白雪&大江楠美

ゴールデン・スランバーver.1

白雪 > (カツン、カツン、カツン……)アルマデル第八支部。動物園の檻、あるいは重罪人を収監するアルカトラズを彷彿とさせる保護サイトの渡り廊下に、冷たく硬い血の通わぬような足音が響いていた。(……カツン…………───)黒いブーツは踵を揃えて止まり、軍人のように極めて正確にくるりと踵を返す。「……此処が本日、あなたに研究をして貰う保護サイト。そして……」シックでも目立つ和装に、白いベールと凍てつく美貌。このたび貴女の直属の上司となった”白雪(ツクモユキ)”小隊長が、深紅の唇を弧に描いて笑みを浮かべていた。「ここにあるのが貴女に研究をする保護対象、【ゴールデン・スランバー】よ。……大江楠美さん。」その笑みは貴女にとってどう見えているのでしょう。意地悪そうでしょうか、それとも、優しそうでしょうか。白雪は金属の擦れる音と共に手に持った鍵の束を軽く摘み上げて見せると、一つの檻の鍵穴へそれを差し込み、ゆっくりと重い鉄の扉を開けた。「どうぞ、入って。相手は一応カミサマですから、何が起こるか解らない以上入ったら鍵を閉めるわね。」   (1/5 16:38:29)

大江 楠美 > アルマデル第八支部勤続1年目。晴れて研究員となった私を待っていたのは、レポート、レポート、レポート!退屈極まりない毎日にうんざりして配置変えを要求したら03小隊の清掃班に回されて。いっそ機密全部持ち出して売っぱらって馬につっこんだ方が面白いかなと考えていたのが昨日のこと。朝、起きると同時に悪役令嬢という愛称で呼ばれている背が高い人が私の部屋に来ていた。私の上司だった。「ついてきなさい」と言われて、部屋を出たのが7分前のこと。   (1/5 17:11:09)
大江 楠美 > 悪役令嬢の後ろ姿を見ると、サラサラと黒髪とヴェールが揺れる様子は、私に珍しく綺麗と思わせて、無感動な私にそう思わせるのだから、きっとこの人は人間じゃないに違いないとこの時思ったが、それはそうだったら面白いなって程度の希望的観測。「ここにあるのが貴女に研究をする保護対象——」とこれからの行動について説明しドアを開くと。「どうぞ、入って。相手は一応カミサマですから、何が起こるか解らない以上入ったら鍵を閉めるわね」と言って、瞳を向けた。他の研究員からは冷血女とか悪役令嬢とか呼ばれている彼女だけど、その時の声色は見た目や噂に反して、妙に優しい雰囲気を纏っているような気がした。面白そうな人だ。「入りました」私は鉄臭い部屋に入って、白雪さんにそう言った。   (1/5 17:11:33)

白雪 > 『入りました』その言葉を耳にした瞬間だった。白雪はまた目を細めてにっこり微笑んだかと思うと、自分は廊下から一歩も動かぬまま───────(……ガァンッ………!)静かな、けれども耳へ障る金属音を立て、扉を締め切ったのだった。「……宜しい。」落ち着いた声が一陣の吹雪のように空々しいゆらぎを持って、鉄格子の間をすり抜けて貴女の耳へ至るだろう。やれと言われた事を素直に遂行する従順な若い小娘。白雪の第一印象としては、そんな物静かさがどこか気に入らなかった。【第三小隊適性試験を、只今より開始。】「では、早速研究を開始して頂きましょうか。保護対象の行動サンプルはあればあるだけ困らないわ。好きに触って、どんな反応を見せるのか”そこで”報告なさい。」話しながらかちゃりと鍵をかけ、脇へ抱えていたバインダーと、それに挟んでいたペンを手に取る。「いいことを教えてあげるわ、現段階での研究によればそのカミサマは無機物よ。いきなりとって食われるようなことはないみたい、よかったわねぇ、優しい上司で。……ほら、試しに壁に向かって引き金をひいてみたら如何?跳弾しないといいわねぇ。」   (1/5 17:23:59)

大江 楠美 > ……と言われて、前方を見ると資本主義的暴力装置、すなわち金ピカの銃が銀の台座に設置されていた。外の汚らしい様子とは一転して、部屋の中は小綺麗にしてあるようで、錆や埃などは見当たらなかった。「……冷た」成金銃に触れると、真冬の鉄棒みたいにキンキンに冷えていた。重さは、体感3kgくらいだろうか、一般に流通している拳銃より重く感じる。よし、取り敢えず撃ってみよう何がどうなるかわからないが、多分銃なんだから速度×質量のエネルギーを持って有機物を破壊するための装置だろう。跳弾が誰にも当たらないと良いなぁとか考えながら、引き金に指をかける。「撃ちまーす、跳弾するかもしれないので、ドアから離れてくださーい」そう言って、引き金を引いた。バアン!!室内で破裂音が鳴り響き、キーーーーンって耳鳴りが鼓膜の奥から流れてくる。なんで室内で撃とうと思ったんだろ?   (1/5 17:38:22)
大江 楠美 > そう思いつつ、チラッと扉の、鉄格子の向こうを見た   (1/5 17:38:39)

白雪 > 檻の中にカミサマと閉じ込められた事、明らかに危険そうなそれを扱ってみろと指示した事にもう少し抵抗すると思った。けれど貴女は拍子抜けする程呆気なく、鈍感なのか暢気なのか、やけに軽い調子で引き金を引くと言い放ったのだ。白雪は片方の眉を軽く上げ、ふぅんと喉から音を出してから耳を塞ぐ。0.5秒程、想像よりも破裂音の訪れるのは早かった。檻の端、物理的に被弾することはまずないだろうと思われるところまで移動して壁に背を預けつつ、横目で弾の軌道を追った。「……壁、天井へ跳弾、いずれも破損はなし。」口に出しながらさらさらとバインダーにメモを取る。金の薬莢は、ころんと貴女の足元へ転がってくるだろう。「肝が据わっているのね」白雪は壁から背を離し、もう一度貴女へ向き直った。   (1/5 17:53:57)
白雪 > 「……初めて銃を扱う人間は、その衝撃に驚いて尻もちをついてしまうものだと思っていたのだけれど。……慣れてるのかしら、どういうわけか。」白雪の手元でたった今、灯りによって顕になったバインダーの文字にはゴールデン・スランバーの事なんざ書いちゃいなかった。そこにあるのはたった一言……【見込み有り】。それだけだ。「研究を続けなさい。弾は減っている?装填は可能?連射は?……”カミサマ”を、殺せそう?」雪の女王はそう尋ね、そしてまた微笑んだ。   (1/5 17:54:22)

大江 楠美 > 弾は減っている?装填は可能?連射は?立て続けに質問されて。「……”カミサマ”を、殺せそう?」と最後にそう質問された。中々面白そうなことを言う人だ。私のワーキングメモリー頼りだが、確か弾は減っているか、装填は出来るか、連射は出来るかだったかな。銃口を覗きながら、シリンダーをカチカチ回す。「弾薬は〜」(1,2,3,4,5…)一つ弾頭の欠けた弾がバレルの奥に見えた。「消費されてます!」取り敢えず装填方法も分からないまま全弾打ち切る訳には行かないので。目をすぼめて、シリンダーに詰められている薬莢の文字を読んだ。(44..MAG………44マグナム)あの日の銃も確か44マグナムだったっけ。(百合子が生きてたら……)なんか、よくわからないけど私らしくないような気分になったから、顔を見せないように、銃の方を見て、扉に背中を向けたまま言う。「……しr、小隊長、薬莢に記載されていた文字から推測するに、再装填には44マグナム弾が適していると考えます。用意することは可能でしょうか?」   (1/5 18:14:24)

白雪 > 弾丸を用意することは出来るか。そう尋ねられた白雪は顔色ひとつ変えずに言い放った。「……なぜ?」その質問の意図に、貴女は戸惑うだろうか。なぜ必要なのかと聞いている?いいえ。なぜ私が用意しなければならないと言っている?いいえ、それも少し違う。小さな子どもに言い聞かせるように、嫌味なほどゆっくりと嫋やかに響いたその二文字と裏腹に、彼女は凍り付くような視線を投げかけた。「私は研究を続けなさいと言ったのよ。あぁ……私の指示が不十分だったのかしらねぇ?ごめんなさいねぇ。」そう。言葉にはしないものの、『なぜ私の望むように動かないのか』と、彼女は言っているのだ。   (1/5 18:55:11)
白雪 > 「好きに色々試していいのよ。突拍子も無いことが発動条件になって、観測したこともない動きを見せるかもしれない事を私は期待しているの。言いたい事わかる?」白く長い指がそうっと鉄格子に触れる。「それとも………」白雪は檻の中の貴女をねめつけた。「…………指示されないと、何もできないのかしらぁ?」彼女は貴女の求める44マグナム弾がどこにあるのかを知っていたけれど言わなかった。"特権階級"直々に部下の使い走りになる必要はない。弾を使い切ってから貴女に行かせればいいのだから。   (1/5 18:55:15)

大江 楠美 > カタカナじゃないほうの神よ、私を03小隊の清掃班に加えてくださったことを感謝しています。私の上司はかなり良い人でした、あなたの聖名が神聖なものでありますように、アーメン。(両手の指を組み、目をつむったまま天井を見上げる)あの威圧的な視線と態度なら恐怖を感じる人は盲目になってしまうんだろうけど……良いんですか、好きにやっても。私はあなたを危険に巻き込んでしまいます。なんて、そんなことを言ってしまったら。(壁代わりに私の方が撃たれそう)右手に銃を握りしめて、言われたことを思い出す。『好きに色々試していいのよ。突拍子も無いことが発動条件になって、観測したこともない動きを見せるかもしれない事を私は期待しているの。言いたい事わかる?』観測した事も無い、ということは、つまり実験は既に複数回行われてるってことで。なんでこの人は私にあんなことを言ったんだろうとか、この実験の意味とは?とかそんなことより。面白そうだ。「ありがとうございます、では好きにやらせていただきます」「貫徹力調査」そう言って、右手に握りしめていた金ぴか銃を扉に向けて撃つ。   (1/5 20:15:06)
大江 楠美 > 火薬の炸裂音が響いて、しかし音の割にはドアは平気そうで、潰れた弾頭が表面に埋まっている。向こう側に居る白雪姫も平気そうだ。つまらない。これは本当にただの拳銃なんじゃないか。そう思いだしたころに閃いた。「…………あ」なんで忘れていたんだろうか。一番分かり易い方法があったじゃないか。残弾4、普段の私なら絶対に不発に終わる確率。(シリンダーを手で回転させて、顎に銃口を縦に突き付けて、引き金に指をそえる)(目を閉じる)『す、すみません。あの……もう、あぶないことは、やめませんか?』声が聴こえた。   (1/5 20:15:23)
大江 楠美 > 「…………百合子?」引き金を引く。カチッカチッカチッカチッ・・・カチッ弾が出ない。なんでだ。確かに弾詰まりするリボルバーなんて面白いかもしれないけど、今はあまり面白くない。(出ろ!)カチッカチッ(撃てったら!)カチッカチッカチッあー、これは完全に…壊れた。壊れた銃だ。「すみません、弾が出なくなりました」「ほら」(壁の方に向けて引き金を引く)パァン!!出た。「あぁ……これはおそらく…」これは恐らく1.使用者に幻聴を聞かせる銃2.自殺しようとした時だけ弾が出ない銃3.奇跡的なタイミングで弾詰まりする不思議なリボルバー結論「この銃には自我が存在するのではないでしょうか?」   (1/5 20:15:54)

白雪 > 【ゴールデン・スランバー】【引き金を引いた者が望む通りの結果をその弾丸と弾丸が放たれたことによる副作用によって物理的に可能な限り実現してしまう】……それが、大江楠美には教えていない、白雪の知っているこのカミサマの情報の本質だ。だからあなたが銃を扉へ向けた時、白雪はまた物理的に弾丸が届かない檻の端へと移動するべきだった。このドクサレ上司が死ねばいいのにと貴女がほんの少しでも願っていたら、楠美が許せどもこの黄金の銃は許さずに、永遠の微睡みという監獄の中へ今度は白雪のほうをブチ込むに違いなかったのだから。けれど、どうやら狩人は女王を殺し逸ったようだった。白雪はそこから一歩も動かぬまま、目を見開いてあなたを見つめた。「……あなた───────」『…………あ』白雪の声を遮って、あなたは顎に銃口を突きつけた。少しまずい展開になってきたようだ。「ッ…………──────────────」白雪は鍵に触れる。しかし時は遅かった。   (1/5 20:47:50)
白雪 > (カチッ)   (1/5 20:47:52)
白雪 > 「……」(カチッ)二回目の空振りの音。(カチッ)立て続けに、三回目の音を耳にした。もう偶然ではなくなった。狂ったように引き金を引き続けるあなたを見ながらため息をついた。ようやくこちらを向いたあなたの言葉へ、白雪は返事をくれてやる。「……さぁ、どうかしら。無い、とは言い切れないわ。まだまだ研究途上のカミサマですからね。」鍵穴へ鍵を差し込み、扉を開ける。鼻先で『出ろ』と合図をしながら鉄格子へ背をもたれかけさせ、バインダーを胸に抱いて片手の指で眉間を抑えた。「……私が知っている情報はこの通りよ。その銃は、使用者の望みを物理的に可能な限り実現する。……もしもあなたが”私を殺したい”と思っていたなら、新しい研究データがを獲得したことになるけれど。」とはいえ、上司にそんな事、言えやしないだろう。   (1/5 20:48:00)
白雪 > 「研究を終わっていいわ。……あなたがどう思っていたにせよ、私に向けて引き金を引いた事実は変わらない。……怒ってないわよ?ええ、本当。ただ一つ思うのは……」「そこに【罪 悪 感 と か な か っ た の か し ら】って。」それは、いつもの調子のただの陰湿な嫌味でしかないのかもしれない。けれどもし、あなたの中にどんなゴミ上司であっても目の前で脳漿をぶちまけてはほしくない理由があったのだとしたら、研究すべきは銃じゃない。自我があるかどうかを尋ねたいのは、なによりもそう、あなた自身にだ。   (1/5 20:48:06)

大江 楠美 > (罪悪感……) 聞きなれない単語に、目を閉じて考えこんでしまう。罪悪感…悪いことをしたと思う気持ち?悪いこと…今までどんな悪いことをしただろう。そもそも悪いことってなんだろう。例えば、ポーカーで自分以外のプレイヤーを破産させた時。『まだ家のローンが残ってるのに…そんな…』『…い、イカサマだ!このクソガキぶっ殺してやる!』『悪いが、あんたが来ると他の客が来なくなるんでな』……悪いことをしたのは、負ける戦いに全財産をつっこんだ男たちの方だ。例えば、清掃業をしていた時。『な、なんでこんなこと!?』『悪魔め』『同業者としてありがた〜い忠告を言わせてもらうとな、お前イカれてるよ』…確かに法の上では許されないことをした。それは罪悪だろう。だけど、そこには”感”がない。『……あなたがどう思っていたにせよ、私に向けて引き金を引いた事実は変わらない』なんでそれが悪いことなんだろう?何も感じないのに。『ほ…本当に、わ、わたしが勝ったら、あぶないことは辞めてくれるんだよねっ』例えば、あの日。   (1/5 21:29:38)
大江 楠美 > いつも、心のどこかにサイコロがあって、都合が悪い時はそれを振り直すことが出来た。望んだ結果に。望んだ…….(あの日、どうして私は)百合子を失ったんだろう。運悪く刺されたんだろう。らしくない。それを望んでいたから?まさか、理由がない。理由が。百合子、お前が私を変えたのか。『ついてねぇなぁ、1発で逝っちまうなんて』俯いたまま、足元を見ると靴先に脳みそがこびりついていた。「えっ」目を擦る。いつも通りの黒い靴。音は遠く、光は歪んで見えた。これが罪悪”感”なのか、百合子。いつも私に張り付いてくる癖に、なんであの日、出ていくだなんて言ったんだ。ずっと、私といるのは、あまり楽しくなかったか?……百合子。「発砲の件に関しましては、正直に申し上げると、そこまで考えが至っていませんでした」顔を上げて、目線を合わせて言う。「ただ、罪悪は、今も感じています」「それは今も、背中に張り付いて離れないものです」首が痛い。   (1/5 21:30:36)

白雪 > 『ただ、罪悪は、今も感じています』『それは今も、背中に張り付いて離れないものです』嫌味に動じず、貴女は呟くように言い放った。”今も”という事は、きっとたった今白雪に向けて引き金を引いた事について話している訳じゃないんだろう。貴女は女子高生くらいの歳のくせしてなぜか銃の扱いがうまかった。異常に肝が据わっていた。白雪にとって、仮設を立てるには十分な情報だった。「……罪の意識を感じているのなら──────」白雪はあえて、あなたの過去を詮索せずに”私と貴女”の間にある罪としてそれを処理し、当事者として口を開く。「壊した扉くらいは自分でなんとかして頂戴ね。」落とし所としては、こんなものだろう。パワハラ上司お得意の理不尽な無茶振りだ。どうすればいいかなんて聞いた日にゃ、自分で考えろと言うのが目に見えている単なるいびり。施設内を駆けずり回って扉の修復をしてくれる誰かを探すなり、身体でもなんでも売って資金を調達するなり、いくらでも方法はあると思っていたが。   (1/5 21:51:07)
白雪 > 「鍵をかけるわよ。私は報告書を書きに行きます。」ちゃり、と音を立て鍵をしまい込む。破損した扉の前にあなたを置き去りにするつもりだ。「……どうかした?」あるいは他に方法があるとでも言うのなら。──────────────【ダイスを、振るといい。】   (1/5 21:51:15)

大江 楠美 > 白雪さんはドアを直せと言って、鍵を取り出して。剛鉄の扉には、親指の爪くらいの穴。台座の上には、意思を表現する黄金の銃。鍵はまだ締められていない。「ちょっと、待っててください。今直します」そう言って、部屋に入り冷たい黄金銃を右手に握る。そして、そこから扉のほうへ銃口を向ける。(良い感じに穴を塞げ)そう思念を送りながら、引き金に圧を加える。パァン!!…パァン!パァン!パァン!計4発、撃ち切った。鉛で出来ている弾頭はどれほど仕事をしてくれただろうか。扉に近寄って、問題の箇所を見てみる。穴は完全に、鉛色に塞がっていた。「……どうですか?」   (1/5 22:18:26)

白雪 > どうですか?と言われあなたの隣へ肩を並べた。扉を指でなぞると、見事な継ぎ矢宛らに薬莢が穴を塞いでいた。見た目はふさがったけれど周りの金属の劣化が治った訳ではない……とまたいちゃもんを付けたいところではあったが、そこはゴールデン・スランバー。0.5ミリのずれも許さず組んだ宮建築のように、隙間なく修復された扉が破損によってそこから瓦解していくことは、少なくともむこう数百年は無いのだろう。「……なるほどね。」たった一度説明しただけのGスランバーの性質を理解し、使いこなす機転。大江楠美はどうやら只者じゃないらしい。白雪はくすっと笑って、最後に一言。「───────ようこそ、三番小隊へ。」【適性試験】の結果を、口にするだろう。〆   (1/5 22:33:03)