敗北/円 澪 > 私はこのアルマデル第八支部においては、嫌味な言い方ながら、ある程度上役であると言ってもいい。所詮中間管理職であって、なんだったら上と下から挟まれる訳であって。見方によっては、実行部隊となる、異能力を宿した他の職員やら、技術者、あるいは一般職員などの方がカミサマ__つまり異形の化け物からろくでもない死に方を授与される前提の___生命の危険があるにしろ。裏切り者の退治が主任務な私にとっては、結局生き死にを預かるわけであまり変わらないどころか、むしろ彼らを、繰り返し嫌な言い方をしたら羨むようなことも___実際ないわけではない。しかし、流石にそう強いカミサマをあてがわれたりすることは多少なり少ないようだ。ただ、だからといってアルマデルの全体的な性質上。カミサマや、イーコールに関わらずして暇を潰していられるわけではない。今回の任務は……雪玉うさぎの世話というのは。その二律背反が、訳のわからない捻くれ方をした結果の着地点なのかな……と、私は推理するが、その真実は多分永久に闇の中である。 (1/5 22:43:31)
敗北/円 澪 > 『雨夜鳥嬢、初対面が危険な任務からというわけではなく、光栄です。雪玉うさぎ……の世話、というところですが。何か不測の事態が起きないとも限りません。変わったことがありましたら、すぐさまお伝えいただけたら幸いです。』不測の変化を伝える相手の彼女が裏切り者ならますます嫌な仕事だな、と思いながら。身震いするような遥々真っ白の雪景色にコートの袖を思わず掴んでしまえば、なんだか生物として大丈夫なのか?と疑いたくなる、一昔前にはやった駄菓子のような形態をした、雪玉うさぎ___彼らも立派なカミサマだし、何が起こるかわからないという表現は間違いではなかろう……と思う___のぴょんぴょんと軽やかにはねまわるのを半ば呆れ半ば警戒という塩梅で見つめながら、今回組むことになった、第13小隊所属の雨夜鳥女史に、通過儀礼やルーティーンのような挨拶を先ず交わした。 (1/5 22:43:41)
らくだ@雨夜鳥 > 「はぁ~い。よろしくおねがいします、円たいちょー」(間延びしたその声と調子は、君の危惧や思い悩んでいることなどお構いなしに、喜びと期待に満ちている。齢16の少女にとって、カミサマとはいえうさぎによく似た生物のお世話は調査と言うよりテーマパークのふれあいコーナーに近いものですから。)(他の小隊の隊長様。自分にとってはあまりなじみの内人だけれど、入れ替わりの激しい組織ではこんなこと日常茶飯事だ。知らない人と二人きり、という状況は今でも得意ではないけれど、それに一々苦しんでいれば彼女は今頃こんな場所にはいられないだろう。君ほどきちんとはしていないけれど、彼女も彼女なりの定型文を差し出して、彼女は雪玉ウサギらのいる小屋──小屋、と言って良い大きさでは無いけれど──の扉をあけた。)「~~~~っ……ふふ、へへぇ」(小屋の中に足を踏み入れると、肌の表面を鋭い寒さがなでつける。笑う度に漏れる息は白く、だがそれすらも彼女にとってはたのしみの一つにしかならない。彼女の目はきらきらと雪景色にきらめいて、肌をさす痛い寒さも赤い鼻も、全く気になっていないようだった。) (1/5 23:09:20)
らくだ@雨夜鳥 > 「えっと、えさ、ご飯……ご、は……ん!」(きょろきょろと視線を巡らせ、雪玉ウサギへ与えるための餌を見つけたのなら、君に声もかけないままに一人ですててと駆けていく。道中に近づいた30㎝程度の雪玉ウサギに目をとられれば座り込んで頭を撫で、立ち上がったなら目に入った木の枝を拾い上げる。木の枝をぶんぶんと振りながら、見失った『給餌』の仕事を探し、再び餌を管理している小屋を発見しては君を呼んだ。)「たいちょーさぁん、こっち!」 (1/5 23:09:30)
敗北/円 澪 > 『お嬢(ミス)、あまり急くと転びますよ。ああ、手袋はちゃんと付けましたか?無いなら私のを………。それに、棒を振り回すのは危ない。貴女の小さな友人に当たってしまったら可哀想でしょう?』それは小さい子の遊ぶ姿を見ている時のような気持ちだった。自分には……血の繋がった子供というのは、限りなく近しい存在はいれど、厳密に見るならやはり、いない。いや、むしろダウが居るから余計にだろうか。隣の芝は青く見えるという残虐な表現にも類似しがちだけれど、他の子を可愛く見える感情というのはそんなに卑しいものではなく、あどけなく遊んでいる姿を見るのは他人にも等しく優しい気持ちを持つことができるという証左であろう。 (1/5 23:27:06)
敗北/円 澪 > ついつい我が子に接するがごとくあれやこれやと窘めるような言葉ばかり口にしては……自分も彼女を真似て、冬の間だけの儚い友人の頬を優しく撫でてから、追いつこうと足早に、けれど滑らないようにと歩いていき。『ごはん……どう与えましょうか。一応トングなりがあった方が____いや、お嬢(ミス)、貴女がおやりなさい。きっとこの子達も貴女と遊ぶ方がきっと好きでしょうから。』白い吐息をくゆらせるようにゆっくり漏れた、優しい笑いの混ざったため息をひとつ。それから、餌となる小ぶりな果実を数個箱から取り出して彼女に差し出せば、まずはどうぞ、と、貴女が与えたらきっと喜ぶから。と目を細めた。 (1/5 23:27:16)
らくだ@雨夜鳥 > 『お嬢(ミス)、あまり急くと──…………──貴女の小さな友人に当たってしまったら可哀想でしょう?』「ん、ん、気をつける……ます」(楽しいことが沢山あると、目の前のことがほんの少しだけぼんやり見えてしまうから。注意されたと言う事への我儘な不満とほんの少しの反省に立ち止まり、足下をよくよく見てみれば、足下には雪に埋もれた5㎝程度の雪玉ウサギがふるふると震えているのにきがついた。)「あぶないでしょお。……ごめんね、よしよし」(カーディガンに雪がつくのも厭わないまま彼をそうっと拾い上げ、自身の目線の高さへ持ち上げる。危ないでしょ、なんて。不注意だったのは明らかに彼女自身の過失であったのに、ただそれに気付くような性質を彼女は持ち合わせていない。)(ふぅ、と彼の頭に降り積もった雪を吹き飛ばしたのなら、彼をそっと雪に下ろし、にへ、と君に笑って見せた。) (1/5 23:59:39)
らくだ@雨夜鳥 > (小屋の中はよく管理されているようで、木の実の採れないこの時期でも問題なく彼らが冬を越せるように、潤沢な蓄えが用意されていつのでしょう。多少色はくすんでいようとも、それらはまるで、クリスマスツリーのお飾りみたいだ、と思う。)『ごはん……どう与えましょうか。一応トングなりがあった方が____いや、お嬢(ミス)、貴女がおやりなさい。きっとこの子達も貴女と遊ぶ方がきっと好きでしょうから。』「んへ、ふふ。たいちょーさんも、いっしょに。ね、へへ」(嬉しさ楽しみ、わくわく。溢れてしまう感情が溢れてしまうのを隠そうと手で口元を隠しても、どうしても笑いは溢れてしまうもの。渡された果実を右腕で抱え、左手で君のコートの端をつまんで引っ張った。君の遠慮か気遣いか。どちらにしたって彼女はそれを、それと気付かぬうちに享受し、またときにはねのける。)「おーい……、で、おいで。ごはんーーだよ」(君を連れ小屋の外に出たのなら、餌の時間と感づいた雪玉ウサギたちがすぐそこにきっと来ているでしょうから。自分の抱えた果実をいくつか君に押しつける。彼女は君と、彼らに戯れたいのです。) (1/5 23:59:51)
敗北/円 澪 > 『ふふ……そうでしたね。任務が二人一組というなら私も、でした。申し訳ございません。ただ、その___こうした類の、その、可愛い……もとい。小さい生き物に触れたことがあまりなく。』彼女に雪玉うさぎの餌を与えてごらん。と勧めたのは、何も見た感じが微笑ましかったからではない。小動物というのだろうか、そうした類の生き物にあまり触れたことが___厳密には訓練の際などには嫌というほど見るが、それはあくまで食物としてのものである___なく、どうしたらいいか分からなかったり、持て余してしまっていたのもある。だから、隊長もと言われて応えたものの、それは触れたこともない精密機器の中にドライバーを握って手を突っ込んでガチャガチャといじくり回せと言われたのと等しく。 (1/6 00:18:33)
敗北/円 澪 > 袖を引き寄せた力の方向に軽く目線を向けては、どうしたらいいだろう。と、怯えというのか嫌悪というのか、その間くらいの位置にある微妙な心境に戸惑うように口元を僅かにひくつかせて。『なので、可能であるのでしたら……一緒に、どうでしょうか。』人間、一回失敗をしたら二回目三回目はやりやすいもので、どうしたものかと進路を二転三転さ迷わせた指先に果実を優しくつまんでは、一緒に、つまり同じタイミングであげてくれないでしょうか、と。結局いつごはんをくれるんだろうこの人間は、とでも言わんばかりにきょろきょろと目線を行きかわせる雪玉うさぎの口元に、恐る恐る手元の餌を与えた。 (1/6 00:18:46)
らくだ@雨夜鳥 > 『なので、可能であるのでしたら……一緒に、どうでしょうか。』(彼女は人の気持ちをあんまり分かってやれない質なものですから。君のその微妙な反応に隠された感情を計り知れやしないし、『触れたことがあまりなく』と言う君の言葉も、きっと自分がその立場になれば同じ感情を抱くだろうに、今の彼女がそうではないから、分かってなんてやれないのです。それを罪とも思わないままに彼女は君の言葉に首肯して、君の隣に並び立つ。)(彼女はどこまでもマイペースだ。度が過ぎたそれに人によっては苛立つだろうが、それにさえ彼女は多く気付かない。それは君を見ていないのに等しいけれど、それでもきっとそうではなくて。)(彼女が君を引っ張ったのは。仕事を受けてここに来て、君と言葉を交わして足を揃えて並び立つのは。不器用なりに駄目なりに、人と向き合おうとした拙い軌跡だ。)「えっと……わたしも、あんまり上手じゃ、きっとないけど、えっと……」 (1/6 00:56:22)
らくだ@雨夜鳥 > (君の視線の先にいる彼は鼻をひくひくと動かし、ほんの少し警戒しているようだった。)「まえに聞いた?のは、相手を待ってあげるって。だから、えっと……そのまま……」(あまり近づき過ぎないように、あまりぐいぐいと押しつけないように。ひくひく、ふるふると震える彼はちらりと君を見上げた後、くちをあんぐりと大きく開け、君の差し出した果実へかぶりつく事でしょう。)「……っ、ん!」(たべた!なんて、声に出さないまま驚いて喜んで、君の目を見て微笑んだ。どんな立場でも無いけれど、ほらほら見てみて可愛いでしょう、ふふんどうだ出来るでしょう、なんて意味も無いのに自慢げで得意げで、君が模試安心してくれたのならば、彼女はもっと嬉しくなる。)「つぎはあのこ……、おいでぇ、」(その場にそっとしゃがみ込み、目を付けた子のほうへ両手を広げて呼んでみる。中には大きな個体もあるけれど、二人ならきっと大丈夫でしょう。……果たしてこれが調査と言えるかは怪しいけれど。)「へへ、たのしー。……です、ふふ」(ゆきはしんしんとふりつもる。) (1/6 00:56:47)
敗北/円 澪 > 『あ……食べた!』彼女が口にしなかったことばを、代わりに、というように同じようなタイミングできょと、と目を丸くした。カミサマだって物を食べても構わないだろうし、本当ならそれくらいは簡単に推理できる程度のことだったのだろうけれど。非常に遠く離れた何かが実は近くにあったような、テレビでしか見れないような有名人や偉人が実は同じ学校を出ていたりした時のような。そんな気持ちだとでも形容できようか。図鑑の向こうの現象にすぎなかったそれが実態と実体を持って確認できるのを……人は喜びと呼ぶのかしら。それとも、余計なお世話というのでしょうか。『ええ、私も……楽しい。研究というには少々風変わりなものなのかもしれないですけれど、私は今日、貴女のおかげでこの子たちを知りました。得体の知れないバケモノのはずが、なんだか……"生きている"んだって。それを楽しいと表現するのは少し、傲慢かもしれませんが……。』 (1/6 01:23:03)
敗北/円 澪 > 雨夜鳥嬢に私は顔を向けて、予想していたよりずっと自然に頭の奥の方から言葉として引き出せた感想と一緒に、同じくらい自然に、そうあるべきものとしてす、ととても優しい笑みを顔は形作った。真っ白い毛糸玉をより合わせて、高いところから手のひらに握って……離したような。柔らかい雪が肩に降り積もって行くのも気にしないで、私は同じ生き物として "sno_0124_CAN:雪玉うさぎ"から、私には分からない彼らの名前をした誰かに変わった小さな命を優しく抱きしめて、それから何かを確かめるようにゆっくり頭を撫でた。『さ、そろそろ……帰りましょうか。風邪をひかないように、ゆっくりお風呂に入るんですからね。急に入っても危ないですから、ちゃんと暖まってから……ふ、ふふ。ごめんなさい、なんだか貴女を見ていると優しい気持ちになれてしまう。……ので、つい。』相変わらず雪は降り、相変わらず、最初からの__心配性も変わらないみたいだ。 (1/6 01:23:20)
らくだ@雨夜鳥 > (ふわり、さらり。それはきっと彼女の向けられてきた様々な感情の中でも、いっとう美しくていっとう優しくて、いっとう暖かいものなのでしょう。なんどだって書くけれど、彼女は感情に疎い。悪意に気付かず厚意に気付かず、自身の中にある感情だって言語化するのが苦手だ。そんな彼女は自分の世界の中に居て、外界と触れる事はきっと数えるほどしかないのです、けど。かまくらの屋根に、ちいさなちいさな穴が空いたみたいに。)『ええ、私も……楽しい。研究というには少々風変わりなものなのかもしれないですけれど、_____』(流れ込んでくる感情は穏やかで、ノイズのないままに綺麗な者だ。そのままに伝わる感情の大きさに驚いてほんの少しだけ立ち止まり。)「……ふふ、へ。くふ、また。しよ、ね。」(とけはじめたアイスみたいに、ふんわり小さく笑うのです。) (1/6 01:38:37)
らくだ@雨夜鳥 > (君の心配性に「しんぱいしょうー」なんて返しながら、飼育小屋を一緒に出ましょう。今日はこのあと別のお仕事があるから出来ないけれど、もし、もしも今度一緒に来れたなら。その時は一緒にお茶でも飲もう。一緒に浴場に行ったりしたり、ストーブで暖まったりしてみよう。)「ばい、ばぁい。」(ゆらゆら、ひらひらとカーディガンの袖を振り、彼女は一人で廊下を歩く。穴の空いたかまくらは、溶けて消えるのが早くなる。次は一緒に、隣に並んでお散歩しましょう。) (1/6 01:38:44)