求めない人ばかりです。君まで、そうなってはほしくない。(人を、守りたいという。)」 (1/31 22:37:42)
ダウノット>
…………………難儀だなぁ、キミ。( ただ剣を抜いただけで、少年は勇者になった。ただ王の子として産まれただけで王子となり、ただ生きるために戦っていればいつか英雄と崇められる。願い、祈り、求める意思の呪いは、キミにまとわりついているようで。…それを理解した上で、振り払わずに、折れずに、背負い続けている。いつだって選ばれるのはそんな人間で、だからこそ、いつか折れてしまいやしないかと不安になり、………いっそのこと、折れて逃げ出してしまえば良いのにと思う。置いていかれるのが、寂しくないわけではなくって、置いていかれたから願うものがあって、何処までも我儘な独白だ。『 ……そんな事に運命を感じたくはなかったな。いやはやまさか、肉壁として助けに来るだなんて思いもしなかった。それ下手すれば、二人とも洒落にならないじゃあないか。随分とまあ無茶をする………。………今からその忠告を投げ捨ててしまうボクが言うことでもないけどね、キミ、鏡を見てからモノを言ってごらん。そうすればまだボクは許そう。 』冗談のような一コマを得て、うげ、と少女は眉を寄せた。思えばキミは元小間使い、戦闘力を求めたのが間違いだったといえばまあそうだけれど、実績と口振りが誤解を生んだ。要らないんだよ、そんな奇遇も、運命も、お揃いも。助けを求めれば体が傷付き、求めなければ心が傷付く。どちらにせよ質の悪い。そんなキミが、危ないことに首を突っ込みすぎないように、だとか、救いを求めない人になってほしくない、だとか言うのだから、尚のこと悪い。第1に、『 ……危ないことにはね、もう大分巻き込まれてはいるんだよ。此処に居ることが先ず1つ、襲われたことで更に2つ、首を突っ込んでおかないと寧ろ危ないくらいには、もう色々と巻き込まれてしまった。この2つだけじゃない、キミの知らない範囲のことも含めて、ね。危ないことはわんさかある。忠告を投げ捨てるというより、受け取りようがないといった方が正しいのかな。………嫌だねぇ、ボクは細々と個人的な研究をしていただけだというのに。』『 ……まあ、たまに戻って取りに来ようとするくらいには、うん、善処はするよ。 』元より此所で産まれたときから、危ないことには首を突っ込んでいる。寧ろすっぽりと全身が包まれてしまっている。真っ白な危険が今や赤や黄色に色付いて、いっそう可視化されてしまっただけのこと。周りが暖かで、危険のなかに時折幸福が出来たものだから、危険が真新しく見えてしまっただけのこと。呆れながら、冗談のように口にした。救いなんて求めようもない。それでもキミのように、与えてくれる人が細々といるものだから、…それだけで彼女は十分だ。) (2/1 04:51:30)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「難儀ですか。君には私が、そう見えるんですね。(言われてみれば、それに値するものなのかもしれないとも感じる。【根性】は、死んでも死んでも『負けない』、『負けることのできない』、英雄の呪いを根付ける種。負けないから、無くすことだってできない。)…まあ、あれです。僕も幾度となく、難儀な生き方をしている人を見ていきました。(あるいはそんな『人』らにとって、自分自身もそう見えたのだろうか。)ヒトっておかしいんですよ。いつになっても逃げることのできない真面目さんだったりとか、(彼の執念は狂っていた。彼は常に誰かの子供でありながら、そのパパを殺すことに執着していた。)いつだって逃げなければ生きていけないような面倒くさがりさんだとか。(彼女の諦観は狂っていた。見ず知らずの男に娘を託して、肝心の自分自身は死に身を投げて。)色々いますけど、どちらもそれは『人間らしい』、と思うんです。だから守りたかった。守りたかった、『人』だった。(置いていかないのは我が儘で、置いていってほしいのも我が儘だ。だから決着は、どちらが折れるかで決まる。彼はだから、折れないだけだ。)」「苦手なりにやれることはありますよ。背負ったままで犬死にする気はありません。(だが鏡を見ては、自分も狂うしかない。呪いにその身を浸すしかない。このだらしのない細く弱い体では、背負いきるので精一杯だけれど。取りこぼしたくは、ない。)その上で、私は君を守りたい。避けがたいものがあるなら、私がそれを守るまでですよ。自分でいうのもなんですが、しぶとい根性持ってるんですよ、私。(空いた胸元をさらに大きく空けて、)ほら。…こんなに縫い目がいっぱい。(その中には、やはり『奇遇』にも、誰かの咬み跡が首元にある。そして彼は、明らかにそれを見た。)…名誉の負傷です。それでも生きて、今ここに立っていますから。(守りたかった。例え『裏切り者』であることがわかっていたとしても、もっとその声を聞いていたかった。)…立ち続けるのには自信ありますから。(そこに立っていたのは、たった一人だった。)私にはまだ、たくさんやることがありますから。(あの場所でまだ、たった一人。)」「…『また会いましょう』。(君は今、どこで誰と立っている?)それを君と私の呪いとしましょう。何がなんでも、『また会いましょう』。(本当の自分でなくても、本当の君でなくても、少しばかりのよりべになれれば。)あ。でもあなたが気に負うことではないですよ。私が生きるために、君を守るために課した呪いです。でもできれば…(面会時間終了のベルが鳴る。)君も足掻いてくれたら、嬉しいかな。」 (2/2 15:42:20)