ず@コールフロムザメトロデッド>
「物思いに耽るにはちょうどいいですね。屋上は。(男性寮の屋上。凸の天辺、女性寮と向かい合わせの部分だ。)格好もつきますし、何よりコレも、吸えますし。(『Marlboro』。決して安くはないたばこの味は、やはりいいものらしい。濃すぎない、まとまった味だとか。けれど通とはいかないもので、まだ違いが分かるほど舌はその煙を好いていない。)…守りたかった、なあ。(目に染みて、涙を誘うだけ。染みる目も誘われる涙もなくて、誰かの前では見せられない。『愛した子』にだけ、少しの間見せたことのある姿。【根性】は負けることの出来ない呪い。)…命が軽いのはわかっていたはずです。その上でそうあったはずだ。(弱みを見せることが出来る人はいない。きっと今、たった一人。ずっと、ずっと、たった一人。)…ああ。たばこが美味いなあ。(煙の先に彼らがあるわけでもない。けれど吸わなきゃやってられないのが、彼女の残した生き方だった。)ねえ円さん。(彼は泣いていた。鉄仮面の泣けぬまま。)レイ…君はわかんないか。(拾い上げる。)狗咬さんのことは…よく知らないな。(背負ったものを、そして見つめる。)」「(そんな彼の姿を見れるのは、『煙』だけ。彼の名を、君は知っているだろうか。)」 (2/8 16:40:25)
七五三野紫苑>
「やぁコールの坊ちゃん、そーんなしけた面してどうしたんだい?」(貴方にそれらしいお顔なんて無いけれど、こぼれる声も、音もその振動も、しとしとと零れるような物ばかり。そんな気分じゃあ、こっちの煙草も湿気ってまずくなる。薄い白煙は細く細く空へと伸び、のらりくらりと揺れるだけ。わざわざ話しかけるつもりは無かったけれど、今にも雨でも降り出してしまいそうじゃないか。任務で数回顔を合わせた程度で、特段話し込んだことも無い。貴方の事情なんて彼女が知る由も無いし、かわいらしい女の子でも無いのだから彼女がわざわざ声をかけることも無いのだけど...ただの煙でも、その毒に染まりきった奴からすれば食事代わりと言い張れたって、人からすれば贅沢品。すこぉしお高いんですもの、せっかくならおいしいほうがいいじゃないですか。重く隠された瞳がぼんやりと見つめる先は向かい側。見えるはずもない顔に向かって、そう呼びかけるの。) (2/8 17:15:31)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「(ほう、と、息と鉄仮面に残った毒を吐く。)…おやこれは。(それはつい、口から離してしまった、というような。『がちゃり』、電話を取った。)」「不覚でしたね、あまり見られたくなかったところを見られてしまいました。(向かい側に、物思いがあるかはわからないけれど同じように黄昏る女性が一人。彼女の事は、顔と名前以外ほとんど何も知らない。このコールはどうやら、彼女のものらしい。『七五三野 紫苑』の名を浮かべたスマート・フォンを手に取って、黒電話のような音が繋がる合図。細い糸が、君の心へ。)いやね。よくあるじゃないですか、仕事の愚痴って奴ですよ。(そう、背負ったものをどこかにあったものとして、探し求めるための。忘れないようにするための。)あんまり人に聞かせるものじゃないかなあって思って。いや聞く分にはいいんですよ、ただ僕は小隊長ですから、清く!強く!勇ましく!…で、ないとね。(乾いた笑いで茶化しながら、)…挨拶までだーいぶ長くなりましたが、改めまして。人類復興アルマデル第八支部6番小隊小隊長、『コール・フロム・ザ・メトロデッド』です、どうぞよろしく。(奇術師は恭しくシルクハットと共に深く腰を折っていた。)あなたは?(そして無くなった笑顔で、君を見ていた。)」 (2/8 18:03:59)
七五三野紫苑>
「おや、席を外した方が良かったかい?....まぁ、少しはぼやきたくもなるだろうねぇ」(こんな組織じゃ、なんて言葉は口に出さないでおこうか。壁に耳あり障子に目あり、空には今もドローンあり。動き出したArkの潜入者達への対抗策とはいえ、こうした何気ない言葉も誰かに聞かれる可能性があると思うと、なんだか言葉にするのも憚られるような気がした。糸は確かにピン、と張られて声が届く。何処から声が聞こえるのか、声を響かせているのか、はたまた何処から....煙を肺に入れているのか、なんて。粒子の流れから自然と感じられても、姿形からはわからないのだから摩訶不思議。)「そうはいったって、小隊長とてただの人だろぉ?最近はそこらへん騒ぎも多いっていうじゃないか。愚痴の一つや二つ三つ、そりゃあ溢したくもなるだろうよ。お疲れさん、小隊長殿。」(無責任で、いつ消えてしまうかもわからない妖には到底、勤まらない仕事だ。ただ傍観しているだけの煙じゃあ上もきっと、任せる気にならない。小隊内の人間関係に小隊長同士の揉め事、裏切者、それに加えて仕事は当然のように来るものだ、計り知れない苦労があるのだろう。そんな貴方を労わる言葉をかけて)「ん?あぁ律儀にどうも、えーっと七番小隊探索班、兼アルマデル管理下の“シキガミ”、七五三野 紫苑..........吸いながらで申し訳ないね。まぁ、堅っ苦しいのはあんま得意じゃないんだ。呼びやすいようにお姉さんの事は “紫苑お姉さん” って呼んでくれ。」(見かけはただの人を真似ていても、彼女はれっきとした煙の妖怪。そして、ただの人間じゃ到底真似できないような力を持つカミサマだ。) (ふぅ、とまた一つ煙を吐けば、裾に隠れた片手はその形を解かれるように、細い煙となって貴方の方へ。トントン、と足音も無いのに肩は触れられて、貴方が振り返ればそこには濃煙が一つ。振り向いた勢いだけでもゆられながら、化けて出たような “妖煙” が、形を持ってそこに浮いている。)>こーるさん (2/8 18:52:09)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「そういうものですかねえ。弱気を見せたら弱くなっちゃう気がしちゃうんですよ。(守れなくなりそうで、怖い。虚飾して、無理矢理にでも強くあらねば、怖いのだ。)…でも、ありがとうございます。(だからもう、愚痴を吐く、というつもりはない。)」「まあ僕は大丈夫ですよ、我慢くらいできます。(やっぱり味はわからない。表情は変わらない。自分を守る、自分を見せるという何気ないことが、彼にはできなくなり始めている。それでも生ぬるくなった体の中、肺の中にまた煙を送って、それだけは変わらない。人を思うことだけは。ただその執着が強いもので。)それに1人より2人でしょう。これ以上湿っぽくする気はありませんから。(…上層部の人間にはもれなくちょっとした愚痴も聞こえてはいるが、独り言が多いのは癖のようなものだ。饒舌は語ってしまうもの。けれど守るべき人々に、隠すくらいのトリックと根性は持ち合わせている。)席もたばこもね。まあ後者は私も吸ってますし。(なんて冗談1つ。お互い様にそれが心地よい。ちょっとした憂鬱には、たばこと2人が心地よい。)ナゴミノ…お姉さん。ですか、この歳になってそう呼ぶのはちょっと小恥ずかしいですね。あなたにとってしてみれば私は若造なのかもしれませんけど…(浮いた首をひねる。)ナゴ姉さんとか?(そしてちょっとした閃き1つ。)まあ、なんにせよゆっくり駄弁りましょ。ここで会ったのも『何かの縁』ってやつですし。(その中にまだ、隠していられる。)」「ちょっと、糸の距離は遠めですけ…(饒舌を回して、そして周りを見てみれば。)ど?(振り向いた先には先ほどまで向かい側にいたはずの。)…近いですね。」 (2/8 19:40:16)
七五三野紫苑>
「我慢だ何だってしすぎるのもよくないぜぇ?適度に吐き出して、そんで適度にサボって~の方が長続きはするもんだと思うがねぇ...」(強く短く、若しくは長く。どちらかにしか傾けない諸刃の剣。守ろうとしても無理をすればそれは無責任で、反対に後悔にも成り得るもの。ただ、強がろうとするのも、大丈夫なんて思い込むのも、命を削るも結局は人の勝手。人の心に土足で上がりこむつもりなんて無いから、精々彼女がかけるのはこの程度のよくある言葉。表情らしい動きなど無いせよ、良く動くその口は雄弁だ。内に秘めた感情の一つや二つ、同業のような者からじゃあ容易に読み取れる。)「...それ呼びやすいのか?いやまぁ、別にいいんだが...」(たかが二十四、五歳じゃ若造も若造。羞恥心があるのなら何も彼女の言う通りにしなくても良いのに律儀なものだ。浮かぶ掌はひらひらと、何処か蝶のように舞って薄もやに溶ける。それは一種の自己紹介のようなものでもあり、彼女にとっちゃ手の内を明かしているも同然のこと。ただ、自由気ままに彷徨う煙とて彼女の一部、肺に入れは命はその掌の上も当然。彼女にかかれば浸蝕され姿形の変わった程度の人間など、さして変わらないことを同時に示していた。)「......ははっ、いい反応してくれるじゃあないか、妖怪明利に尽きるよ。」(なんてね、ただ新鮮な反応が見たかっただけかもしれませんね。) (2/8 20:39:00)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「人にはできない驚かせ方です。『トリック』とはまた違う。(奇術師と妖怪はある意味で紙一重なのだろう。人を驚かせるのが好きで、生業のようなもので、本能のようなもので。)僕はここに来る前は『マジシャン』だったんですけどね。(たった1組のトランプだけが友達だった。だから抱く疑念もない。)やっぱり、本当の妖術ってものを見ると、驚きますね。本当の意味で、『化かされ』ました。(煙の妖怪、煙々羅あるいは煙羅煙羅と呼ばれるものだろうか。それとも、ただの『煙の妖怪』か。)まあ何もかも思い通りって訳にはいきませんよ。語感は大事です、僕はよく喋るのでそういうのは大事にしたいんですよ。(けれどそんな『妖怪』に立ち向かえる根性が据わっていた。)」「(しかし根性がなまじあるから、隠してしまえる。)さてまあ、そういう、ものですかね。(饒舌、といえど弄する者として同じ言葉を繰り返すのは少し無粋にあたる。つまりその迷いは素直な感情である、ということだ。)確かに最近、あんまりサボってませんねえ。同じ隊の人となんですけど、腕時計ずらして言い訳作って、休憩時間を早めたときぐらい。ですかね。(あれはいつの事だっただろうか。大型の任務が連続で発生する前だったか。…それっていつだろう。)まだもうちょっと、我慢しなきゃいけませんから。(まあ、まだしばらく休む気はないから関係はないけれど。)」 (2/8 22:26:10)
七五三野紫苑>
「あぁそうとも、こりゃ別に練習してできるようになるものでもないからなぁ...魅せて金を貰うマジシャン様方からすりゃあ、ただのズルだね。」(声は少し上機嫌に満足げ。彼女だって多少手先が器用でも、一芸で金が集まるレベルじゃとてもない。もっとあくどくずる賢い方が得意分野だ。)「ほぉ、結構やることやってるんじゃないか、そういうのだよそういうの!」(彼女なんて何度煙草休憩を長引かせてきたかわからない。見回りと言い張って一般人を口説き、あの機械に起こられたかわからない。きっと出来るならそのくらいが丁度いいんだ、平和で入れるならそのままの方がずっといい。何もないならその方がずっと。)「まだもうちょっと、てのは..一体いつまでなんだい。ずるずるずーっと引き延ばしてちゃあそれこそ、駄々こねる子どもと変わらないぜ?」(人間なんざ案外あっという間に行っちまうもんなんだぜ?なんて、誰しもわかっているようなことをよくよく見知った顔で話すんだ。時間は有限だ、命を張る私達の物はもっと限られる物だ。その使い方などそいつの自由だ。......だが果たして、その使い方は本当に望んだ物か?)(____________“見誤って” “うっかり” 、もしその時間を過ぎてしまったとしても、........................貴方はその時を後悔せずに居られるか?) (2/8 23:06:36)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「マジシャンの方がずるいですよ。本物の魔術でもないので。今や常識ですけど。(魔法のような技術や妖術、あるいは魔術や呪術。全て交わり蔓延る第8では、ある意味君の『ズル』の方が多数派だろう。)昔は『種明かしは禁忌だった』。(その多数派を騙るのが。)…つまり、バレないようにするのが、奇術師のやり方ですからね。視線誘導ってやつです、使い古されたようなものですけど。(だがそれでも、彼が打ち込んだのは奇術と、それと誰かを守るというただ1つだけだ。)隠し技です、結局。時計がずれていることを指摘されていたらたぶん終わりでしたからね、その時も。(だから今はそのときだ。他の全てが平和で居続けられるように、我が身を捨ててでも。)…もうちょっと、ですよ。それがいつまでもになっても、僕はまだ1人で、我慢しなきゃ、いけないんです。(背負うのは、僕1人でいい。)子供でもいい。(それが望んだものでなかったとしても吐き出すわけにはいかない、そのはずだから。)いいんです。(…彼だって、そう。人間だ。隠し技は、剥がれてしまいそうだけれど。…守るのは、なぜだったか。)」 (2/9 05:51:31)
七五三野紫苑>
「まぁポン、と手に入った力より......何年もやってて身に付けた力を使いこなせる分、一枚も二枚も上手だろ。だからあんたの技術はちゃんと誇っていいんだぜ?」( “そもそもお姉さんのは人前で使ったら怒られちゃうからね!” なんて、本当にやってしまえば必ずお叱りを受けてしまうような冗談を。人知を超える力が手に入ったとて、それを扱えなければ意味はない。豚に真珠、宝の持ち腐れ...体一つで巨獣を仕留められた方が、その技一つで驚かせた方が何より恐ろしい物だ。)「あーー、まぁ何だ。ずーっとずーっと全速力で走んのはいいが...目的は見失わないようにな。自分でもそれがわからなくなっちまうのは結構...虚しいもんなんだぜ?」(百を超える古き新しき妖より、貴方にそっと忠告一つ。ただ一つを求めた末に、その何もかもを忘れてしまった煙からの言葉。...人の域を超えるような事をしなければ、彼女のような “忘れん坊” にはならないだろうけれど。この場にいる大半が、片足もう踏み出しているような物ですから。)まぁ、コールの坊ちゃんが納得出来てんならいいんじゃねえかな、じゃあ邪魔したな。」(間違った道を進もうとしても、その先に目標があるというなら止めもせず、彼女はそっと背中を押すけれど............進むも戻るも貴方の自由、そこで立ち止まるのだって自由。時間の使い方は計画的に、それ相応の覚悟を持って。おせっかいという訳でも無いから、掛けられる言葉は精々このくらい。熱の近くなった煙草の火を潰して後にする。) (2/9 17:57:50)
ず@コールフロムザメトロデッド>
「…(根性は負けることのできない呪い。)大丈夫ですよ。(だって『目的は』、見失っていない。人を守る、その目的を見失うことはない。だってそれは彼の生きる理由だ。守るために生きる。)僕は、大丈夫。(人より心が強いから、何度踏み倒されようとも立ち上がることができるから。だから守る。守れるから守る。)こうあることは納得していますし、こうあるべきだと思っています。『誇って』も、いますよ。(小隊長として、納得せねばならないのだから。それに守ることも、彼の生業だ。)でも、忠告ありがとうございます。…忘れないように、がんばりますね。(後にする背中を見ながら、感謝を告げる。それは、『恐れている』から。離れてしまうのを。)磨いてきたものですからねえ、奇術も、この『目的』も。(もう既に独り言。灰を落として鉄頭で火を消せば、煙は遠く遠くへと透明になりながら流れていった。…生業、けれど本能ではなかっただろう。恐れなんて本能では。人を守ることなんて、『彼女』を取り落としてからしか考えたことはない。…さてなぜ、守るのだったか。)自信も誇りも、ありますよ。(吸い殻をスタンド灰皿に捨てて。)」「ああ。たばこが、美味いなあ。(それでもまだ、味はわからなかった。)」 (2/9 18:38:30)