七五三野紫苑>
(約束の時間はあと数十分後、待ち合わせはチケット売り場前の時計。今日は_________)
「.................なんで私...?」(何故か、遊園地で子守りをすることになった。)
(ふぅ、と白く細い煙を吐き出して一言、率直な感想だった。正しくは遊園地に誘われた。口説いて仲良くなった女の子に.....................ではなく、11歳の少年に。VOL_5202_USA、ヴォルカノカリスの調査に当てられた非戦闘員の職員二人。命がけとはいえ “ 任務を行っただけ ”、それだけの関係とも十分表わせるものだった。“ 国内最大級の煌びやかなイルミネーションにマスコット達のパレード!アトラクションも沢山!ここでしか変えないグッツも盛りだくさん!”....謳い文句のエトセトラ。まさか “此処” にきて初めての遊園地デートのお相手が子どもになるとは思ってもみなかった。待ち合わせ場所からは少し離れた喫煙所、そこでできるだけ煙を肺に詰め込む。流石に中じゃ吸える場所なんてごく一部、楽しみに来ている子どもをわざわざ付き合わせるのも気が引ける。...保護者代わりがだらしない恰好じゃいけないから、今日くらいは久々にきっちりと着付けておいた。さて、そろそろ時間のはず。裾に当たらないよう据え置きの灰皿に、身なりも動作も今日は少しだけ抑えめで。貴方の姿を見かけたのなら、ナナ坊、とでも声をかけようか。) (2/6 23:12:54)
奈 々>
「あっ、お姉さーん!こっちこっちー!………えへへ、また会えたね。」(何を馬鹿な、と貴方は笑うでしょうか?それは、互いが生きて帰った証明であり、互いが此処に居る証明。だって、見慣れた貴方の姿だと、僕が見たい姿を脳裏に移しているだけかもしれないじゃない。だから、お祝いも兼ねて。)「ごめんね、遅くなっちゃって、その、服装がなかなか決まらなくて…… どうかな、似合う?」(にへらっと浮かべた笑みは照れ笑いにも申し訳なさを誤魔化すずるい笑みにも見えるかもしれないけれど、ただ単にお姉さんに合えたことに対する笑みかもしれない。それはお姉さんには内緒だけれど、でも、多分、他意なんて微塵も無い筈だから、あんまり悪くは映らないはず。)(お金があまりないから、いっぱい服は持っていないけれど、いつものスキニージーンズに黒のタートルネックニットとなんだろうこれ、上着?アウター?と、高めで三つ編みをくるくるってしたやつ。未だに名前が覚えられないけれど、少しは自分で出来るようになったから、誰かに見せたかったんだ。施設内でこうしているのはなんだか気恥ずかしいけど、でも、お姉さんになら見せても良いかなって思ったんだ。)「ね、まずは何処に行くっ?」(少しだけ前を歩いて、はぐれないように手を差し出して、今日は僕がエスコートするよって伝えてるつもりだけれど、子守りのつもりならちょっとだけ寂しいけど、お姉さんは、どうだろう。) (2/7 00:08:37)
七五三野紫苑>
「おや、お洒落してきたのかい?よぉく似合ってるよ、ナナ坊」(そういって、編み込まれた髪が崩れないようゆっくりと、貴方の頭に手を伸ばす。普段とは違う恰好...とはいっても、顔を合わせたのはこれで二回目。一つ結びにしていた髪は高めに編み込まれてすっきりと。動きやすさ...というよりは見た目重視のようにも思える服装。遊びに来た子どもにしてはすこし大人びていて、それが貴方なりの背伸びの様にも思える。)「いいやぁ?時間ぴったりでお姉さんも用があったからおあいこだよ、わざわざお洒落してきたんだから今日はたくさーん楽しまないとな?」(子守りだとしてもデートだとしてもせっかくの遊園地。貴方の気持ちを無下にして、自分だけ楽しまないのはなんだか損、嬉しそうに微笑む貴方とともに楽しんでおいた方がきっと徳だ。)『ね、まずは何処に行くっ?』「そうだねぇジェットコースターなんて定番だが...もう並んでてもおかしくないねぇ...」(差し出された手へ答えるように合わせてから、迷ってしまわないようしっかり握って、貴方と一緒にプランニングを。楽しめるものは楽しめる内に、何がどうなってもおかしくはない世界だ。こうして楽しんでおくのはストレスケアの内だと勝手に脳内で説明付ける。きっと、気の間違いにしても精々数年。そのくらい立てば、知らず知らずの内に忘れるものだ。)>ななくん! (2/7 01:12:06)
奈 々>
『そうだねぇジェットコースターなんて定番だが...もう並んでてもおかしくないねぇ...』(昼を少し過ぎた頃、保護サイトの子達にご飯をあげて、少しお世話をして、それから午後に休みをもらったから、どうしてもこんな時間になってしまったけれど、多分、あまり長くも一緒に居られないのだけれど、でも、此処でお姉さんと会えて一緒に居られたって事実が欲しかったから、出来る事なら笑っていてほしいから。今日の全部が楽しい思い出に成ったら、良いなって思うんだ。)「うーん、…でも、お姉さんとなら並んでる時間も楽しいだろうから、ジェットコースターからにしよっか!」(旅の目的は目的地に着く事じゃないのかもしれないね、なんて誰かが云ってたのを思い出したんだ。高低差と速度を楽しむだけなら、絶叫マシンなんかよりもスリルいっぱいの冒険を僕達はしてきたし、それでもデートにこの場所を選んだのは、…普通の人みたいに楽しみたかったから、なのかも。僕は貴方の手を取って小さな歩幅で少し駆ける様に列へと向かう、今日は少しだけ、大事な話もあるから、観覧車は後回し。) (2/7 21:08:47)
七五三野紫苑>
『うーん、…でも、お姉さんとなら並んでる時間も楽しいだろうから、ジェットコースターからにしよっか!』「おやおや、お姉さんに口説き文句かい?随分うれしいことを言ってくれるじゃあないかナナ坊。そういうのはかわいこちゃんにいうもんだぜ?」(貴方といる時間は特別、なんて少しベタだけど、面と向かって言われればすこし照れくさい言葉。不思議と少し緩まってしまった口角は、矢印を変えて誤魔化して。彼女も貴方も同じ職員、休みとはいえ貴重な時間。せっかくなら、楽しめるものは多ければ多いほど良いと思っていたけれど...貴方が嬉しそうならそれもきっとまた良しなのでしょう。平凡で、普通で、何処にでもある、在り来たりで特別な一日を。エスコートで手を引かれるままに、貴方の歩幅に合わせて一歩ずつ。)「そういやぁナナ坊、お腹は空いてないかい?降りてきたお嬢さん方みぃんな、叫び疲れてへろへろになってるみたいだ。私達も乗り終わったら...休憩がてら何処か探すかい?何か食べたい物~だとか、なんか買っておきたい物はあるかい?」(最後尾につき、真上から聞こえる声は何処かたのしげな悲鳴ばかり。仲睦まじげに談笑する少女達は明るいものの、思いっきり叫んだからか少し疲れの見える顔。もう疲れてもう動けない!...なんて事が無いように、貴方へそんな提案を) (2/7 22:16:41)
奈 々>
「僕は電車でちょっとサンドイッチ食べてきたら、まだ大丈夫だよ。…お姉さんはお腹空いてる?こういうところってレストランもあったりするもんねっ!」(ふにゃりと自然に口角が上がってしまうのはこの場所の雰囲気にのまれているからなのかもしれない。遠くでは大きなマスコットたちがパレードを開いていて、他のお客さんたちが写真を撮りながら集まっている。そこにはたくさんの人たちがいたよ、兄妹みたいな二人とか、とっても綺麗なお兄さんとお姉さんの恋人同士とか、高校生くらいのお姉さんたちが一緒にお揃いの被り物を着けてたり、それから……お父さんに肩車してもらいながらお母さんと手を繋いでとっても嬉しそうな子供まで。そこに居るのは僕達がカミサマから護るべきひとつひとつの命や生活や絆みたいなものがあって、顔も名前も覚えきるには有り余る彼らにもそれぞれの人生があって、それで、…そのひとつひとつが決して失われてはいけないもので、だからどうしたんだろうね、って話なんだけど。)「………ね、お姉さん。また何度も来ようね、肩を並べられるくらい僕がオトナになっても。……その時は、お姉さんじゃなくて、紫苑さんって呼ばせてね。」(いつのまにかエスコートしていたはずの握った手に力が入ってしまっていたのは、なんでだろう。もしかしたら、嬉しい、楽しい、だけじゃなくなってしまったからかもしれない。これじゃあエスコートなんて言えないなあ、って少し寂しくもなったけど、でも、大丈夫。僕らの間に流れる時間はあまりに差が在り過ぎるけれど、でもまだ時間が無い訳じゃないから、次来るときにはきっともっとちゃんとお姉さんを楽しませられるようになってるはず。そんな風に願いながらパレードを見つめていたらもう僕らの番みたいだ。僕は手を繋いで小走りで進みだす。)「行こ、お姉さん!一番前の特等席をふたり占めしちゃおっ!」 (2/7 22:31:02)
七五三野紫苑>
「ん、そうかい?そうだなぁレストランなんてのも魅力的だが...ミニカステラにフライドポテト、チュロスやタピオカにソフトクリーム!こういう所で食べるもんは格別美味いんだぜ?軽くポップコーンでもつまみながらでも次の乗り物を決める、なんてのはどうだい?」(人の寿命などとっくに越している、古い古い妖怪のカミサマとは思えないほど、俗世に染まった提案を。ただのポップコーンでも遊園地の物。お値段は少し割高でも、他の場所で食べるよりちょっぴりおいしいんですから!育ち盛りのお昼ご飯にしては少なめ、だったらすこし付き合わせてでも食べられる時に食べた方がいい。そんな思いを隠して貴方にそう伝えよう。)「なんだいナナ坊~、そんなに遊園地好きなのかぁ?」(目線の先には平穏があった。形こそ違えど、それはあたりまえで、それでいて何より尊くて、何よりも大切な物。時代も場所も、形だって違くたって、きっと自分にもあったはずの物で、それは彼も同じはずで。)「..........そうだねぇ、じゃあまた、ナナ坊が誘ってくれるかい?お姉さんす~ぐ忘れちゃうから、代わりにお姉さんの分まで覚えて置いておくれ?」(自分は代わりになんて成れない。何よりなれる確証が無い、そんな自信もない。“お姉さんから見たらナナ坊はず~っとナナ坊だよ” なんて、普段のおどけた言葉も口にする気になれなかった。)少しだけつよく握られた小さなこの手だって、きっと自然と離れていく物で、嫌でも忘れていく物だ。本当は、深く付き合うべきじゃないのかもしれないけれど、今はその手を離す気にはなれないから、もう少し。残響でも、景色でも、この手のぬくもりでも。もう少しだけでも、この思い出を長く)「ナナ坊、あんまり急ぐと転ぶぞぉ?ちゃーんとベルト閉めてもらわないと真っ逆さまに落っこちるからなぁ?」(ちゃんと、忘れずにいられるように) (2/7 23:57:01)
奈 々>
「良いねっ!アプリコットとアーモンドのスコーンとか、あるかなあ、ベルガモットのアールグレイもあったらいいなあ、……でも、お姉さんの好きな物も食べてみたいなっ!これが終わったら連れてってね!」(僕はそんな風に出来るだけ多く言葉を紡いで、ベルトを巻いてもらって、今より先の事に目を向ける。それは口に含んだジャムの風味がロシアンティーに混ざっていくように、出来るだけ甘酸っぱさを仄かな苦みで掻き消すみたいに。)「……ね、あのさ、お姉さん。」(トロッコがレールを登り始めた頃、仕込まれた車輪の音で僕達の声が他のお客さんに聞こえなくなり始めた頃、僕は切り出すことにした。いくつもお姉さんに話したい事はあるけれど、でも、ちょっとずつ、ちょっとずつ、茶葉が湯に絆されて風味を醸す様に。)「お姉さんが忘れてしまったのは、……誰か、大事な人との思い出なのかなって、なんとなく思っちゃったんだ。……僕は、お姉さんの記憶に出来るだけ長く居たいな。」(僕はあんまり勇敢ではないから、こんな風にしか言えない。お姉さんの答えを聞くのが怖いから、こうやってトロッコが頂上に着いた時にしか、たぶんこんなわがままは云えなかったと思う。どうしたら、お姉さんが何かを忘れてしまった事だけを忘れられずに苦しむのを辞めさせられるかな、忘れられるのはとっても寂しいけれど、何かを忘れてしまった時の寂しさは遅効毒だから、ずっと苦しいままになっちゃうから、僕が全部受け止められたら、良いのに。僕はベルトを付ける時に放してしまったお姉さんの手をもう一度手探りで握って初めて、自分の手が震えていることに気付いたんだ。嗚呼、そっか。僕は、怖いんだ。) (2/8 00:18:25)
七五三野紫苑>
「なんていうかこう、趣向が上品だよなナナ坊....」(少なくとも育った環境が違うのだろう。大雑把な味付けは舌にも健康にも良くない、風味豊かな焼き菓子達に並べられたポップコーンに哀れみを感じつつも、貴方を落胆させてしまわないか少し不安に思えた。今思えば詳しくもない素人からの紅茶のプレゼントもそうなっていたんじゃ無いか、なんて考えも浮かぶけれど...少なくとも遊園地の食べ物は何も味だけで価値が決まる物でもない。楽しみ方でも教えられれば十分だと、そう思い込んでのみこんだ)『……ね、あのさ、お姉さん。』『お姉さんが忘れてしまったのは、……誰か、大事な人との思い出なのかなって、なんとなく思っちゃったんだ。……僕は、お姉さんの記憶に出来るだけ長く居たいな。』「そうだねぇ、お姉さんも___」(...同じ思いだ。少なくとも今この時は、その気持ちを忘れない内は。忘れたいわけじゃない、忘れたいほど嫌なことがあったわけでもない。むしろ、きっと....忘れたくなんて無かった。そう、思っていたはずだ。この感情を抱くのが果たして何回目なのか、その数を数えようとも、もうそのこと自体、覚えていないのだからわからない。)「...大丈夫だよナナ坊」(君が背負うものでは無いから。言いかけた言葉はしまい込んで、触れた貴方の手をやさしく包み込むように握って。____“ 大丈夫 ”って、“おまじない” をかけるんだ。人に背負わせるような物じゃないから。これはきっと、自分で抱えていないといけない物だから。)「案外す~ぐ終わっちゃうかもだぜ?怖くてぎゅーって目ぇ閉じてたら終わってました!なんてのじゃあ、お姉さんと並んだ時間がもったいないだろ?それにほら、」(だから君は)「前見てみなナナ坊!」(ちゃんと、今生きている君は________)「こっからでも結構いい景色だろ!」(前だけ向いて進めばいい。そう指さす先に広がる景色は園内全体、そしてその周辺まで見渡せるほど。貴方が守るべき平穏が、そこに広がっている )「ひぃぃぃえぇぇ......お嬢さん方が叫ぶのも納得だな.......風で流されるのとはまた違った感覚だよ...ナナ坊はどうだった?楽しめたかい?」(身体が飛んで行くかと思った、なんて洒落にならない冗談もこぼしながら、貴方の顔をうかがうの。思わず跳ね上がった心臓をどうにか落ち着けて、下り終わった先か空いていたベンチで一休憩。高いところにはよく行くから、なんて高をくくっていたけれど...存外楽しめてしまって自分でも少し驚いている。貴方は果たしてどうかしら?) (2/8 01:40:54)
奈 々>
「__________________っ!!!!!!」(お姉さんの云う通り、それは一瞬の出来事だったと思う。本当はもっといっぱい、1分か2分くらい?は在ったのだろうけれど、色んな事が脳裏を過って、一瞬だった。ちゃんと目は開けてたんだよ、多分だからこそ、なんだとおもう。内臓が持ち上がる感覚は、頬を切る風は、衣服を風が名残惜しそうに引いていく感覚は、あの時によく似ていた。僕がまだ、此処に居なかった時の、まだ母船ヴィクトリア号で家族と生きていた時の、最期の記憶に似ていたんだ。落ちていく恐ろしさはやっぱり拭えなくて、瞳に打ち付けられる冷たい空気のせいで、たくさんたくさん涙が出て、それが生理的な涙じゃないって自覚する暇も無くって、でも、あの時と違うのは、隣に貴方が居て、僕の手を握っていてくれているという事。嗚呼、ひとりじゃないんだって、思えたんだ。面が点となって加速度に当てられ幾千もの線となって駆け抜けていく風景は、怖かったけど、でも、こうも思えた。此処に僕が落ちてきたのは、貴方と会う為だったのかもしれないって、もしもそうだったら、…全部が全部、悪い事ではないと思ったよ。)「う、へぇぇ… お腹、ぐぅってなったねえ…… なんかこう…なんて言うんだろう、ふふ、すごかった。」(風圧でわしゃわしゃになった髪を手櫛で直しながら僕はちょっぴり耳が熱いのを感じ取っていた。楽しめたか、なんて聞かれても、感情とかいろんなものがわちゃわちゃってしてて上手く返せないけど、でも、ちゃんと一緒に乗れてうれしかったんだよ。)「ね、お姉さんっ!食べ物教えてくれるんだよね?僕最近お仕事頑張ったから少しだけ余裕があって、だから、今日は僕にお金出させてっ!」(なんとなく少しだけ暗くなり始めた空は出来るだけ知らんぷりしてしまおう、だって、それは今日のおしまいの合図かもしれないし、もしかしたら夕立の知らせかもしれないから、お姉さんが知ったらきっと遊べなくなっちゃうもの。だから、出来るだけ急かすみたいに貴方の手を引いて小走りで食べ物の匂いがする方に向かうんだ。) (2/8 02:03:34)
七五三野紫苑>
(じゃあよかった、なんてすこし満足げにつぶやいて、貴方の崩れた髪を直そうと手を伸ばす。慣れない感覚に驚くけれど、嬉しそうな言葉も表情も、貴方も楽しめたなら良かった、なんて安心するの。)「お、行ってみるかいナナ坊、ナナ坊のお眼鏡にかなうと良いけどなぁ?」(なんて、すこしのからかいと期待を込めて。この場所ならではの変わり物なら沢山あるだろう、ちょっとでも楽しんで貰えるといいけれど。)「......って、待ったナナ坊!?お姉さんも一応働いてるんだぞ?!いや確かに普段はだらしな~く見えるかもしれないけど、住所不定無職そ~うに見えるかもしれないけど!!!お姉さんやることはやってるんだぞう?!?えぇとそうだなぁじゃあ......お互いにおいしそうな物を一個買ってくる、なんてのはどうだい?あっちには食べ物屋が固まってたはずだろ?」(それで、おいしい物見つけた方が勝ち!!なんて後に続けて。流石に奢りじゃあ一応にも働いている大人としての面子が立たない。少し割高...とはいっても、一個くらいなら彼の財布も大丈夫だろう、きっとこれが最善策のはずだ。そう思いながら連れられるように匂いの元へ、さぁ、何を選んでやりましょうか)(________腹ごなしが済んだのならまた賑わいを見せるアトラクションへ。楽しめる物は他にも沢山!不思議な動物達のメリーゴーランドに、貴方の好きな紅茶の代わりにすっぽりはまってくるくる回るティーカップ、グワングワンと大きく揺さぶるバイキングに、おどろおどろしいお化け屋敷まで。貴方が行ってみたい場所なら何処へでも。)(あぁでも、時間がたつのなんてあっという間。そんなのわかっちゃいるつもりでも、気が付いたら駆け足で置いて行ってしまうんですから仕方ありませんね。帰りが遅い!なんて、誰かに言われてしまうかしら?その時は彼女も一緒に怒られなくっちゃ。暗がりを見せる空模様も、ぽつりぽつりと消えていく人気も、ずっとそれを示しているはずの時計を気が付かないフリをした彼女はきっと、同罪ですからね。)「ナナ坊、次は何に乗ってみたい?」(きっと、おしまいの時間は近づいている。もう、手先もすっかり冷える時期ですから、薄ぼけた空は早足で夕暮れを落としてしまう。明かりが灯り始めるのだってもうすぐだ) (2/8 03:32:11)
奈々>
「じゃあ… 観覧車に、乗りたいな。ちょっとだけね、憧れてたんだ。」(僕はそう呟く様に答えた時、自分の声色が少しだけ藍色を含んでいた事に気づいてしまって、少し無理して笑顔を作ってしまった。それは今日という日が終わろうとしている事を指していて、同時に言わないといけない言葉があるって思い出してしまったからかもしれない。食べた事の無い味を知れて、来たことのない場所に来れて、すっごく幸せだったと思うんだ。でもそんな時間ももう終わり、いつから降り始めていたのか分からない雨がぽつりぽつりと降り出して、当たりが少し暗くなったのは雨雲のせいも有ったのかなって少しだけ考えて。傘を差すほどではない疎な雨の中、今回ばかりは駆け出すこともなく、終わりを惜しむみたいにゆっくりお姉さんの横に並んで歩いた。背丈も年齢も種族すら違うからどうしても子供と保護者みたいに見えるのはこれだけ楽しく遊んだ後も悔しくて。だからせめてもの抵抗で、少し無理して指を絡めて手を繋ぐんだ。それから…それから、殆ど待たずに大きな大きな観覧車のひとつのワゴンに二人で向かい合って乗る。) 「…お姉さん、空の人達、母船の有権者達のことはどう思う……?」(きっとそんなに時間も残されてないから一周してしまう前に話さなきゃいけないと思って、僕は乗り込んで早々にそんな言葉をまっすぐお姉さんに投げかけてみた。徐々に登っていく車窓からの景色と肩を並べてずくずくと不快なくらい心臓が脈拍を高めて、それを我慢するためにアウターの裾をギュッて強く握って、逃げない様に、真っ直ぐお姉さんの方に視線を向けて、…)「もしも………僕が、元々そっち側で、……………誰かに落とされて、奇跡的に助かって此処に居るんだとしたら、…どう、……思う?」 (2/8 04:08:35)
七五三野紫苑>
『じゃあ… 観覧車に、乗りたいな。ちょっとだけね、憧れてたんだ。』「...ん、じゃあ行こうか。観覧車はーあぁ、あっちだね。」(差し出されずとも、今日はほぼずっと繋いでいたものですから、自然と手は貴方の方へ、少し足りない身長を補うように下向きで。エスコートにしてはちょっと違った手も、今はまだ揶揄わずに。名残しいのは彼女も一緒ですから。最初は彼女だって子守りのつもりでいたけれど、貴方は随分張り切るものですから。空もぽつぽつと下向きな今は、少しくらいの甘えは許してしまいましょう。)「___へ?あ~えっと、ヴィクトリア号の人らのことかい?」(話の切り出しとしちゃあ突然で、つい、呆気に取られた声を出してしまうけれど。貴方のその思いつめた表情は真剣そのもの。てっきり、外の景色でも見たいのだと思ったけれど少し違ったみたい。今は誤魔化しも冗談も必要なくて、ただ、言葉が求められるようなそんな箱のなか。言葉から記憶をたどって、たどり着くのはこの世界に起きた歴史の中。)「どう思う...か、うぅん、お姉さんは特段何も...ってのが正直な所、かな?」(よくある話だ、お偉いさんの亡命やら失踪なんて。命が惜しいから逃げるのは人間としちゃあたり前で、何処の時代も、何処の国でも起こる事。不平不満が上がって逃亡先でひどい目に合う、なんてのもよくある話で、此処の世界で立ち上がったのがArkの奴らなんだろう。空に逃げるのもあたりまえで、原因を全て向けられて、それに不満を持つのも当然だと思うだろう。この世界に来た異邦人で、組織に入ってから知った彼女が向けられる感情は精々その程度で、すこし他人事のようにも思えてしまう物だろう。)『もしも………僕が、元々そっち側で、……………誰かに落とされて、奇跡的に助かって此処に居るんだとしたら、…どう、……思う?』「...ナナ坊の言う事がぜぇんぶ本当って言うんなら______」(ごうん、ごうんと揺れる籠の中。きっと、この高さから落ちても生身の人間じゃ十分な高さで、それよりもっと遥か遠くなんて奇跡にも等しいような信じられないこと。他のだれかが言ってるんじゃあとても、嘘のようにしか聞こえないこと。)「...お前さんの事をとびっきり褒めてやらないといけなくなるな。_____よーく生き残ったな、ナナ坊。」(揺れる籠のなか、ゆっくりと貴方の方へ近づいて。拒まれないのなら、やさしく貴方の事を抱きしめるんです。上手に編み込まれた髪を撫でるように、安心させるように背中をやさしくさすりながら。大丈夫だから、そんなに思いつめないで。貴方の事を否定する人はここには居ませんよ。誰かに裏切られた悲しみも、誰かに嫌われてしまうんじゃ無いかって心配も、全部吐き出して良いんです。)(きっと誰にも聞こえちゃ居ませんから。きっと、誰にも見られていないはずですから。薄い煙を吐き出して、窓を曇らせるように小細工を。しとしとと降る雨の冷たさも、きっと助けてくれるでしょう。)「死にたいって、思ったかもしれない。消えちゃいたいって思ったかもしれない。でもな、お姉さんは_______私は今日、ナナ坊と一緒に遊べてとっても楽しかったぞぅ?」(だから、今日の分もこの前の分も。貴方に救われた人の分も、貴方の無事を願う人の分も。とびっきりの感謝の印を。)「.........というか、それなら高いところ大丈夫なのかい?!む、無理しないで下とか見てな??!?」(無理してジェットコースターなんて乗らなくても良かったのに、他の物でも十分、貴方となら楽しめたのにね。) (2/8 05:40:57)
七五三野紫苑 >
『じゃあ… 観覧車に、乗りたいな。ちょっとだけね、憧れてたんだ。』「...ん、じゃあ行こうか。観覧車はーあぁ、あっちだね。」(差し出されずとも、今日はほぼずっと繋いでいたものですから、自然と手は貴方の方へ、少し足りない身長を補うように下向きで。エスコートにしてはちょっと違った手も、今はまだ揶揄わずに。名残しいのは彼女も一緒ですから。最初は彼女だって子守りのつもりでいたけれど、貴方は随分張り切るものですから。空もぽつぽつと下向きな今は、少しくらいの甘えは許してしまいましょう。)「___へ?あ~えっと、ヴィクトリア号の人らのことかい?」(話の切り出しとしちゃあ突然で、つい、呆気に取られた声を出してしまうけれど。貴方のその思いつめた表情は真剣そのもの。てっきり、外の景色でも見たいのだと思ったけれど少し違ったみたい。今は誤魔化しも冗談も必要なくて、ただ、言葉が求められるようなそんな箱のなか。言葉から記憶をたどって、たどり着くのはこの世界に起きた歴史の中。)「どう思う...か、うぅん、お姉さんは特段何も...ってのが正直な所、かな?」(よくある話だ、お偉いさんの亡命やら失踪なんて。命が惜しいから逃げるのは人間としちゃあたり前で、何処の時代も、何処の国でも起こる事。不平不満が上がって逃亡先でひどい目に合う、なんてのもよくある話で、此処の世界で立ち上がったのがArkの奴らなんだろう。空に逃げるのもあたりまえで、原因を全て向けられて、それに不満を持つのも当然だと思うだろう。この世界に来た異邦人で、組織に入ってから知った彼女が向けられる感情は精々その程度で、すこし他人事のようにも思えてしまう物だろう。)『もしも………僕が、元々そっち側で、……………誰かに落とされて、奇跡的に助かって此処に居るんだとしたら、…どう、……思う?』「...ナナ坊の言う事がぜぇんぶ本当って言うんなら______」(ごうん、ごうんと揺れる籠の中。きっと、この高さから落ちても生身の人間じゃ十分な高さで、それよりもっと遥か遠くなんて奇跡にも等しいような信じられないこと。他のだれかが言ってるんじゃあとても、嘘のようにしか聞こえないこと。)「...お前さんの事をとびっきり褒めてやらないといけなくなるな。_____よーく生き残ったな、ナナ坊。」(揺れる籠のなか、ゆっくりと貴方の方へ近づいて。拒まれないのなら、やさしく貴方の事を抱きしめるんです。上手に編み込まれた髪を撫でるように、安心させるように背中をやさしくさすりながら。大丈夫だから、そんなに思いつめないで。貴方の事を否定する人はここには居ませんよ。誰かに裏切られた悲しみも、誰かに嫌われてしまうんじゃ無いかって心配も、全部吐き出して良いんです。)(きっと誰にも聞こえちゃ居ませんから。きっと、誰にも見られていないはずですから。薄い煙を吐き出して、窓を曇らせるように小細工を。しとしとと降る雨の冷たさも、きっと助けてくれるでしょう。)「死にたいって、思ったかもしれない。消えちゃいたいって思ったかもしれない。でもな、お姉さんは_______私は今日、ナナ坊と一緒に遊べてとっても楽しかったぞぅ?」(だから、今日の分もこの前の分も。貴方に救われた人の分も、貴方の無事を願う人の分も。とびっきりの感謝の印を。)「.........というか、それなら高いところ大丈夫なのかい?!む、無理しないで下とか見てな??!?」(無理してジェットコースターなんて乗らなくても良かったのに。...他の物でも十分、貴方となら楽しめたのにね。) (2/13 12:59:40)
奈 々 >
『_____よーく生き残ったな、ナナ坊。』(貴方の言葉を聞いて、僕は瞳孔と心臓がきゅっと縮むのを感じた。此処に来てからヴィクトリア号の人たちがしてきたことを知って、僕はそれを赦せないって思ってしまって、だから、きっと他の人も同じだと思ったんだ。だって、アークの人達が苦しんでいるのはヴィクトリア号の人達のせいもあって、それに、偉い人や凄い人だけが生き残るべきだなんて思想は、…僕はどうしても納得できなかったから。僕も、嫌われるんじゃないかって思ったんだ。でも、僕は貴方の腕の中に居て、一人で貯め込んでいた感情が洗われるようで、じわりと目元に涙が浮かんでしまったんだ。それから、…それから、) 『死にたいって、思ったかもしれない。消えちゃいたいって思ったかもしれない。でもな、お姉さんは_______私は今日、ナナ坊と一緒に遊べてとっても楽しかったぞぅ?』 (その言葉は僕に、生きてていいんだって思わせてくれたんだ。誰かから許された気がしたんだ。お姉さんが僕を抱きしめてくれて、慰めてくれている間、涙が零れないように目を開いて上を向いていたんだ。そしたら………そこには、【あの人】が居たんだ。) https://eliade.1web.jp/blog/27278.html (ゴンドラのお姉さんが座っていた席の隣に、寂し気にその人は居た。僕もデータベースでしか知らないけれど、でも、お姉さんに見せちゃいけないって事だけは分かってる。)「___ッ……お姉さん、っ」(僕は咄嗟にお姉さんの片方の頬に手を添えてお姉さんの前髪をもう片方の手で搔き上げた。)「……さ、…さっきね、ジェットコースターでお姉さんの目が見えたんだ。」 ≪こんなに若いのに≫ 「えへ、…お姉さんの目、」 ≪貴方はもう長くない≫ 「好きだな。」 ≪きっと約束も果たせない≫ 「たぶんだけど、僕だけが知ってるお姉さんの素敵なところのひとつ。」 ≪別れの言葉を云ってあげなさい≫ 「……もう少しだけ、見ていても良い…?」(うるさい、うるさい。最期だろと最期じゃなかろうと、僕は今の時間を焼き付けないといけない。もう一度は死のうとした身なんだよ。だから、引き延ばされた命の猶予分だけでも、ぼくはちゃんと生きなきゃいけない。今ここで死を覚悟してしまうのは、死ぬんだって悲観してしまうのは僕の思う“生きる”とは違うから。お姉さんには僕の表情がどう見えているのかな、悲しそうには見えていないと良いな、寂しそうに見えていないと良いな、怖がって見えていないと良いな、だってこんなにもお姉さんと居れて僕は満たされているから。)「………愛してるよ、お姉さん。」(それはお母さんが教えてくれたおまじない。人を幸せにするまほうのことば。僕は唇をそっとお姉さんの額に触れさせて出来る限りの笑みを浮かべる。きっと、無理矢理笑顔を作らなくたって今の気持ちがそのまま零れたのならへたくそな笑顔ではないはず。愛してるよ。) (2/13 14:05:59)
七五三野紫苑 >
『___ッ……お姉さん、っ』「....っえ、なんだいナナ坊!?」『……さ、…さっきね、ジェットコースターでお姉さんの目が見えたんだ。』「あ、えぇお姉さんの目見えてたの、か?い、いやーなんかお姉さん照れちゃうなぁ?!?」(君はなんて酷いやつ。これじゃあ上手く表情も隠せやしないじゃないか。真っすぐ正面なんて向けやしない、君の方なんてもっと。晒されたばかりの目元は、生ぬるい雨の中でも少しだけ肌寒くって。さっきまで繋いでいたけれど、それより一層あたたかく君の手の熱が伝わる。)『たぶんだけど、僕だけが知ってるお姉さんの素敵なところのひとつ。』『……もう少しだけ、見ていても良い…?』「..............い、いいけどそういうのはもっとこう、若い子に言った方がいいんじゃないかなぁ....」(とても自分には似合わない殺し文句だ、なんて思えてしまうような言葉。貴方には意味のないおせっかいなだけの言葉をぽつりと一つ。誘うだけ誘って、いいところで引き上げるのが彼女の常套句だったのに、こんなに近いんじゃ逃げられもしない、こんなに狭いんじゃ出て行けもしない。逃げ場を失った煙は、目線だけ下に向けていじけたようにくすぶっている。)(隠しなおす時間だって与えてくれたっていいのに、君ったらずっと見ているんですもの。とんとん、と屋根に打ち付ける雨音だけがいやに響いて、その音に急かされたように君の顔をうかがいながら言葉を待っていたものだから、)『………愛してるよ、お姉さん。』「......それはそんな顔して言う言葉じゃないだぜナナ坊、」(君の気が付かないで欲しいことに気が付いてしまった。...わからなければ今は幸せなままでいれたのに、今だけなら、今だけでも幸せな思い出のままであったはずなのに。隠すものもないんじゃあ君の顔は良く見えてしまって、...そんな顔した奴を見るのは二度目だから、とっくのとうに忘れてしまっているはずの今でも、わかりたくなくても彼女にはわかってしまったんだ。)(こんな思いを抱くなら近づかなければ良かった。関わらなければ良かった。逃げてしまえば良かったのに。此処じゃ逃げられもしないし...もうとっくに、君を置いて逃げるなんて選択肢をとるつもりも無くなってしまった。一言残されれば満足だなんて思わない、...独りで取り残されるのって案外つらいんだ。なんでって、何度後悔しても自分を責めても悔やみきれない。嫌だ、嫌だ、死なないで。忘れていたって思い出させてしまう、もうこりごりなんだこんな思いは。それなのに、君まで置いて行ってしまうのかい。)「...........また今度、ここに遊びに来るんだろう?」(そういって来たのは君じゃない。今日遊びに来た事も約束したこともちゃんと覚えて置けるようにって、日記に書こうと思っていたのに酷いじゃないか。今度は回りきれなかった所にもいって、それからいろんなものを食べて、他の場所にもいけたらいい、なんて。そんなことを思っていたのは私だけなのか。そんな夢ももう、見ちゃいけないっていうのか。)(...上手く顔も隠せないのが嫌になる、こんな顔誰かに見せたくなんてなかった。いつもなら上手く隠せるはずの感情も筒抜けだ、だから顔を見せるのは得意じゃない。彼女はもうとっくのとうに、声までつられてしまって何も隠せやしない。何が死だ、何が運命だ。死に抗って、死を否定して妖と化したモノなら此処にいる。君がそんな顔をした原因なんて彼女にはわからない。目をそらした先で何を見たかもわかりっこない。それでも、何かを見て恐れるくらいならもう見るな、もうその先へ目を向けるな。雨で重くなったそこら中の空気も雨のしみ込んだ匂いも、全部取り込んじゃうくらいいっぱいに、もう君が見なくて済むように。きっとこれはエゴだろう、自分勝手に君を付き合わせているだけなんだろう。押し付けなんて私らしくもない事だ。胸にぎゅう、と君を苦しくないように押し込めて、せめて顔だけでも見えないように。代償ならいくらでも払うから)「だからさ、ナナ坊」(お願いだから。どうか、)「そんなお別れみたいな事、言わないでくれよ」 七五三野 紫苑の能力懺悔段階へ、また【人事考課権限により、05番小隊保護対象管理班:奈 々の特殊H.Oを正義の糧からドルイドへ】 (2/13 17:23:36)
七五三野紫苑 > 🔳…ご承認いただけますか? (2/13 17:23:47)
奈 々 >
「……っ…お別れなんて、そんな、つもり…」(なかった、とは、言えないかもしれない。ただ、貴方に幸せで居て欲しかったんだ。きっと、他の誰かにも抱くかもしれないこの生きていてほしい、幸せになってほしいって感情を抱いたのが、貴方で、貴女以上に幸せになるべき誰かが居るかもしれないとも思うけど、でも、僕が幸せを願う誰かの中に貴方も確かに居て、残せるものがこれしかないと思ってしまったから、僕は、)「………お姉さんが笑うのを見たかったんだ。」(そう、多分そうなんだ。何かを忘れて、何かに取り残されて、それでも貴方が笑えるようにって、ただ、思っただけなんだ。死にたくないって思ったのも、生きていたいって思ったのも、出来る事なら貴方が笑う時は横で同じように笑っていたいって思ったのも、嘘じゃない。)「……っ、…」(あの人の気配が消えたこのゴンドラは地面へと徐々に近づいてきている。きっと今言えなかったらこの先云う機会は無いだろう。これはあくまで分岐点、これが正解だったかは分からない。けど、…お姉さんの選択が、お姉さんの意思があの人を払った事だけは分かったから。)「ね、紫苑お姉さん。…世界が平和に成ったら、…………僕と、家族になってください。僕が言える事じゃないかもしれないけれど、でも、お姉さんもすぐ何処かに消えて行っちゃいそうだから、……もし、そうなったら今度は”僕の番”だから。______お姉さんが何処かへ行っちゃわない様に、一番近くで見守らせてほしい。」(お互いに、身寄りも帰る場所もないから、お互いがお互いの帰る場所になれたら、それはきっと、幸せだと思うんだ。) (2/13 18:38:03)
七五三野紫苑 >
『……っ…お別れなんて、そんな、つもり…』「そーんな顔しといてよく言うなぁナナ坊、お姉さんにさみしい思いさせるつもりか~?」(人への執着なんて抱けば抱くほど損をするだけだとわかっているのに、わかっているはずなのに。失うとわかっていてお別れをするなんて、耐えられる訳が無いじゃないですか。素直にばいばいだなんて、そんなの言える訳ないじゃないですか。明るく振舞おうとしたって、声にはまだ残ってしまう淡い色。貴方の言葉に答えるように、ぱさりと落ちた重い前髪の奥で緩やかに目を細めるの。ごうん、ごうんとゆっくりと動くゴンドラはもうすぐおしまい。だんだんと煙を晴らすように深く息を吸い込んで、それからそろそろ降りる頃だね、なんて君にそう声を掛けようとした頃に)『ね、紫苑お姉さん。…世界が平和に成ったら、…………僕と、家族になってください。』(幸せなんて、平凡で、普通で、何処にでもあるような、そんな在り来たりな願いを求めるにはもう遅いかもしれない。生者と同等の願いなんて、時間なんて、そんなの許されるわけもない。気が付けば君がおじいちゃんになっていたっておかしくない。また今日みたいに、叶うかもわからない夢を見る日が来るかもしれない。人の寿命なんてあっという間だ。記憶が消えてしまうのだって、きっと。)『僕が言える事じゃないかもしれないけれど、でも、お姉さんもすぐ何処かに消えて行っちゃいそうだから、……もし、そうなったら今度は”僕の番”だから。』(勝手に忘れてしまってもおかしくなくて、君を不安にさせてしまうことだってあるかもしれない。無責任な約束かもしれないけれど、でも、それでも。君のことを、忘れたくも離れたくもないから。)『______お姉さんが何処かへ行っちゃわない様に、一番近くで見守らせてほしい。』「.........いいよ。家族になるまでも、家族になっても、ちゃんと離れていかないように...ちゃあんと手を握っていてくれるかい?」(これから起こる楽しいことも悲しいことも、今日の約束も全部書き起こして、ちゃんと覚えて置かないと。君のことも離さないように、ちゃんと手を握っていないとね。...もう、すぐにだって扉は開いてしまう。ベタな告白のタイミングとしちゃあ遅いかもしれないけれど、手を繋いで帰るには丁度いいでしょう?)「帰ろう、ナナ坊」(彼女から手を差し出して、そして指をゆっくり絡めてから歩き出す。今日も、次の時も、また次の時も。こうして一緒に帰れるように。) (2/13 20:39:53)