外@助六 >
(薄い記憶の中だった。ヨモギが何かを叫んでいたのも、なごみのが煙に巻いてくれたのも。……嗚呼、あのロボットはちゃんと聞き取ってくれたかしら。妹は大丈夫かしら。兄貴との喧嘩、まだ仲直りもしてないな。案外ヒトって簡単に死ぬらしい。それはどうやら妖怪も例外じゃあなく、彼は徐々に徐々に失われていく体温を自覚しながら、意識を手放し──────……)『医療班です、たすけます、どいて下さい……っ、』(…………ポツリ。)(ポツリと小雨が降るような声色がした。彼はそれに返すことな出来ない。)『あの、ね』『……っ、あの、ね。……、』「……………………、………………」(……でも、聞こえてしまう。だってよく言うでしょ。人は死ぬ時、1番最後に残るのは聴覚だと。心臓が残っても、声は聞こえるから。だから最期まで『声をかけなさい』と。)(彼は内心小さくつぶやく。〝アンタは薬が効かなかった奴だ 〟と。きっと貴方が【裏切り者】。だって貴方やたらと、庇っていたものね。どうだい、死んで良かったと思うだろ。このまま貴方は最期のトドメを、確実に息の音を止めて安寧を手に入れるかい。)(………………でも。)『だれも、だれも。しなないように、したい、の。』(貴方の呟きは相反していた。)『ルクレルク人も、アルマデルのひとも、……っ、Arkの、ひと、も。だから』(アナタは彼を助けると言った。それを見越して言っているとしたのなら。)『だから……っ、いつか、だから。』『いつか、……『たす、けて』。』(……ぽたり、ぽたりと貴方の涙が彼の頬に落ちる。)(だからやたら庇ってたのかい。)(だからそんなにも、………………そんなにも。)(……でも、そんなこと言われて、そんなこと言われたって、)(俺に、できることなんか──────……………………)(■■■■■■■)「ッッ゛……ッ!!!!!」「う゛っ、え゛ッ、い゛ィッ……………………?!?!?!?!い゛ちちちちちちちッ…………………………」(天井、整頓された部屋。目を開けた彼は『撃たれた』悪夢でも見たかのように飛び起きて、走る激痛に悶えていた。どうやら撃たれたのは『夢』では無いらしく、患者衣の下からは厳重に包帯が巻かれているのでした。一体どこからどこまでが夢だったのか、確か……確か自分は、あの後…………………………)(と、いうかそもそも………………あの〝 女の子〟と、なずなの嬢ちゃんは……………………)(い、いやその前に………………)「………………アタシ、生きてるッ…………?、?、!!!!!!」(うわぁーーーッ……良かったあ、と言う安堵より、何もかも手放そうと諦め、しまいには走馬灯を見てしまった自分に恥と情けなさ、それと今更ながらに心臓がバクバクとはねる。正直、すっごい怖かった。)(……………簡易型療養施設のような場所、見舞いにヨモギはきたのか。それとも予め居たのか。彼はじっとりとかいた冷や汗は、やや不快感を彼に抱かせる。) (2/11 01:15:36)
木靴下@ヨモギ >
(貴方が倒れてから、《ERROR》を起こしたヨモギを取り押さえるのはそれなりに苦労したんじゃあないだろうか。【怪力】持ちで、壁を【貫通】するほどの力だ。オマケに、壊滅的に《頭が悪い》。難しいことはなんにも理解してない。)(ようやく[[[正常]]]と位置付けた人格に戻った際には助けられなかったことを悔やんで暫くは自室に閉じこもっていたくらいだ。)(…)(貴方に会いに来たのは、お見舞いと称して、いい加減外に出なくてはならないという理由付けだろう。だからこそ、その足は重かった。)(負傷者のベッドを仕切る壁を伝って、貴方の寝ている場所まで。) 『う゛っ、え゛ッ、い゛ィッ……………………?!?!?!?!い゛ちちちちちちちッ…………………………』(……仕切りの先からその声が聞こえた。)「……ッ゛ッ……!!!!!!!」(それが聞こえた途端、重たい足を跳ねて、それは貴方の方へと飛び込むことだろう。)(身長196cm、体重はロボット故、言わずもがな【重い】。)(オマケに彼と来たら、【頑丈】だ。人間みたいにやわっこくない。)(───────正直言って、抱き着かれたら《痛い》だろう。)「ごめんなさい傍を離れなければ守れたのにそもそも医療をインストールしていればこんなことにはていうか検索して応急処置くらい考えてれば助けられたのにッッッなんでオレッッ!!バカああああああああああああああああ!!!!」(顔の穴という穴から冷却水なのかなんなのか、どこから生成されているのかも分からない水をダバダバと流し、彼はみっともなく、情けなく、ずり落ちるようにベッドの掛け布団にしがみついてわぁわぁと喚くことだろう。)(……頼りないったらありゃしない。) (2/11 13:15:41)
外@助六 >
「あ゛ーーーーー………………こりゃ完全に中まで弾が入ってやがったなァ…………」(彼は苦い笑みを浮かべながら、意識が明瞭になっていく中で自らの名前、それから起こった出来事を順番に思い出していく。そして、その中には当然。)(…………〝 ガラリ〟。)(〝 緑色〟も含まれる。勢いよく開いた扉に彼は目を見開いたのならば顔を上げ、肩を竦めてた。)「…………………………ぅ゛おゥッ……………………?!?!」「え、えぇーーーッとォ、お宅は確かァ……………………………」(彼は記憶の引き出しから貴方の顔を引っ張り出して、だれだったかを思い出そうとする。そしてその答え合わせをしようとふたたび口を開いたところで…………)『……ッ゛ッ……!!!!!!』「………………ッえ、へ、え、え?え???え???ちょ、ちょ待──────ッ゛……………………!!!???」「ぐぇ゛ッ?!?!?!??!」(【196cm】の〝タックル 〟が来た。いくら逃げ足【10】だったとしても。怪我人である彼がこの場から立ち去るのは至難の業。案の定貴方を受け入れるしか出来ない彼は潰れたカエルのような悲鳴をあげるに違いない。)『ごめんなさい傍を離れなければ守れたのにそもそも医療をインストールしていればこんなことにはていうか検索して応急処置くらい考えてれば助けられたのにッッッなんでオレッッ!!バカああああああああああああああああ!!!!』「スゥーーーーーーーーーーーーー…………………………ぅッ、……………~~~~~~~~ッ゛ッ゛ッッ………………」(悶え苦しむ彼。しかしきっと彼はもう片方の手を貴方の背中に添えて、少しばかり痛みが引くまで、トントントン…………と撫でやるかもしれない。いや、もしかしたら〝 ギブアップ〟とプロレスの受け手が示すようにも見えるかもしれないけれど。)「……ッ゛ッ……はァ、……ッあ゛ーーーーーー………………び、びびびびっくりしたァァァ……………………いきなり何かと思えばァ…………………………お宅はこの間の緑の坊ちゃんじゃねっすかィ………………??」「い、いいやいやいやいやいやいやッ………ほ、ほらぁ、な、泣かんでくだせェッ!!!!!…えぇーーーーーっと、ティッシュティッシュ……………………」(彼はボロボロと涙を流す貴方にギョッと焦ったような顔をし、キョロキョロと周りを見渡しながら箱ティッシュを探す。幸いにもそれは近場にあり、彼は1枚手に取ったのならば、〝 ほうらお顔上げてくンなァ…………な???〟って、そのティッシュで貴方の涙を拭おうとするかもしれないね。それから彼は続けるのさ。)「…そういうお宅は怪我はねェんで??………………アタシはァ…………アタシはほうれこのとおり。あたしゃ元気すぎるぐれえにピンピンしてらァッ………………!!!なんでィ、わざわざ見舞いに来てくれたんで????ンもォ~~ッゥゥッ…………ンな大袈裟なッ!!!そもそもあの場で誰かに護ってもらおうだなんざ思っちゃ居なかったんだ、出しゃばったのはアタシの責任でェェェ…………あんなん【博打】と変わりゃしねえ…………………………でもまあ今はこうして生きているわけで、………………………すげえ、…」「……………………………………運が、」「………………良かっ………………………………」「……………………、…………………〝あ 〟。」(彼はヘラヘラと笑いながら貴方に腕を広げて、元気であることをアピールした。きっと貴方達の迅速な対応があったからに違いない。そして、こうして話している間にも、彼は未だにはっきりしない意識の中、1つ『思い出した』ように、声を漏らすのだ。)「…………………………そ、そういや。『アタシを治療してくれた子』って、誰だか…………………………分かりやす?」(問いかけるのは最期の瞬間。あまり深くは覚えちゃいない。もしかしたら夢だったかもしれない。無我夢中だった貴方も分からなかったかもしれないんだけれど……彼は貴方にほんの少し、真面目な顔をして問いかけるはずだ。) (2/11 13:46:59)
木靴下@ヨモギ >
「だって、…ッ゛、だ゛っ゛て゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛!゛!゛!゛!゛」(貴方がせっかく差し出してくれたティッシュは一瞬で水浸しになって、ドロドロになっちゃうだろうよ。そんなに泣いたらカラカラになっちゃうだろうに、彼はそれの止め方すら知らない。)(みっともなく喚き泣くのは、貴方が無事で安堵したから?自分が守れなくて悔しかったから?重い気持ちを少しでも晴らしたいから?)(人が涙を流す時は【自分が可哀想だから】という話もあるけれど、彼はどうだろう。)「ッ゛……………生゛き゛て゛で゛よ゛か゛っ゛た゛で゛す゛……ッ゛ッ゛ッ゛!゛!゛!゛!゛!゛」(彼は加減が出来ないから、貴方の骨が折れるんじゃないかってくらい力いっぱい抱きしめる。でもそれから伝わるくらいには、《安堵》している。…それと同時に《悔やんでる》。)(───────彼は、【機動要塞】だ。)(支部が乗っ取られた場合には《ロスト》扱いになるのかもしれないが、それでも本来であれは死なない身。)(だから彼は、《特攻》なんだ。)(アンドロイドだから、貴方より命の価値は曖昧で、怪我と言うより欠損の概念の方が強くて。)(……もちろん、無事だとも。だって彼は【頑丈】だから。)(一発殴るより先に、追い出されちゃったから。)『…………………………そ、そういや。『アタシを治療してくれた子』って、誰だか…………………………分かりやす?』(貴方の発言に、彼は漸く貴方から離れて、ボロボロ落ちる涙を自分の袖で乱暴に拭う。)(この際、目元が真っ赤に腫れようがお構い無しだ。ロボットだから腫れるかどうかなんてわからないけど。)「ッ゛………出血を、最小限に抑えでぐれ、だのは…七五三野紫苑さんっ゛で、…【治療】、じて、ぐれだのは…〝雨夜鳥志乃紀〟さん、です……っ。」(彼は鼻水混じりに答えるだろうさ。)(ほら、柔らかい栗毛で、ちょっと小柄なあの女の子。)(貴方が治療されてる時、ヨモギは暴れてたから状況はあまりよく掴んでいないけど、貴方に彼女が寄り添ってるところは《見た》。) (2/11 14:28:14)
外@助六 >
『ッ゛……………生゛き゛て゛で゛よ゛か゛っ゛た゛で゛す゛……ッ゛ッ゛ッ゛!゛!゛!゛!゛!゛』「ッ゛…………ン゛ン゛ンンンンン゛~~…………………………ぁ゛、あああ、ありがとうごぜぇや゛す…………アタシもあん時は本気で死んじまうかと思゛ッッ………………──────ちょ、すいやせん。…………み、緑の坊ちゃん??一旦その力を、ゆ、緩めて貰゛いてェんで………………………………」(ぎゅぅぅぅぅ~~~~~~~ッッ!!!!!っと力いっぱい抱きしめられる彼。機械の身体に脆弱でヒョロっこいスケロクの身体が悲鳴をあげるのも時間の問題だろう。涙でぐちゃぐちゃ、子供のように泣きじゃくる貴方に対し苦しそうに、そしてやや言いにくそうに上記の言葉を並べたのならば、今度は『ギブアップ』の意味合いを込めて貴方の背中をトントン、と叩くのだった。正直名前も知らない貴方がこんなにも自分を心配してくれているとは思わなかった。それは機械ゆえの責任感だったりするのかしら。兎にも角にもここまでヒトを心配させてしまったこと、泣かせてしまった罪悪感は少なからずあるみたいで………………)(……それからしばらくした後だろうか。)(漸く顔を上げた貴方は、グズグズと鼻を啜り涙を拭った後に、ぽつりぽつりと質問の返答をしてくれた。)『ッ゛………出血を、最小限に抑えでぐれ、だのは…七五三野紫苑さんっ゛で、…【治療】、じて、ぐれだのは…〝雨夜鳥志乃紀〟さん、です……っ。』「……………………へェ。」「〝 なごみの姉貴〟とォォ…………………………【あまやどり しのぎ】……………………それってのは〝 ふんわりした柔らかな茶髪の女の子〟で……………………??」(彼は、ゆっくりと目を細め、特徴を問いかける。)「………………嗚呼、ほらアタシついさっき起きたもんでさ、お宅にしかまだあってねえンだ。治してくれた恩を無視するわけにゃあいかねえし、今度〝 菓子折でも持って御挨拶〟に行こうかとォ………………へへッ……………………」(もしも、もしもあのことが『夢』じゃあなかったとしたのなら。なんにせよその女の子と会話はしなくちゃあならないでしょうに。勿論〝 嘘〟はついちゃいない。彼はヘラヘラと剽軽な笑みを浮かべたのならば小さく首を傾げて言葉を続ける。)「…………そういやアタシ、お宅の名前もしらねェんだ。ほとんど初めましてみてェなもんなのにこんな心配までして貰っちまって。」「アタシは八百万 助六で御座い。………………アルマデルの便利屋として扱き使われることを生業としていやしたがァ…………へへ、これじゃあ〝 使い物〟にならねえや。」 (2/11 14:51:04)
木靴下@ヨモギ >
(止まれと命じれば、それか緩んだ部品を閉めれば、その涙はきっとすぐに止まるんでしょう。)(それなのに、彼ったら如何せん、《人間臭い》。)(涙もすぐに止まらなくって、情緒も安定しなくて、機械ならそもそも背負わない責任感もある。)(それは彼を侵食しているイーコールの影響なのか。それとも、)「はい゛、…あの場で、ナズナさんに強く訴えかけてだ、あの栗毛の女の子でず……。」(彼は優しくて、情けなくて、【嘘が付けない】。)(だから貴方の質問にだって素直に、否、愚直に答えてくれるだろう。)『…………そういやアタシ、お宅の名前もしらねェんだ。ほとんど初めましてみてェなもんなのにこんな心配までして貰っちまって。』「あ。」(挨拶どころか自己紹介さえ忘れるのは、もはや彼の性なのだろうか。)(彼は慌ただしくその場でバタバタした後、しゃんと背筋を伸ばして口にする。)「オレは、二番小隊、戦闘班特攻、機体名β-07、戦闘型アンドロイド。……よ、ヨモギ、です。」(深深と下げた頭は謝罪の意なのか、それとも「よろしくお願いします」の意味なのか。)「あの、う、……そ、それで…………助六さん…………。」(彼は口篭る。)(聞きたいことが沢山あるけれど、言葉が纏まらなくって、怪我人で、目覚めたばかりの貴方に聞いていいのかってちょっと思ってたりして。)(だってほらまだ雨晴隊長の話を聞けてないし怪我の具合だって他にも自白剤の話だとかペルソナがどうだとかなんで貴方が【治療した人】を聞いたのか貴方その時一体《何を言われた》のかお菓子は何を持ってあげたらいいと助言すべきか自己紹介が遅れたこと不服に思ってないか貴方の皮肉を訂正してあげるべきかそれから貴方の話だとか最後に呟きかけた言葉だとか助けられなかったこととか他にも他にもまだ)(まだまだ)(まだ───────。)
( ──深刻な《ERROR》が発生しました── )
(……ヨモギは、思考回路がキャパシティ限界まで達すると《ERROR》を起こす。)(彼は如何せん考え過ぎてしまうから。考えるだけ考えて、上手く言葉に出来ないから、頭に熱が籠っちゃって。)(そういう時。)(────《フルスロットルな男》の出番でさ。)(…彼は気合を入れるように自分の足を強く叩いた。)(それから一呼吸。)(ふぅうぅぅぅぅ……と深く息を吐いてから、青いネオンの瞳は真っ直ぐ貴方を見た。)「助六さんよ゛ォ……。アンタァ゛…………〝志乃紀ちゃんじゃなきゃだめな理由でもあったのか〟?」(なんでアンタわざわざ、〝 ふんわりした柔らかな茶髪の女の子〟……って、【確認】した?)(いや、単純に認識の齟齬を避けたかったのならわかるが、何も、治療した相手のことなら目の前のヨモギに聞きゃよかっただろうよ。その方がよっぽど【確実】だ。)「……聞かせてくれよ、アンタなら分かってんだろ。」「【誰に、アンタの作った自白剤が効かなかった?】」(あの時、あの場で、アンタは打たれる寸前まで何を見た?誰を《診た》?)「……アンタは嘘は付かねぇと、オレは《信じてる》。」「もし、志乃紀ちゃんが裏切り者なら、オレは志乃紀ちゃんに【どうしてなのか】、ちゃんと聞きたい。」(人が裏切る理由は、嘘を吐く理由は、様々だ。)(誰それは裏切り者だ、密告者だと言い張って、疑い、差別し、その訳をひとつも聞かないで、すれ違ったままなんて、絶対嫌だ。) (2/11 15:40:22)
外@助六 >
「……ほほォ、ヨモギの坊ちゃんですねィ。へへ、宜しくお願い致しやす。」(彼は貴方の名前を脳の片隅にメモ書きのように残しておいた。離れてくれた貴方が語る特徴は、やはり間違いなく『例の記憶』と一致している。ならばあれは夢ではない。彼がゆっくり視線をあげる先、貴方はなにか言いたそうに口ごもっていたけれど………………)『あの、う、……そ、それで…………助六さん…………。』「…………………………んァ?」(──────【ERROR】)(突如としてそれは、〝 切り替わった〟。)(浅い緑から深緑に変わるような、錯覚。先程まで話していた青年とは違い、ギラついた本能的な瞳に、彼は【息を呑む】。【ライセンス︰警戒】)『助六さんよ゛ォ……。アンタァ゛…………〝志乃紀ちゃんじゃなきゃだめな理由でもあったのか〟?』(貴方は彼に、問いかけた。僅かに目を見開いて驚いたような顔をしていたのも束の間。彼は軽薄な笑みを浮かべ、小さく首を傾げる。)「…………へへ、そォんなの単純な話でさ。アタシはナゴミの姉貴とは同じ〝妖怪 〟として〝 前から面識〟がある。だからいつだって逢いに行く手筈を整えることが出来るがァ……………………」「しのぎの嬢ちゃんは別。『会ったこともない』。ましてやアタシは死に際だった。お礼をしなくちゃいけない相手に菓子折を渡してえのに遠くの方に飾られた灯篭のように薄ぼんやりとしちゃあ…………………………………………」「…………………………逢いにいけるもんもいけんでしょうに。だからアンタに聞いたんだ。なごみの姉貴と『初めまして』ってんなら、同じように聞いてるでしょうねェ。」(答えた通りだった。普通、『知っている人間の名前』と『知らない人間の名前』が羅列された時、知らない人間の方を知りたがるのは当然じゃあないか。〝 何もおかしいこと〟は無いはずだ。)「嗚呼、自白剤ねィ……………………アタシも薬売りとして『まだまだ』だったってェことでェ、ちいっとばかし〝 情けねえ〟って言いますかァ………………………とにかくアタシから話せることはなぁんにも………………もうあんなことは【御免】被りたいね。」(彼は答えなかった。そりゃそうだ。彼には『ナゴミノ』の件がある。もし貴方が『化けていたら』今度こそ【終わり】だ。どんなに貴方がこちらを信じていようが〝 彼が貴方を信じていない〟。そして彼は、『1人』には誰だかを伝えている。彼にとってはそれで十分で、貴方に話すことに『メリット』がない。)(妖怪とは、彼とはそういう男だ。故に、卑怯者で弱虫宜しく、『もう関わりたくない』などと言ってこの話を切り上げようとする。)「……………………──────あ!そうだ、…………………ねェ?そいで、わりィンだけどさ。」「………………お宅を足に使うのは忍びねえんだけどォ、…………ちぃっと後でお使い頼んでもいいかしら?病院食ってェほら、言っちゃ悪ぃけどアタシの口には〝合わねえ 〟もんで。」「アタシが欲しいのはァ、…………ヨーグルトとォ、それからァ…………」「あ゛ァーーーーッ………………ンや、こいつァメモに起こした方がいいなァ?チィーーーっと待っててくンな。」(彼はメモ帳をぴりり、と剥がしペンでサラサラと文字を綴り始めた。)「…………………………頼めやす?」(かたん、と。)(彼はペンを置いて、へらァ、と笑う様子まで。しぃー…………と自らの人差し指を口元に添えては、言い放つんでしょう。)https://dotup.org/uploda/dotup.org2719985.jpg_W9coaM7WXOiCGb01QbDd/dotup.org2719985.jpg (2/11 16:18:20)
木靴下@ヨモギ >
「……ッ゛………。」(それにしたって、遠回しのように感じれないか。)(アンタ、信じて貰えたならどんな薬でも作れるんでしょう。)(疑問はあったんだ。《ERROR》ならそれに踏み込んだ。)(754)(504)(94)(……それを《飲み込んだ》。)「………………………。」「……それにしたって、〝可笑しい〟とは、思いますけどね。」(知らない人間を知りたがるにしても、提示された情報が明確すぎるだろ。)(まるでその子じゃなきゃおかしいなんて確信があるみたいじゃないか。)(ヨモギは言葉を続ける。)「いいですか、助六さん。」「【よく聞いててください】。」(理性の光を取り戻した機械は、そのチカチカと点滅するマスクを口元から外して、貴方に言うでしょう。)「なんで教えてくれないのかはこの際いいです。」(貴方が信用してくれないのならこの発言でさえ薄っぺらく感じるでしょうよ。)「…ずっと貴方はなにかに怯えてるみたい。」(言い表せない、人にしか分からないようなこと。)「何に怯えてるのか全然分かりません。」「わかりたくもないけど。」(それは、機動【要塞】でも守ってあげられないことだ。)「苦しいことから守ってあげられませんか。」「ろくでもないことを庇ってあげられませんか。」「解決できませんか、オレでは。」(…………貴方にこれが伝わるかは賭けだ。)(態とらしく口元を晒したのも、苦しそうに左手で自分の胸ぐらを掴んでいるのも。)(貴方が自分を信じて、意図をくみ取ってくれるか次第。)「…………ッ……ごめんなさい。【頭】にまだ熱が籠ってるみたい……。」「……【聞いておきたかったんです】。……それだけは。」(マスクを外した顔で、頭を乱暴に引っ掻きながら彼は頼りなさげに笑った。)「…………大丈夫ですよ。…今は特に、予定がある訳じゃあないので。」(貴方から渡された【お使い】の紙を上着の内ポケットにしまって、彼は病室を後にしようとする。)(だが、最後に立ち止まってふりかえった。)「あの、ヨーグルトって、なにがいいとか、ありますか?」「【パッションフルーツ】なのか、それとも【ぶどう】?」(何故あえてそれなのか。そのセンスに疑いをかけたくなる選択肢である。)「なんでもいいですけど、わかんなかったら【あんず】のやつ買ってきます。」(選択は貴方に任せた。) (2/11 17:57:50)
外@助六 >
「……………、…………………」「……………………嗚呼、はは。」(彼は一言呟いた。貴方の言葉、素振りに『嘘がない』と、考えたっていいでしょう。誠意の篭った瞳、その様子に小さく笑みを浮かべる彼は、俯き、間を置いた。)(…………………………そして。)「…………………………いやァーーーーーッ…………ホント、参ったね~~~~~~~ッ?!?!?!………………それはアタシに投げかける質問じゃあねェだろうにィッ…………」「だって考えても見てくださいよォッッ!!!!!!!!アタシは見ての通りの三下!!!下の下の下、どこの小隊にも所属してねえ〝 便利屋 〟だ。」(顔を上げ、わざとらしくニヤリと〝 あくどい笑み〟を見せたのならば下駄を鳴らすようにあっけらかんと飄々に、琵琶法師よろしく軽薄に唄うよう語った。)「…………………………嗚呼、まあ、………………お宅のように『強ければ』なァ~~~~ッ………………あァっと驚くような『主人公(ヒロイック)』みてえならなァ、………………皆見たく、『優秀』ならなァ……………………」「アタシだって人を『信じられた』かもしれない。」「だが、アタシは〝弱い 〟。………………腹を撃ち抜かれれば死ぬ。換えは効かねェ。主人公気質でもなけりゃあ誇れるのは逃げ足だけ。」「世の中な、信じられるのは〝 金〟だけだ。」「金、金、金ェッ………………!!!!〝金より大切なもんが金でつなぎ止められる 〟ならアタシは【⠀蝙蝠(卑怯者)】を望みやすよ。」「アタシは『稼がなくちゃいけない』。だって金さえありゃあなんだって出来んだから。」「弱いアタシは色んな『想定』をしてなるべく身を守り、大切な者がプツリと切れちまわないように気をつけている。」「 ……………………だからいつだって『身軽』でいたいし、責任なんざこれ以上負いたくもねェ。『弱い奴』は弱いなりに、その分賢く生きなくちゃあならねェんだよ。」「…………………………お強い坊ちゃんにゃあ、…………分からねえ事情かもしれねえがな。」「………………もし情報を持っていたとして、渋る理由は単に『金払いがいい奴に渡した方が得するから』ってのもあるわけでェ、いやァ………………ヨモギの坊ちゃァん…………アンタ人が良すぎるよ。出逢ってまだ数時間もしてねェッてのによォ????………………いいかィ、いいこと教えてやろうね。…………そうさ、下っ端の妖怪なんて〝こんなもん 〟だ、期待なんてするだけ損だ。」「………………もし情報を持っていたとして、渋る理由は単に『金払いがいい奴に渡した方が得するから』ってのもあるわけでェ、いやァ………………ヨモギの坊ちゃァん…………アンタ人が良すぎるよ。出逢ってまだ数時間もしてねェッてのによォ????………………いいかィ、いいこと教えてやろうね。…………そうさ、下っ端の妖怪なんて〝こんなもん 〟だ、期待なんてするだけ損だ。」(守銭奴だった。きっと貴方の目にはどうしようもない〝クズ 〟に映っているだろう。彼に期待するだけ損なのだ。貴方は彼を買い被りすぎだと本人も語っているじゃあないか。あなたを疑うのは弱いから。貴方に情報を売らないのは『メリット』がないから。誰にも肩入れせず、結束しない剽軽であるのは『長いものに巻かれやすくするため』だと、彼は言うのだから。)「………………てなわけでヨーグルトは『杏』を頼みましょ。」「そんでヨーグルトはお宅の奢りだと、嬉しいなァ???えェ………………???」(彼は意味合いをわかっているのか。杏を選んだのは単に好みか或いは『花言葉』か。)(意図を汲み取らず知らない馬鹿でいられるほど、幸せなことは何も無いと。) (2/11 18:54:52)
木靴下@ヨモギ >
(さながら落語でも見ているかのよう。)(語り弾かれるのはとある妖怪のお話だ。)(道化の劇に、アンドロイドは《夢を見る》のだろうか。)(それとも、貴方の発言を理解しえない〝皮肉(ERROR)〟と受け取るか。)(彼は〝強い〟。)(腹を撃ち抜かれても死なない。)(換えが効く。)(だけれど。)「………………オレ、は………………。」「…………オレでも、………………」「………………………………主人公になれるなら、…………。」「…………………………【なりたかった】です。」(─────────彼は、【主人公】にはなれなかった。)「自分の望む未来を掴めるような、強い人に。」「…………〝オレもなりたかった〟。」(彼にとっての【主人公】というものがどれだけの価値を持つか、貴方には理解し得ないだろうけど。)(どこまで行ったって自分は一人では生きていけなかった。)(他人との関わりを断ち切ろうとしたって、どこかで【温もり】を求めてしまった。)(……人間のようだった。あんなに望んで、《やめたかった》のに。)「オレは助六さんが思うほど優しく……。」(困ったように、傷付いたように、彼は眉をほんの少し下げて、チカチカと点滅する瞳で笑うんだ。)(優しくあることは損でしかない。)(逃げることは恥だが、生きる上では大切なことだ。)(金より大事なものはあるが、それは金で守られていることを忘れてはならない。)(弱いから、強いものを羨むのも、怖がるのも、当たり前のことだ。それが何を言ったって、心を開いてくれないんじゃあ、無駄でしかない。)(…………じゃあどうして、そんな意味もない、自分には利益のない、無駄なことをする?)「…………【杏】ですね。分かりました。」(ヨーグルトくらいなら、代金はこちら持ちでもいいだろうよ。)(彼は最後に外したマスクを付け直して、そのまま扉をくぐって。)(─────────パタン。)(…………閉じられた。)(…………………………………………………………。)「…………ゔ……………ゔぅ〜〜〜〜〜〜ッ゛ッ゛、………………!!!」(貴方の病室を出て、暫く歩いた先で、彼は蹲った。)(苦しそうに唸って、自分の胸ぐらをぎゅうっと、強く掴んで、耐えられないというように、強く。強く。……それを、塞ぎ込んだ。)(止まったはずの涙が、ぼろぼろと落ちて、)(湧き出て欲しくもない汚い感情が抑えきれなくなりそうで、いっぱいいっぱいで。)(……人を疑いたくなかった。だって怪しいところなんて探そうと思えば言葉一つで簡単にこじつけられるだろ。)(どう足掻いたって人の心は読めやしない。どんなに証言したって信じてもらえなきゃ意味なんてない。)(…………そんな疑いに、疲れて。)(……………………暫くは考えが纏まらなくて、動けそうになかった。)(後日くらいか、多分貴方のお見舞いに来た人経由で、貴方にちゃんと杏のヨーグルトが渡されるだろうよ。)(でもこれ以降だ。)(……これ以降、ヨモギが君の前に姿を表すことはなくなった。)〆 (2/11 20:36:22)